データ活用推進企業の、経営データ整備のお話①
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この記事は、🎄FLINTERS BLOG Advent Calendar 2025 🎄の9日目の記事となります🎅
こんにちは。FLINTERSの事業推進部の横山です。私の所属している事業推進部は、総務、人事採用、業績管理、その他会社の重要な課題は何でも引き受け、適切に解決へ導くのことがミッションです。
弊社は「データ活用でユーザー体験を豊かにする」というVISIONを掲げ、お客様のデータ活用推進を謳っている会社ですが、、、ふと社内に目を向けてみると、まだまだデータが充分に整備できておらず、理想的な活用状況ではない部分もあることに気が付きます。。
これではいけない!と、データの力を使って自社の経営管理能力を更に引き上げるため、
約2年半前に、経営管理DXプロジェクト「通称BizAdDX」なるプロジェクトを立ち上げました。本日はそのお話を簡単にしてみたいと思います。
目次
背景
BizAdDXプロジェクトの立ち上がり
必要なものがほとんどない
業務フローの全体図が無い
業務における言葉の定義が曖昧
必要なデータがない
価値検証のためのプロトタイプの開発
プロトタイプの成功⇒本番への移行
終わりに
背景
当社FLINTERSは、元々関連会社である株式会社セプテーニのいち開発部署として立ち上がり、その後紆余曲折を経て、親会社である株式会社セプテーニ・ホールディングスのデータ・ソリューション領域の戦略子会社として、2022年に社名をFLINTERSに変更し現在にいたります。
元々セプテーニグループ内の開発を行うコストセンターとしての立ち位置から、グループ外のお客さまへも価値提供を行い、利益を稼ぐプロフィットセンターとして大きな変化が起こりました。(なかなか無い貴重な経験です。)
立ち上げ当初は営業組織も、マーケティング組織も小さく、プロフィットセンターとして必要な仕組みが足りないところから、新生FLINTERSの幕が開きました。
BizAdDXプロジェクトの立ち上がり
弊社はシステム開発や、各種研修事業をメインに行なっている会社であるため、各プロジェクトごとの業績を積み上げた結果が会社の業績となります。
ただ、肝心のプロジェクトごとの業績を充分に把握できない状況があり、より精緻なプロジェクトごとの業績把握が急務となっていました。
そこで、ドメインエキスパートとしての私と、PM兼プロトタイパーの専任担当の2名がBizAdDXプロジェクトの担当となり、この課題解決に取り組みことになりました。
必要なものがほとんどない
業務フローの全体図が無い
まず取り掛かったのが、社内の業務の全体像の整理と把握です。
お客さまに提案⇒受注⇒チーム構築⇒納品⇒請求というシステム開発事業等の業務の流れに関し、社内の誰がどのように関わり、どのようなやり取りが行われているのか?整理されたドキュメントが存在していなかったため、不明点を現場の担当社員に確認しながら、以下の様に可視化を行っていきました。
業務における言葉の定義が曖昧
並行して、必要なデータ探しを行っていったのですが、これがなかなか厄介でした。
「プロジェクトごとの業績可視化」をしよう!と言っても、そもそも言葉の定義が曖昧なことに気が付きました。
「プロジェクトごとの業績可視化」=「プロジェクトの売上、原価、粗利を出す」と捉えると、
- 「プロジェクト」の言葉の定義は?皆がこれがプロジェクトだと判断できる基準は?
- 「原価」の言葉の定義は?何を原価とするのか?etc.
いざ始めてみると、普段業務で何気なく使っている言葉が、如何に曖昧なものなのか痛感しました。1つ1つの言葉に対して、チーム内で曖昧な部分はないか?確認し、
「プロジェクト」の定義は〇〇、「原価」の範囲は〇〇、などなど言葉の定義を明確化し、更に必要な新たな言葉を定義し、関係者と共通認識を作っていきました。
その数十 〜 百程度。。。
必要なデータがない
上記概念や言葉の定義が決まっていくと、次はそれぞれのデータを揃えるフェーズに入りますが、そもそも定義が曖昧なものばかりであったため、それぞれのデータが完璧に揃っているわけがありません。
様々な元データを収集し、結合して必要なデータフローを作成したり、元データがそもそも無いのであれば、関係者に丁寧に定義を説明し、定期的に入力いただく社内フロー自体を1つ1つ構築していきました。プロジェクトの管理、人の管理、稼働の管理、etc.
ここまでやり遂げるのに、既に数カ月、、、具体的にステークホルダーが触れる成果物が何もできないまま日々が過ぎ、求められている成果を無事出せるのか?当時とても焦っていたのを覚えています。。。
価値検証のためのプロトタイプの開発
業務フローを理解しつつ、必要なデータを揃えながら、「プロジェクトごとの業績把握」の成果物のイメージがついてきました。
初期リリースする成果物については、あくまでも価値検証のためのものであるので、モックを作りステークホルダーとイメージをすり合わせながらも、あくまでもフィードバックをより多くもらうプロトタイプとして、今後大きく変更が起こる前提で考え、利用現場でも積極的に修正ができるスプレッドシートでの作成に取り組みました。
このような形で、なんとか無事、初期プロトタイプのリリースまでたどり着き、ある程度想定した通りの良いフィードバックをもらい、手応えを感じることができました。
プロトタイプの成功⇒本番への移行
品質などに懸念がある前提の、あくまでもプロトタイプとしてのテスト利用であったとしても、プロダクトの価値がひとたび認められると、プロトタイプ段階のものであっても、利用現場では業務での本番活用要望が上がるのが常です。
(プロトタイプが成功したとも言えるので、これはポジティブに捉えています。)
ここから、日々発生するプロトタイプの品質の問題に対応しながら、必要に応じて作り直すフェーズに入るため、エンジニアの方にもチームに参加いただき、本格的な開発プロジェクトチーム化を開始しました。
その後も現在まで開発を続け、初期プロダクトだけでなく、新たな要望を適える複数のプロダクト提供も行い、日々経営管理領域データ活用でユーザー体験を豊かにできるよう奮闘しております。本日はこのくらいにしまして、またそのうち続きを書こうかと思います!お付き合いありがとうございました。
終わりに
本プロジェクトを通して、
- 業務で使っている「言葉の定義」を丁寧に決めていく
- とにかく利用者に使ってもらい、たくさんフィードバックをもらい改善していく
この2点は特に重要だと改めて実感し、今後も意識しながらプロジェクトを拡大していこうと思います。弊社では、開発部門所属でなくとも、積極的にデータを活用する環境を、自ら構築していく機会に溢れています!是非一緒に弊社を盛り上げていっていただける、エンジニア、プロジェクトマネージャーを大募集しております〜!