今回は、Green Carbonで活躍している3名の学生インターンにインタビューを行いました。
カーボンクレジット業界の最前線に身を置く彼らは、
どのようにGreen Carbonと出会い、どんな思いで日々の業務に向き合っているのでしょうか。
制度と現場の間で感じたリアルな課題、そこで得た学び、そして描くこれからのキャリア。
次世代を担う若者たちの視点から、GXの最前線を紐解きます。
ぜひご一読ください!
◆学生プロフィール
名前:酒井友希乃
大学:東京大学大学院
専攻:森林科学専攻
研究内容:森林由来のカーボンクレジットの実効性
今の大学・専攻に決めたきっかけ:大学1年生の演習で森林に触れたことをきっかけに興味を持つ。また、秋田にある祖父母の森で、手入れされず荒れていく人工林の現状を目の当たりにし、「このまま放置されるのはもったいない」と感じたことが、森林分野を専攻する決め手。
Green Carbonでの担当業務:海外事業部
名前:井出裕二(いでゆうじ)
大学:筑波大学
専攻:理工情報生命学術院 / 数理最適化
研究内容:大学院では、数理最適化を専攻しています。数理最適化とは、限られた資源や条件の中で「どの選択最も良い結果をもたらすのか」を数理モデルやアルゴリズムを用いて導き出す研究分野です。 研究内容は道路の最適補強問題で、限られた予算の中で道路ネットワーク全体を考えた時に、どの区間を優先的に補強することが最も効果的かを数理的に求めるという研究です。特に日本では、地震や豪雨などの災害時における物資輸送ルートの確保や、平時における交通渋滞の緩和といった課題があります。こうした社会課題に対して、道路インフラを効率的に整備するための意思決定を支援することを目的としています。
今の大学・専攻に決めたきっかけ: 大学時代にセルオートマトンを用いて、車の流れを数学的にシミュレーションする研究をし、このような手法を現実の課題解決に役立てたいと考え、最適化を学ぶことを決意。
Green Carbonでの担当業務:国内事業部
名前:前坂海英(まえさかかいえい)
大学:上智大学
専攻:法学部国際関係法
研究内容:近年の新技術の発展や法解釈の変化によって生じうるビジネス紛争を題材として、交渉学や仲裁に関する知識と能力を実践的に習得。
今の大学・専攻に決めたきっかけ:進路を考える中で、日本への理解がまだ足りないと感じ、日本で法を学ぶことが、環境問題を含めどんな分野とも掛け算できる土台になると考えたから。
Green Carbonでの担当業務:海外事業部
Q. Green Carbonでのインターンに応募したきっかけを教えてください。
酒井:
もともとクレジットに興味がありましたが、環境VCでインターンをしている友人の紹介をきっかけにGreen Carbonを知り、自ら連絡してインターンに参加しました。
井出:
もともと統計学に関心があり、求人で「データ分析に携われる」と知ったことがきっかけで応募しました。
前坂:
ブラジルで環境破壊の現実を目の当たりにし、さらにESG投資やカーボンクレジットといった分野を知る中で、脱炭素を促す仕組みの重要性を強く感じました。その仕組みを実務で学びたいと思ったことが、GCのインターンに挑戦したきっかけです。
Q. 入社前は環境問題に関してどのような認識でしたか?
井出:
入社前は、環境問題や脱炭素について「最近よく耳にする話題だな」とか、「コンビニのレジ袋が有料になったよね」といった、身近な変化の延長線上で捉えている程度でした。企業がどれほど本気で脱炭素に取り組んでいるのかという視点は、正直あまり持っていなかったと思います。
GCに入ってからは、想像以上に多くの企業が脱炭素に力を入れていること、さらに一見環境分野と関係がなさそうに見える企業であっても積極的に取り組んでいることに驚きました。こうした実態を知る中で、環境分野に対する理解や認識が大きく深まったと感じています。
Q. Green Carbonの印象はいかがですか?
酒井:
入社当時は窓もないような小さなオフィスでしたが、2年ほどで現在のオフィスへと移り、会社の成長スピードの速さを実感しています。また、会社が成長していく中で、さまざまなバックグラウンドを持つ方々と一緒に働ける環境だという印象があります。
井出:
海外出身のメンバーも多く、オフィスではオープンで親しみやすいコミュニケーションが自然に生まれており、その点が大きな魅力だと思います。
Q. 担当業務について詳しく教えてください。
酒井:
Jクレジットと海外のボランタリークレジットの開発業務に携わりました。具体的には、方法論の読み込みや適用可能性の調査、プロジェクト設計の検討などを行いました。途中からは海外案件を中心に、森林分野をメインとしながら、バイオ炭やメタン削減分野の案件にも関わりました。
井出:
Jクレジット関連では、森林や畜産分野における試算や申請手続きを担当しています。特に試算業務を中心に行っており、例えば農家の方から飼育している牛の頭数などのデータをいただき、どの程度のクレジットを創出できるかを算定しています。
前坂:
海外事業部では、政府・自治体・NGOと連携するPJにおけるMOU/MOAのDDを担当し、SH間の役割分担や責任範囲を整理・構造化する業務を行っています。最近は、最大規模の海外事業部におけるインターン・社員間のライン改善にも取り組んでいます。
Q. 入社してからギャップはありましたか?
酒井:
一番のギャップは、環境に良いだけでは事業は続かないという現実でした。大学では理論として最適な手法を学びますが、実務ではコストや制度、地域条件など様々な制約があります。どれほど環境に良い取り組みでも、採算性が取れなければプロジェクトは継続できません。その難しさと同時に、ビジネスとして成立させる重要性を実感しました。
井出:
務内容については、入社前はデータ分析が中心になると想像していましたが、実際には全体の2割ほどでした。その一方で、カーボンクレジットの試算や制度理解に深く関わる機会が多く、制度をしっかり理解することで、より本質的な分析ができるようになったと感じています。
また、大学での研究との違いも強く実感しました。研究では数学的に正しければ評価されますが、実務ではそれだけでは不十分で、ビジネス上の判断や現場の状況も踏まえて考える必要があります。Green Carbonでは、数学的な正しさを前提としながらも、状況に応じて柔軟に判断していく力が求められる点が印象的でした。
前坂:
ありました。昨今、排出量取引制度の本格施行が注目されていますが、制度自体がまだ発展途上である分、実務では権利関係の整理や、導入後に現場で回る運用設計まで作り込まなければプロジェクトが動かないという現実があります。例えばフィリピンでは、魚の養殖場に関する土地利用制度がマングローブ保全を重視する方向へ転換しました。しかし、その方針を現場でどのように実行へ落とし込むかという点では、依然として課題が残っています。また海外プロジェクトでは、ステークホルダー構造が不明確なケースも多く、報告期限や業務の進め方など、日本とは異なる前提の中で進める難しさも実感しました。
Q. これからのキャリアについてどのように考えていますか?
酒井:
将来的には、秋田にある祖父の森林を持続可能なビジネスとして成立させたいと考えています。森林を守るだけでなく、収益が生まれる仕組みをつくることで、長く維持できる形にしたい。
その実現のために、金融やビジネスの知識を身につけていきたいと考えています。
井出:
今後は、Green Carbonで学んだ環境分野の知見を活かしながら、社会や産業の脱炭素化に関われるフィールドで働きたいと考えています。Green Carbonでの経験を通して、脱炭素やカーボンクレジットに関する知識を実務の中で身につけ、それを自分の強みとして活かせるようになったと感じています。
また、これまでを振り返ると、新しい環境に飛び込むことに前向きな性格だと感じています。大学院に進学したのも、環境を変え、より強度の高い研究環境に身を置きたいという思いがあったからです。大学時代にニッチな分野に取り組んだ経験からも、自分は未知の領域に挑戦すること自体に価値を見出すタイプだと気づきました。今後も変化を恐れず、新しい分野や課題に挑戦しながら、自分なりの価値を発揮していきたいと考えています。
前坂:
外交官という道も考えましたが、国際議論の現場に触れる中で、社会を実務的に動かす力は民間側に大きくあると感じました。今後は官民連携を強化しながら、ビジネスサイドからルール形成や社会実装を主導できるパイオニア的存在になりたいと考えています。
Q. 教育環境の中で「これが良かった」と感じることは?
前坂:
模擬国連の活動を通して、多様な価値観や高い志を持つ仲間と切磋琢磨できた環境は自分にとって大きな意味を持ちます。利害関係の衝突が最も激化している現代において、国境を超えても通じる交渉学を含むコミュニケーション能力と提案力(論理力や伝え方?)、それらの重要性とインパクトを肌身をもって学べました。
酒井:
現場に触れる機会があったことです。実際の森林や地域の状況を見ることで、課題を机上の問題ではなく、自分ごととして捉えられるようになりました。その経験が、現在の研究や進路を考える上での土台になっています。
Q. 現場に行くことの重要性を感じた理由はありますか?
酒井:カーボンクレジットは、資本家や企業だけで完結するものではなく、その先に地域住民の暮らしがあります。現場に行くことで、川上にいる人々の存在や現実の課題が見えてきました。だからこそ、実際に足を運ぶ機会はとても重要だと感じました。
Q. これからの学生や教育機関に期待することを教えてください
酒井:
大学は教授と学生だけの場ではなく、企業や地域、行政など様々なアクターをつなぐ存在になれると思います。現場と社会を結ぶハブのような役割を担うことで、より実践的な学びが生まれるのではないかと感じています。
前坂:
大学には、「正解を覚える力」よりも「価値を創り出す力」を育てる場であってほしいと考えています。そのためにも、アントレプレナーシップの育成や、言語能力の“その先”にある力を伸ばす重要性を伝えていく必要があると思います。私にとってアントレプレナーシップとは、単に起業する力ではなく、価値を生み出し、それに共感を得る力です。また、言語能力はゴールではなくツールです。単語を覚えること自体が目的ではなく、本当に必要なのは、相手の話を深く理解する傾聴力や、自分の考えを伝えるプレゼンテーション力、そして思考を整理し構造化する力だと感じています。
これからの学生には、まず行動し、自ら情報を取りにいく姿勢を大切にしてほしいです。「知りたい」という好奇心を原動力に一歩踏み出すことで、これまで知らなかった世界に出会える——その感覚をぜひ大事にしてほしいと思います。
Q. Green Carbonのインターンを気になっている方へメッセージ
井出:
個人的には、さまざまなことに浅く手を広げるよりも、興味を持った分野について知見を深めていくことで、より良い出会いや機会に巡り合えるのではないかと感じています。ぜひ、自分が関心を持てる分野に積極的に挑戦してみてほしいと思います。
前坂:
カーボンクレジット市場は今後さらなる成長が期待されており、脱炭素社会の実現に向けて重要な役割を担っています。Green Carbonのインターンシップでは、カーボンクレジットのパイオニアとして、環境課題の解決に向けた実践的なプロジェクトに携わることができます。
ぜひ、関心のある方はご応募ください!