1
/
5

プラスサム競争思考


こんにちは。ヤマモトです。

今月のブログは、最近よく考えている「競争」という
ものについて。

インテリア小売業界は、2018年現在、かつてない
ほどの競争業界になっています。

配送料金の値上げ、東京五輪に向けた地価高騰による
新築件数の減少、大手家具屋の通販強化、アパレル
不況による新規参入 etc... により、利益は減り、
競争相手は増えるという、真紅のレッドオーシャン
といえる状態です。

リセノにおいても、この4月からは配送の値上げに
端を発した、かつてないほどの大幅な値上げを
余儀なくされています。

僕の見聞きする範囲でも、インテリア小売各社は、
現状かなり厳しい損益と言わざるを得ない企業が多く
うちの会社も例外なく少し前のように「非常に好調」
とはいえない状況です。

送料については、数年すればもう少し安くなるかも
という楽観的な見方もありますが、ひとつの節目と
しての2020年までは厳しい価格が続くと思われます。

こんな厳しい状況ですから、インテリア小売各社は
サバイブに必死です。

たとえば、薄利多売で売上を作る通販ショップ。
高い配送料金は、安価な家具の利益を根こそぎ
持って行きます。

いままでは1万円前半の2人掛けソファーなどが多数
市場に出回っていましたが、そのソファーの配送料
が、以前の3倍以上の数千円~1万円かかる状態です。

2~3千円の利益を取れていたら御の字と考えていた
薄利多売の商売をしている企業には、大打撃です。

さらには、市場で攻勢を続ける大手企業は、生産の
ボリュームを活かし、安価で質の良い製品を市場に
どんどんと投入してきますから、価格しか競争力を
持たない企業は、大ピンチです。

これまで多く存在していた「他店のデザインや売れ筋
商品を真似して、少し安く売るお店」は、そもそもの
アイデンティティを失い、淘汰が加速していきそうです。

ちなみにホテルはたくさん建っているので、
コントラクト事業はホクホクのようですが。

小売メインの家具業にとっては、良い話を聞かない
とても厳しい時期です。

さて、辛い辛いと言っていてもしょうがないので、
このような厳しい時期にこそ、今までにやってきた
経験を基に、力を入れること、逆にやらないことを
決め、経営者として方向性を定めなければなりません。

さて、どこに進むのが良いでしょうか。

薄利多売の品揃えを強化し、大手に対抗するのか。
モール出店を増やし、売上規模を拡大するのか。
他社にまねできない最高の製品にチャレンジするのか。
人を減らし、経費を減らし、倹約するのか。
それとも嵐が去るのをじっとまつのか。

どれもダメですね。論外です。

僕が考えているのは、ひとつ。
「競争しない」という道です。

商売というのはオリンピックなどの競技と違って、
勝者は1人ではありません。

1番儲かっている企業や、1番ブランドイメージの良い
企業はある意味の勝者かもしれませんが、2位や3位、
はたまた100位でも十分に儲けがあり、社会からも
愛されている企業がたくさんあります。

会社の運営というのは、プラスサム競争。
多くの土俵があり、複数の勝者がある競争です。

ですから、他社を打ち倒し、打ちのめし、頂上を
目指す必要はありませんし、売上の倍増を目指す
必要もありません。

自分たちのことを好きでいてくれるお客様が喜んで
いただけるような製品を作り、仕入れ、その良さを
自分たちにしかできない方法で伝え、買っていただく。

従来の「価格」「品揃え」「セレクト」などといった
参入障壁の低い競争要因ではなく、自分たちの特徴
的な強みを打ち出すことが、キーになると考えています。

それは、僕たちが今までやってきたことの中でにも
いろいろとあって、例えば、内製体制でのノウハウの
蓄積であったり、地道に取り組んできて少しずつ
芽を出しはじめているメディアだったり、はたまた、
表には出てないけど、長く試行錯誤を繰り返してきた
ことであったりします。

つまりは、商品にまつわる以外の要素であり、
たくさんの独自の経験や、取り組みのことです。

それにより「買うならリセノがいいね」と言って
いただけるお客様をこれまで以上に増やすというのが
自分たちの目指すべき道だと考えています。

ここしばらくずっと今後の会社や自分のあり方を考え
様々な書籍を読んできましたが、ふと考えが至った
のは、会社も人生も同じだなということです。

自分が好きと思える気持ちの良い時間を過ごしている
ことが最も大事。これがその会社=人の魅力として
醸成されて、少しずつ社格や人格を形成していきます。

その結果、「とてもいいね」「一緒にいて楽しいね」
なんて言葉を掛けてくれる人が周りにいてくれたら
会社も人生も競争の必要がなく素敵で、とても豊かです。

他者との競争で、勝った負けたなんて比べたりする
必要はありません。

あそこの会社はアレを持っている。こんな大きい
売上を取っている。あんな事業もしている。

これらは別に必要ありません。

自分たちがやれることをやり、できる範囲で豊かに
暮らし、周りにそれを支えてくれるお客様がいる。

大変な時期だからこそ、今までやってきた道を見て、
自分たちに自信を持って、頑張れることはできる限り
頑張って、やれることを楽しんで、たまには立ち止まる。

やれることを骨惜しみせず、一生懸命にやる。
ないものを数えないで、あるものを数える。

会社も人生も、これに尽きると思います。

これからも厳しい時期は続きますが、今までの経験を
糧にして、競争から半歩足を抜いたような、素敵な
会社になっていこうと思います。

株式会社Flavorでは一緒に働く仲間を募集しています
4 いいね!
4 いいね!
同じタグの記事
今週のランキング