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INTERVIEW|5G⽣活様式⽀援事業~トーンモバイルの開発からフリービットの未来を語る

――5G⽣活様式⽀援事業とは、具体的にどのようなビジネスを⼿がけているのでしょうか。

⼯藤 ⼤きく「⾃社開発の独⾃スマートフォンの開発・販売も含む『トーンモバイル』ブランドのMVNO事業」「マンション向けインターネットサービス」の2つです。後者はグループ会社のギガプライズで提供しています。それぞれ、単なるスマホ開発・販売、マンションへのインターネット接続提供ではなく、それぞれ5G/web3時代のLifestyle提案、Homestyle提案を⾏うことを⽬的としています。
「トーンモバイル」の製造⼯場⾃体は外部委託ですが、企画・デザインは⾃社で⾏っています。当社のようなMVNOで⾃社独⾃のスマホを開発しているケースは珍しいと思います。またiPhone向けの専⽤SIMも販売しています。

――「トーンモバイル」について詳しく教えて下さい。

⼯藤 トーンモバイルのパーパスは「テクノロジーで社会問題を解決する」ことです。例えば、⼦供のスマホ問題は社会現象にまでなっています。スマホは今や⽣活に⽋かすことができないアイテムですが、「SNSや有料アプリなどを通じたトラブルに巻き込まれたら困る」と⼦どもに持たせることを⼼配する保護者もいます。また「料⾦体系が複雑でわかりにくい」という不満の声もありました。「トーンモバイル」は、こうしたスマホの社会問題の解決を⽬指したもので、⼦どもや⾼齢者を中⼼に「誰でも使いやすい」ことを⽬指しました。初めてスマホを使う⼈にもお勧めです。料⾦プランも1種類のみと⾮常にシンプルにしています。

――具体的な使いやすさを教えて下さい。

三沢 私はエンジニアとして開発に関与していますが、特に留意したのが直感的な操作感覚、例えば「画⾯の⾒やすさ」「必要な情報へのアクセスのしやすさ」等です。特に⾼齢者は、既存のスマホを使うこと⾃体に漠然とした恐怖感を持っていて、⾜がすくんでしまっていることが分かりました。そのため、何か不具合が発⽣したときは、箱に戻すだけで、約80%の問題を⾃動修復し、それでも解決できない場合は、⾃動的にコールセンターに無料電話でつながり、コールセンターから遠隔で対応できるようにしました。これは、単にソフトウエアやアプリだけでは不可能です。ハード、ソフト、回線、サービス、規約まで垂直統合で、設計/運⽤することではじめて実現できた「異次元の使いやすさ」で、ここまでは、仕組上
Appleでも実現不可能な領域と⾃負しています。
私の部署は「戦略デザインセンター」といって、エンジニアとデザイナーが共存する部署になっているのが特徴で、⼀体となった運営によってこれらの異次元の使いやすさを追求できる仕組みになっています。さらにスマホを使われるようになっても、既存のスマホについて使いづらいと感じるのは「トップ画⾯にアプリのアイコンがずらりと並んでいて、⾃分が使いたい機能がすぐに探せない」という点です。トーンモバイルでは「電話をかける」「メールを送る」など基本的なメニューはアイコンではなく⽂字でトップ画⾯に⼤きく表⽰しました。また、アプリはLINEなど使⽤頻度が⾼いと思われるものをピックアップし、まとめて画⾯下に表⽰しました。


――「トーンモバイル」事業が⽬指すビジョンを教えて下さい。

⼯藤 繰り返しになりますが「テクノロジーを丁寧に利⽤することで、社会問題を解決する」ことです。
⼦供のスマホ問題、シニアのスマホ問題や健康問題など、様々な社会問題に対して取り組んでいきたいと思っています。これから5Gが普及していく時代に、さらにどんな社会問題に取り組んでいけるかワクワクしています。
スマホを通じて⼦どもたちが不特定多数の⼈と気軽に繋がれるようになったことで、犯罪やトラブルに巻き込まれるケースが増えています。こうした中で、⼦どもたちにスマホを持たせることを⼼配する保護者もいます。しかし、スマホには緊急時に連絡が取れる、GPS機能などで⾒守りができるなど⼤きなメリットがあります。「持たせない」という選択は現実的ではありません。
私たちが⽬指すのは「危険だからスマホを⼦どもに持たせない」のではなく「⼦どもが持っても安⼼・安全なスマホを開発する」ことです。例えば、⼦供が相⼿に強要されて⾃分の裸の画像を送ってしまう「⾃画撮り被害」を防ぐために、トーンモバイルではAIによって「⾃画撮り被害」を防ぐ機能を世界で初めて搭載しています。

三沢 ⼦どもがSNSなどで犯罪に巻き込まれた、スマホを活⽤した詐欺事件が発⽣したなどといったニュースが報じられると、CEOである⽯⽥や私たちエンジニア/デザイナー、⼯藤をはじめとする企画・マーケティング担当社員などでミーティングを⾏い「トーンモバイルで解決できる⽅法はないか」と検討します。
⼀般的にスマートフォンは「携帯電話から進化した形」と捉えられています。もともと電話事業からスタートした会社は、どうしてもその発想からは抜けきれません。それに対して当社はインターネットを広く普及させることを⽬的に創業しました。ネット機器を⼩型化したものが現在のスマホであり、「電話であること」にはこだわっていません。もっと別の形になるかもしれません。今がゴールではありません。

⼯藤 今年6⽉1⽇にはトーンモバイルの最新機種が出たばかりです。スマホに求められる機能はどんどん多様化、⾼度化していますので、今後も年に1回程度のペースで新機種をリリースしていきたいと思います。

――そうしたビジョンのために重視していることはなんでしょうか。

⼯藤 私たち企画・マーケティングが世間の細かいニーズの変化をキャッチし、「こうした機能のスマホがあれば、世の中の課題を解決し、ずっと便利にできるだろう」という想いが新商品の誕⽣につながります。そうした未来に対する夢を持ち続けることです。

三沢 エンジニア/デザイナーは、どうしてもオフィスにこもりがちになってしまうので、常にユーザー⽬線を持つことを重視しています。「エンジニアも現場をみる」という姿勢でいることを⼤事にしています。当社は設⽴して20年以上になる会社ですが、ベンチャー企業の気質を強く残しています。今はコロナで休⽌していますが、社⻑を交えて職種を超えた合宿を⾏うこともあります。こうした社内の活発なコミュニケーションが、世の中の多くの⼈たちに受け⼊れられる良質な製品・サービスの提供につながると考えています。


――今後の⽬標などを教えて下さい。

三沢 世の中の課題に対して先まわりし、様々な機能をトーンモバイルに加えていくことです。例えば、すでに提供している機能ですが、電話を使⽤した特殊詐欺の被害を防ぐために、電話がかかってきたときに「この電話は詐欺の可能性があります」という警告を表⽰したり、1⽇のうちでアプリを利⽤できる時
間を制限したり、オンライン診療を⾏っている医師に健康相談が⾏える機能など、引き続き新しい機能が付加できないかと考えています。エンジニアとしての腕の⾒せ所だと思っています。

⼯藤 現在、トーンモバイルは、全国約2,400のドコモショップ、カメラのキタムラの店舗で販売しています。ここは当社と消費者を直接つなぐ重要な窓⼝となります。ときには私も店舗に⾏き、様々な情報を集めています。今後は、トーンモバイルのユーザーを増やすことはもちろんですが、⼀⼈でも多くの消費者の声を商品に反映させ「社会問題をテクノロジーで解決する」という当社のミッションを実現させていきます。

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