受託開発、クラウド、自社プロダクト、現在は会社の注力事業である「宇宙」と全社のIT基盤整備。新卒でFusicに入社して11年、内田はFusicのありとあらゆる事業を担ってきました。要件定義から運用まで、お客さまの前に立つところから、手を動かすところまで。社内で何か困ったことがあれば、真っ先に名前が挙がる。経営陣からも、メンバーからも、そしてお客さまからも信頼されるFusicを代表するフルスタックエンジニアの一人です。
ところが本人は、自分の11年をこう振り返ります。
「何かが突出しているわけではないんです。本当に積み上げなんですよね」
その「積み上げ」とは、何だったのか。なぜ任される仕事が増え続けてきたのか。
30代中盤に入り、自分の強みややりたいこと、そしてこれからのキャリアを考えている方に、ぜひ読んでもらえたらと思います。
インタビュイー
■事業本部/先進事業部門/プリンシパルエンジニア 内田 大順
2015年4月に新卒としてFusicへ入社。技術要素としては、主にPHP、AWS。要件定義・設計・コーディング・サーバー構築など、幅広く担当。受託開発とプロダクト開発両方を経験している数少ないメンバーの一人。現在は、宇宙事業関連の業務と社内のIT基盤整備を兼務。みんなの集まる「空間」を大事にしていて、その場にいる人を楽しませるエンターテイナー的な一面も持ち、技術でもムードメーカーとしてもFusicを牽引する存在。プライベートでは、最近一児の父となり、育児と仕事の両立に奮闘中。
受託開発から、プロダクト、そして宇宙へ
——新卒で入社して11年になりますね。まず、入社当初はどんな仕事をしていたのでしょうか。
内田: 最初は受託開発の仕事をしていました。先輩の下でコードを書く仕事もありましたし、サポートをもらいながら、1年目から自分でお客さまと話して、つくるところまで担当する仕事もありました。
途中からクラウドのプロジェクトが増えて、大学などの公的機関向けにクラウドの提案をすることも多くなりました。クラウドを導入するだけではなくて、その上で動くシステムをつくるところまでやっていました。
——開発だけでなく、お客さまと話して提案するところから関わっていたんですね。その後、自社プロダクト開発にも携わっていますが、これはどんなきっかけだったんですか。
内田: いろいろな受託の仕事を重ねていく中で、プロジェクトが並走しすぎてしまった時期があったんです。
並走していると、どうしても一つひとつを深く進めていく難易度が上がって、思考も飛び飛びになってしまって。それで、「もうちょっと一つのことに集中してやりたいです」と当時の上司に伝えました。
そうしたら、以前に少し手伝ったことのあるプロダクトをやってみる?という話になったんです。
——実際に移ってみて、仕事の仕方は変わりましたか。
内田: 受託では、お客さまの前に行って、話をまとめて、見積もりまですべてエンジニアが担当することが多かったんです。
プロダクトには営業がいて、サポートや、カスタマーサクセスがいる。その中で、自分は開発に集中する。改善を回していくことを主軸にできたのは、すごくよかったですね。
——プロダクトにいた頃の仕事で、特に印象に残っているものはありますか。
内田: アプリケーションとインフラのリニューアルですね。チームのみんなも「いつかはやらなきゃ」とは思っていたんですが、日々の業務で手一杯で、なかなか踏ん切りがつかない状態でした。
このままだと将来の拡張が難しくなるリスクを感じていましたし、サービスがもっと伸びるには今がやるべきタイミングだと思っていました。個人的にも、自社プロダクトを設計し直すという経験をしたことがなかったので、自分が集中してやってみたいという思いもありました(笑)。
だから、このまま進めた場合のリスク、移行にかかるコスト、その先のメリットを力説して、最後は「シンプルにやりたいんです」と熱弁しました。周りをその気にさせて、やる雰囲気をつくった感じですね。
結果、既存の運用への影響をできるだけ抑えながら、無事にリリースまでいけました。機能を拡張しやすくなったり、レガシーな部分にかかっていたコストが減ったりして、プロダクトがこれからもっと進化していくための、スピード感を上げるきっかけづくりができたかなと思います。
——その後、また新しい領域へ移ろうと思ったのは、どうしてだったのでしょうか。
内田: プロダクトに移って2年くらいたち、リニューアルも一段落した頃に、上司とのキャリア面談で「少しずつコンフォートゾーンに入ってきている感覚がある」と話したんです。
まだまだ挑戦できることはあったんですけど、もっと知らない分野に飛び込んで、背伸びしてみたいと思ったんです。
そうしたら、ちょうど会社として先進事業に注力していくタイミングで、「先進に行きませんか」という話が来たんです。当時の先進事業は、自分がそこまでがっつり関わったことのある領域ではなかったので、新しいことに挑戦したいという想いから、先進事業にいくことにしました。
——移ってからは、どうでしたか。
内田: 知らない単語もありましたし、なんとなく知っていても、お客さまの前で話せるほど理解できていないものも多くて。キャッチアップすることはたくさんありました。当時の先進事業ではAIと宇宙の両方を扱っていて、その中で、僕は宇宙関連のプロジェクトの提案によく行くようになりました。
その後、体制もいろいろ変わり、会社としても宇宙事業にアクセルを強く踏むことになって宇宙事業チームができ、今につながっています。今は、宇宙事業の仕事と、社内のIT基盤整備の仕事を兼務しています。
水の流れをせき止める「石」を取り除く
——扱う技術も、仕事の内容も変わってきた中で、いちばんうれしいと感じるのはどんなときですか。
内田: 物事がうまく回っている状態が好きなんです。
構築中の忙しいときや、納品した瞬間、リリースした瞬間には、僕はそこまで達成感を感じなくて。いちばんうれしいのは、リリースが終わって、しばらく運用しているシステムで、ちゃんと現場が回っていること。ピタゴラスイッチがきれいに動いているような状態ですね。
——その「うまく回っている状態」をつくるために、どんな動きをすることが多いのでしょうか。
内田: 仕事をしていると、水の流れをせき止めている「石」がどこにあるか、わかることがあるんですよ。その石を取り除いて、水が流れ始めたのを見ると、めちゃくちゃ気持ちいい。
だから、石を見つけて取り除いたり、この先にありそうな石を見つけて、先にのけておいたり。そういうことをしているのが多いです。
——なにか具体的なエピソードはありますか?
内田: 思い出に残っているプロジェクトは多いですが、入社して初めて、お客さまの前に立って納品までやりきった社内業務を支援するシステムは、「うまくいったな」と思える、原点になっていますね。
最初に、各部署の担当の方から直接業務フローをヒアリングして、どこがネックになっているのかを洗い出しました。ただ、全部をシステム化すると、かえって複雑になってしまう。なので、システムをつくる前に、お客さまと一緒に業務フローそのものを整理するところから始めました。
結果的に、そのシステムは今も含めて長く使っていただいていて、コロナの時期には「より役に立った」というコメントもいただけて。あれはうれしかったですね。
振り返ると、特別なことをしたわけではなくて、本当に当たり前を積み上げていっただけなんです。まず周りとゴールの認識を揃える。現在地との差分をざっくりつかんで、ゴールまでのマイルストーンを仮で置く。こちらだけでは解決できない外部要因や技術的な課題を先に見つけて、水が流れるイメージを持っておく。
あとは、目の前のステップを一つずつ進めていくだけです。知らないことや予想外のことは起きて当たり前なので、怖がらずに学ぶし、人に聞く。知ったかぶりはしない。予定に固執せずに柔軟に変えて、周りに頼って、社内外とこまめにコミュニケーションをとる。それを積み上げているだけなんですよね。
——システムをつくる前に、業務の側にある石から取り除いていったんですね。システムは、つくって納品したら終わり、ではないと。
内田: そうですね。エンジニアとしては開発工程が楽しいよね、とは思うんです。ただ、システム全体を考えたときに、つくる部分なんて、多分10分の1にも満たないんですよ。
Fusicでは「お客さまの課題解決」に重点を置いていますが、ここでいう課題解決というのは、個人的には運用をちゃんときれいにやることにあると思うんですよね。システムを理解して、お客さまや、そのシステムを必要としている現場に入れていくことが重要で、だからこそ僕は、運用を意識して開発をするようにしています。そのフェーズを知らないままただ開発をすると、開発者本位になってしまうこともあるなと思います。
システムは、使われなければ意味がないんです。入れた後の運用フローをしっかり考えておかないと、結局、何も変わらない。石を取り除いて、水が流れるかを確認する前に、取り除いて終わってしまっている。それはよくないと思います。
——頼まれたものをつくるだけでなく、その先まで気にかける。Fusicが大切にしている「OSEKKAI」にも通じますね。
内田: 一番恥ずかしいのは、システムを閉じるときに、お客さまに「これ、まだ使ってますか?」と聞かないといけない状態なんですよ。
渡して終わりだと、あんまり達成感がなくて。終わった後にちゃんと生きていることを見るのが、一番大事なことかなと思っています。
誰かの挑戦に加わることが、自分にとっても面白い
——内田さんの仕事のモチベーションについて聞きたいです。内田さん自身が「やってみたい」と思うのは、どんなことなのでしょうか。
内田: すごく熱意を持って取り組んでいる人がいて、その人の神輿を担ぐのが好きなんです。
自分で掲げるほどの神輿があるというよりは、誰かの後ろで楽しくやっている方が、自分も楽しそうだなと思う。ゼロからつくるのは、多分苦手なんですよね。だから、すでに楽しそうなところに行きたがるんだと思います(笑)。
——Fusicには自分から手を挙げる人が多い印象がありますが、内田さんはその人たちを支える部分に面白みを感じるんですね。
内田: Fusicにはやりたいことが明確な人たちがたくさんいるんです。彼らは僕には絶対にできないことをやっているんですよね。そういう人たちがここで輝けるように、自分にできることがあればいいなと思っています。
「またあいつら変なこと言ってる」と思うこともありますけどね(笑)。実際、今は自分より入社歴が浅い人が上の役職を担ってくれていますが、僕にできないことをしてくれているので、年次とか入社歴とか一切関係なく尊敬しています。
役職だけではない、キャリアの広げ方
——内田さんはこの11年の間にリーダーも経験されていますよね。実際にやってみて、どう感じましたか。
内田: いい経験になりましたし、機会があればまたやりたいですね。リーダーをやると、物事を見る視点を少し強制的に変えてもらえるんです。リーダーとメンバー、どっちが優れているというわけではないんですけど、メンバーのときには見えていなかったものが見えるようになる。
だから、チャレンジできる機会があるなら、経験してみることは大事だなと思います。
——この先の、部門長のような役割を目指すことについては、どう考えていますか。
内田: 実際のところ、あまり考えてこなかったんです。部門長のような役割には、もっと適した人たちがいると思っていますし、僕自身は、現場で動く力には自負もあったので。
リーダーの話と同じで、組織を率いる人と現場を前に進める人、どっちが優れているというわけではないと思うんです。それぞれ得意なところで力を発揮すればいいと思っています。
——役職につかなくても、キャリアは広がってきましたよね。
内田: ありがたいことに、部門長をやらなくても、ちゃんと評価してもらえている感覚があります。役職がなければ評価されなかったのなら、多分、目指していたと思います。というか、目指すしかなかったでしょうね。
会社から評価してもらえているのは、バランス感覚と、社内外とのコミュニケーションだと思います。あと、技術のカバー範囲もよく言ってもらえますが、何かが突出しているわけではないんです。そのとき必要なものを、怖がらずに素直に学んできただけで。繰り返しになりますが、本当に積み上げなんですよね。
——これまでを振り返ると、会社から求められる役割を担いながら、自分がどう働きたいかも伝えてきたんですね。
内田: 基本的には、そのとき必要ならやる、ということが多いです。どこに行っても、そのタイミングで求められる役割をやるほうが自分に合っていたと思います。
でも、自分のわがままが全くないわけではないんです。つまらないと思えば、そこから出ていきたくなる。程よくわがままを言いながら、その中で自分の居心地のいいポジションを見つけてきた感じですね。
好きな言葉に「やりたいこととやるべきことを一致させる」というのがあるんです。プロダクトのリニューアルも、まさにそうでした。サービスのためにやるべきことと、自分が設計し直してみたいという気持ちが重なったから、あれだけ熱弁できたんだと思います。
——これからFusicに入る人も、自分の経験を土台に、仕事やキャリアを広げていける会社だと思いますか。
内田: 少なくとも、やりたいと伝えたことが、そのまま流されてしまうことはないと思います。
自分がやりたいことを適切に発信していれば、周りの人がちゃんと覚えていてくれるんです。必ず叶うとまでは言わないですけど、関われるタイミングは来ると思っています。そこに、役職や年次は関係ないだろうなと思いますね。
それに、Fusicには受託もプロダクトも先進事業もあって、組織の中にチャレンジできる分野が幅広いのもありがたいですね。僕自身、会社を変えずに、いろいろな領域を経験させてもらえたと思っています。
当たり前を積み上げる人が、ちゃんと評価される場所
ゴールを揃え、石を見つけ、知らないことを怖がらずに学ぶ。内田の11年を支えてきたのは、突出した何かではなく、当たり前の積み上げでした。
そして、受け身で働いてきたわけでもありません。一つのことに集中したいときには、その希望を伝えた。コンフォートゾーンに入りかけたときには、新しい領域へ踏み出した。ここぞというときには、自分から周りを巻き込んで動いた。
「人に多様な道を 世の中に爪跡を」。
Fusicが大切にしたいのは、全員が同じ道を進むことではありません。組織を率いる人も、その神輿を担いで現場を前に進める人も、それぞれの強みを生かし、お客さまや仲間、世の中に価値を届けていくことです。
これまで培ってきた技術や経験を、もっと本質的な課題解決に生かしたい。自分とは違う強みを持つ人と、一人ではできない仕事をしてみたい。そんな想いを持つエンジニアの方と、Fusicは一緒に働きたいと考えています。
次の肩書きだけではなく、これからどんな仕事を広げていきたいか。あなた自身が築いていきたいキャリアの話を、聞かせてください。