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【活動報告】「長崎県五島市をさつまいもの産地にしたい!」新たな産地づくりの挑戦がはじまりました

こんにちは、広報担当です。皆さんはさつまいもの生産地といえば、何県を思い浮かべますか?有名なのは鹿児島県や宮崎県などですが、実は今、長崎県の五島市をさつまいもの産地にしようという取り組みが始まっています。新たな産地にするためにどのような取り組みを行い、どのような課題があるのか…“五島市さつまいも産地化プロジェクト”についてくわしくお伝えしていきたいと思います。

なぜ五島市でさつまいもを作るのか?

「サツマイモ基腐病」(もとくされびょう)という伝染病をご存知でしょうか?感染すると芋が腐敗したり株が枯れたりしてしまう致命的な病気で、強い感染力を持っています。

ここ数年の間に、さつまいもの一大産地である鹿児島県や宮崎県などで基腐病が流行してしまい、さつまいもの収穫量が激減しているのです。需要に対して圧倒的に供給が追いつかなくなっているため、福岡ソノリクはさつまいもの産地を新たに開発しようとしていました。

ちょうどその頃、長崎県の五島振興局と社団法人離島振興地方創生協会が連携して2022年から五島市でさつまいもを生産する計画があることを知り、青果物の輸送に特化している福岡ソノリクは物流・販売面で生産者を支援することになりました。また、さつまいもの生産指導や集荷施設を確保するためJAごとうも当プロジェクトに参画しています。

産地開発するメリット

産地化が進めば、生産者の収入が安定し、さらに生産拡大が進みます。すると収入も増え、モチベーションが上がる…そうして生産者にとって好循環が生まれます。

私たちもまた、「産地化によって生産者の喜ぶ顔が見られること」、そして「自社の事業拡大の実現に向けた業務を遂行していること」でモチベーションがあがります。農作物専門の物流企業として、消費地に届けることや収穫したものを保管し安定して供給できることが私たちの強みであり、その機能を産地側に最大限使ってもらうことで産地とソノリクの活性化も見込めます。

業界全体を見ても、輸出を中心に国産さつまいもの供給が追い付いていない状況の中で、西日本を中心に産地開発が進み、企業間の競争が激しくなることが予測されています。実際にさつまいもの新規産地を開発するべく、五島市の生産者と本格的に連携する仲卸会社も増えているという現状もあります。

また、五島市でさつまいもを生産できるようになれば、供給量を補うだけではなく、五島市の地域活性化につながるというメリットもあります。

産地化を実現するために、何をする?

五島市では「JAごとうさつまいも部会」が設立されました。さつまいもの生産や選別の指導や、集荷場所の確保、生産者のとりまとめなどを行います。部会活動の一環として、生産者と関係者で鹿児島県にあるさつまいも生産法人の圃場(畑)を訪れ、収穫の様子や収穫後の保管施設を視察し、さつまいもづくりについて学びました。

福岡ソノリクは五島市内の生産者を募集し、2022年より7名の生産者とさつまいもの契約生産を開始しました。さつまいもの生産に挑戦されるのは、これまでたばこを生産していた農家の方が多いのですが、若い法人農家の方や新規就農者の方などさまざまなバックグラウンドを持つ方が集まりました。生産する品種は消費者の人気が高く輸出でも需要の高い紅はるかで、作付け面積は3.6ヘクタール、出荷予測数量は82トンと想定されています。

こうしてさつまいもの栽培が開始され、2022年9月15日には目揃え会が行われました。目揃え会とは農作物を出荷する前に、選別する基準や規格などを決める会のこと。気候などを考慮しながら、収穫時期などを話し合います。

この日は生産者に加えてJA職員、長崎県職員、福岡ソノリクの社員が参加しました。ほとんどの農家の方がご家族と一緒に参加されており、さまざまな質問が飛び交う活発な雰囲気でした。

この日収穫したさつまいもの出来栄えはとてもよく、他の産地に負けないほど甘くて美味しいさつまいもができました。五島市は周囲を海に囲まれているため、潮風によって土壌に含まれるミネラルが豊富で、味わいのよいさつまいもに育ちます。


今後の課題

こうして順調なスタートを切った五島市さつまいも産地化プロジェクトですが、今後の課題は数多くあります。まずは安定した販売先を確立し、生産量を拡充すること。具体的には、来年以降の生産量を拡大するために、さつまいもの苗を安定的に確保する必要があります。

人気の高い紅はるかの苗は、需要が多く供給が追いついていません。農家自身で苗を作ることも可能ですが、苗を作るには専用の施設が必要となり多額の費用がかかります。そのため新たにさつまいも生産に取り組む産地が生産拡大するには時間がかかってしまうのです。

他にも、さつまいもの品質を維持するために産地内での定温保管場所を確保したり、生産拡大に向けてさらなる生産者や質の良い圃場を確保したりすることが必要です。

さらに今後は生産技術を向上させて、五島市のさつまいもをブランド化する活動を展開していく予定です。ぜひ五島市産のさつまいもにご注目いただければと思います。

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