なにをやっているのか
EX4Energyは、太陽光発電、蓄電池、EV充電器、空調、給湯器といったエネルギー機器を相互に接続する情報通信基盤「Public Power HUB」を構築・運用しています。電気通信事業者として、機器とサービス事業者の情報システムをプロトコルフリーでつなぐ、powerhubコネクトサービスを提供しています。
この基盤は、すでに事業の現場で使われています。数千件規模の機器を運用してきた実績があり、太陽光発電や蓄電池を活用したさまざまなビジネスで採用されています。お客様は、電力会社や都市ガス会社といった大企業から、発電所や蓄電所の建設・運営を通じてエネルギー産業に新たに参入した企業まで広がっています。電気代のマネジメントに課題を抱える企業向けのソリューションも提供しています。
なぜやるのか
▍電気を使う社会と、つくる側の分散化
AIの進化は、電力の需要を押し上げ続けています。計算する社会は、電気を大量に使う社会でもあります。
一方で、電気をつくる側も変わりました。大きな発電所から送り届ける構造に、各地に散らばる太陽光や蓄電池が加わり、電力システムは分散型へ向かっています。発電量に応じて電気の使い方を変える、需要側の取り組みも必要になります。
散らばったものを、つないで、束ねて、賢く動かす。この仕組みをつくることが、分散型電力システムを成立させる条件です。
▍分散エネルギー資源の接続問題
分散型電力システムの担い手として、VPP事業者やPPAサービス事業者、発電アグリゲーション事業者が登場しています。これらの事業者は、太陽光発電や蓄電池、EV充電器を自社システムに接続し、電力需給に応じて監視・制御を行います。
ここで接続問題が生じます。サービス事業者のシステムも各メーカーの製品も、それぞれ独自の文法と言語を持っています。複数の事業者が複数のメーカーとつなごうとすると、相手の数だけ翻訳が必要になります。この負担を放置すれば、分散エネルギー資源のポテンシャルは引き出せず、分散型電力システムは絵に描いた餅で終わります。
▍私たちがつくっているのは、土台です
つなぐことの煩雑さは、本来お客様が背負うべきものではありません。機器ごとに違う作法を調べ、通信を設計し、安全を確かめる。その面倒を私たちがまとめて引き受けます。
そうすれば、エネルギーの世界に新しく入ってきた事業者も、自分のアイデアをすぐ試せるようになります。多様なプレーヤーが自由にサービスを生み出せる場所をつくること。それが、この基盤をつくっている理由です。
接続問題は日本固有のものではありません。分散化は世界中で同時に進んでいます。アジア太平洋から、その先へ。私たちが目指しているのはそこです。
どうやっているのか
▍三つの世界が交わる場所で
この領域の難しさは、必要な知見が一つの分野に収まらないことにあります。
クラウド。機器から集めたデータを蓄え、判断し、指令を返します。可用性と拡張性が問われます。
エネルギー機器とプラント。相手は電気を扱う実機です。メーカーごとの仕様の癖、現場の制約、そして止まれば影響が現実に及ぶという重みがあります。データシートだけでは動きません。
通信。固定回線もモバイル網も使います。サイトの外側をつなぐWANに加えて、機器が置かれた構内をつなぐLANの設計が要ります。このLANはオフィスの延長ではなく、工場のフィールドネットワークで使われる産業用の作法が求められます。
機器ごとに異なるプロトコルのすべてと正しく会話し、なおかつ安全な経路の上で通信させる。通信が甘ければ、そこがそのままサイバーセキュリティの抜け穴になります。つなぐことと守ることは、この領域では同じ仕事です。クラウドエンジニアでも、組込みエンジニアでも、通信エンジニアでも、単独では担えません。三つを横断できる人材と組織が必要になります。
▍AIを前提につくり直した組織
少人数でこの領域を成立させているのは、AIを前提とした組織とオペレーションをつくったからです。
契約手続き、請求、経理、予実管理、社内報告。定型的な業務のほとんどを、AIが実行する仕組みに載せ替えました。ソフトウェア開発も、セキュリティの脆弱性情報の一次判定も同じです。
社員がやっているのは、AIに任せられる形に仕事を設計し直すことと、お客様と向き合い、判断し、約束を引き受けることです。AIの技術は日進月歩なので、この仕組み自体もつくり変え続けています。
▍国の議論の場で
分散型電力システムでは、サイバーセキュリティが避けて通れないテーマになります。多くの機器がネットワークにつながることは、攻撃の入口が社会に広がることでもあるからです。
経済産業省の産業サイバーセキュリティ研究会では、小規模な太陽光発電設備のセキュリティ対策が議題として扱われています。その電力サブワーキンググループ(第18回・2025年2月)に、「EX4Energy株式会社における取組について」という資料が提出され、経済産業省のサイトで公開されています。当社では、モバイル専用網を活用したサイバー攻撃抑制の実証も実施しました。
国が制度を検討している最中の領域に、実際に動いているものを持ち込んで議論に加われる会社は、そう多くありません。