こんにちは。GienTech Consulting Japan(以下GCJ)で新規事業の検討を行っている岩佐です。
本記事では、昨今話題の生成AIについて、どのようなツールがあり、何ができるのか、また何に気をつけるべきなのかなどを実際にツールを活用しながら確かめていく過程を連載形式でお伝えしています。
Vol.4では、試してすぐ見切りをつけた3ツール(Google AI Studio・VS Code+Roo Code・Kiro)をお伝えします。
※Vol.3は以下からご覧ください。
Google AI Studio:モックは爆速だった
Dify を断念した後、「どうせコードを書くなら最初からコードで書ける環境の方がいい」と発想を切り替え、次に試したのが Google AI Studio です。Google が提供する AI 開発環境で、Gemini モデルをブラウザ上から直接操作しながらアプリを作っていけます。Dify のようにノードを繋ぐのではなく、コードを書いてアプリを組み上げる路線で、「ここからはちゃんとコードで作ろう」という切り替えに合ったツールでした。
システムの全体像・データフロー・欲しい出力の形式といった仕様を、これまで ChatGPT や Gemini と詰めてきた内容を一気に投げ込んでみました。
驚いたのは、モックがすぐにできたことです。「変更された法令とそのリスクが一覧で見える」という画面が、数十分で出てきました。Dify でノードを繋いでいた作業とは、比べものにならない速さでした。
ただ、このモックには問題がありました。画面を表示するたびにデータをゼロからロードしている構造だったのです。実用上は、バックグラウンドでデータを読み込んで DB に保存しておき、表示は DB から引っ張るだけにしたい。そこで DB との連携が必要になりました。
ところが、これが思ったより厄介でした。開発中は「このカラムはいらない」「このフィールドを分割しよう」といったスキーマの変更が頻繁に起きます。変更のたびに DB 側とコード側を手動で合わせる必要があり、コピペ作業が延々と発生します。Google AI Studio にはそれを自動化する手段がなく、実用レベルまで持っていくためのコストが思ったより高くつきました。次のツールへ移ることにしました。
VS Code + Roo Code:ジュニアプログラマーにしか見えなかった
この時期に並行して、VS Code + Roo Code も試しました。VS Code は Microsoft のエディタで、Roo Code はそのAI拡張機能。指示するだけでコードを自律的に書いてくれるタイプで、「エディタ上で AI に直接実装してもらえるなら話が早い」と思って手を出しました。
使ってみると、独特の動きをするツールでした。「こういう機能を3つ作りたい」と伝えると、全体像を一切確認せず即座に「では実装しましょう!どれから着手しますか?」と返ってきます。「まず仕様を整理しましょう」と言うと、「わかりました!仕様をお伺いします!」と今度はこちらに全部丸投げしてきます。
言われたことを忠実にこなす能力は高いのですが、仕様を一緒に考えてくれるわけではありません。ディスカッションに付き合う気がまったくなく、そう気づいてすぐに利用をやめました。
Kiro:仕様書は作れるが、一緒に考えてはくれなかった
次に試したのが Kiro です。AWS が開発した AI IDE で、「まず仕様書を作る」というスペック駆動の開発フローを前提にしているのが特徴です。「先に仕様を固めてから実装に入った方がうまくいくんじゃないか」という問題意識があったタイミングで、このコンセプトに惹かれて手を出しました。
「まず仕様書を作ろう」という姿勢がとにかく強く、こちらが何か伝えると即実装に突っ込むのではなく、まず仕様の整理から入ってくれます。その点はとても良かったです。
ところが、仕様書を「一緒に考える」のが苦手でした。「どんなアプローチが考えられますか?」「前提条件はどうしましょうか?」といったディスカッション的なやりとりには一切付き合ってくれません。結局「仕様はユーザーが全部決めて、Kiro はそれを文書化するだけ」という役割分担になってしまいました。
やりたかったのは「ソースを見ながら、何ができるか一緒に探りながら、方針を決めていく」という流れです。仕様書作成ツールとしては優秀ですが、その用途には合いませんでした。
次回
この3ツールで改めて感じたのは、「コードを書く速さ」や「仕様書を作る能力」よりも、「全体を見渡しながら一緒に考えてくれるか」の方がずっと重要だということです。その観点で次に試したのが Cursor です。
最後に|一緒に働く仲間を募集しています
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