今回は、第一生命保険からハッカズークへ「レンタル移籍」という形でジョインし、半年間という限られた移籍期間の中で、入社直後から新たなポジション「コミュニティナビゲーション」の立ち上げに奮闘した小俣にインタビューを行いました。
大企業での16年間のキャリアから一転、正解のないスタートアップ環境で彼女が直面した壁とは?そして、アルムナイ(退職者)と企業をつなぐ新しい架け橋「コミュニティナビゲーション」のやりがいについて、たっぷりと話を聞きました。
ぜひご覧ください!
▍プロフィール
小俣 桃子(おまた ももこ)第一生命保険株式会社に新卒入社。団体保障事業部にて、企業の福利厚生制度のひとつである団体保険に関わる事務や営業推進を16年間担当。自身のキャリアビジョンを広げるため「レンタル移籍」制度を活用し、2026年4月よりハッカズークへジョイン。未経験のHR業界・スタートアップ環境に飛び込み、入社直後からBtoC特化型の新規ポジション「コミュニティナビゲーション」の立ち上げを牽引した。
16年間の大企業勤務からハッカズークへ飛び込んだ理由
── まずは、これまでのご経歴と、ハッカズークへ「レンタル移籍」を決めた理由を教えてください。
小俣:第一生命保険に新卒で入社し、団体保障事業部という部署で16年間勤務してきました。企業の福利厚生制度のひとつである団体保険の事務や営業推進を担当し、ずっと同じ部門でキャリアを積んできました。
やりがいを感じる一方で「外の世界や違う部署の仕事も経験してみたい」という思いを抱くようになり、自分のキャリアビジョンを模索していました。そんな時に社内で公募されていた「レンタル移籍」という制度を知り、スタートアップのスピード感や少数精鋭の環境で自分を試してみたいと思い、手を挙げたのがきっかけです。
レンタル移籍の運営会社から約800社ものリストを見せていただいた中で、ハッカズークの「アルムナイ」という事業に強く惹かれました。
「人」に関わる仕事に関心が高かったことに加え、実は、第一生命でも退職後に再入社する人が身近にも多くいました。でも、当時はそれが当たり前すぎて「アルムナイ」という概念も知らなければ、それが企業にとってどんな価値があるのか深く考えたこともありませんでした。だからこそ、そこにフォーカスするビジネスがすごく先進的だと感じ、もっと知ってみたいと興味を持ちハッカズークを選びました。
正解のない環境での苦悩と、マインドセットの転換
── 大企業からスタートアップへ。環境の変化で苦労されたことはありましたか?
小俣:最初は苦労しかしていなかったのが正直なところです(笑) アルムナイビジネスについても分からない状態から、「コミュニティナビゲーションチームを作ってほしい」というミッションを与えられました。前職では、定型業務や「ある基準に対してイエスかノーかをジャッジする」仕事に慣れていました。
しかしハッカズークでは、何をゴールにするかも、どう進めるかも決まっていません。「好きにやっていいよ」という自由さが、逆に私にとっては一番苦手で大変でした。入社して1〜2ヶ月目は、何も生み出せていない、という焦りばかりが募っていましたね。
── その「壁」をどのように乗り越えていったのでしょうか?
小俣:ハッカズークのメンバーや社外メンターの方の支えが大きかったです。ある時、メンターに「自分で生み出すことが苦痛です」と吐露した際、「正解がない中で自分で決め、やり切る覚悟を持たないと変われないよ」とアドバイスを受けました。そこでもう、腹をくくるしかないと決心しました。
また、上司にも「正解がないのだから、誰も必ず成功するなんて思っていない。逆にうまくいったら奇跡だよ」と言ってもらえたことで、マインドが大きく変わりました。それまでは「とにかく企画を出さなきゃ」と手数を打つことばかり考えていましたが、次第に「これをやることで事業の成果や数字にどう貢献できるのか」という目的意識・ゴール意識へとシフトしていくことができました。
数字だけを追わない。本人が気づいていない「機会」を引き出す対話
── 立ち上げられた「コミュニティナビゲーション」とは、具体的にどのような役割なのでしょうか?
小俣:採用支援チームのコンサルタントがクライアントの採用課題に向き合い成果を追うのに対し、コミュニティナビゲーションチームのコミュニティナビゲーター(CA)は、アルムナイ一人ひとりに開かれた「対話の窓口」です。
アルムナイネットワークの登録者は「まずは企業や他の退職者と繋がりを保ちたい」「機会があれば協力したい」といった「受け身層・ライト層」が大多数を占めます。私たちの仕事は、単に本人の希望を聞くだけではありません。そうした「受け身層・ライト層」ともオープンでカジュアルな対話を通して、ご本人すら自覚していない潜在的な可能性や機会(ビジネスマッチング、イベント参加、転職、副業など)を共に発見し、選択肢を広げるお手伝いをしています。
── 成果を追う採用支援チームに対し、コミュニティナビゲーターが面談で大切にしている考え方は何ですか?
小俣:「特定のゴールに縛られず、オープンな対話で可能性を拓く」 というスタンスです。私たちの役割の先の一つに企業の再入社支援への接続もありますが、最初から「再入社に興味はありませんか?」と聞いてしまうと、対話の枠が狭まってしまいます。
そのため、「こう導きたい」というこちらの意図や枠組みを一度手放し、「まずは近況をカジュアルにお話ししませんか?」とオープンな姿勢で向き合うことを徹底しています。フラットな関係性で対話を重ねるからこそ、相手自身も気づいていなかった思いや次のアクションへのきっかけを引き出すことができると考えています。
── 転職意欲が顕在化していない方の「本音や悩み」を引き出すために、面談で工夫していることはありますか?
小俣:一方的に「何か困っていますか?」と聞いても「特にないです」で終わってしまうことが多いので、こちらから様々な選択肢を提示するようにしています。
事前に相手の経歴や関心事を把握した上で、「こういう経験をした人の話を聞いてみませんか?」「こんな方と集まる会があれば興味ありますか?」などと投げかけてみます。そうやって可能性をいくつかお見せする中で、相手が興味を持つポイントを探り、潜在的なニーズを引き出すように工夫しています。ヒアリングシートを作成してナレッジも蓄積しています。
キャリア支援から予期せぬコラボまで。
コミュニティナビゲーターが生み出す多様な価値
── 実際の面談から、キャリア支援(再雇用や転職など)につながった事例もあるのでしょうか?
小俣:はい、あります。最初はライトな面談からスタートしても、お話しする中で「実は少し転職を考えていて…」と本音を教えてくださる方や、「会社に再入社という選択肢があるとは知らなかった」と驚き・気づきを得る方がいらっしゃいます。
そうした意向が確認できた場合は、企業側の求人ニーズを把握している採用支援チームへ連携し、実際のキャリア支援や選考、あるいは副業案件のご紹介へとつなげています。
── 転職以外の予想外なエピソードもあるとお聞きしました。
小俣:本当に予想外の相談が寄せられます。たとえば、「何かお困りごとはありませんか?」とメルマガをお送りしたところ、大手電力会社のアルムナイの方から「今トマト農家をしていて、今後生産量が増える見込みだから、一緒に楽しみながら販路を開拓してくれる人を探している」というご相談をいただいたことがありました。
全く想像していなかったご相談でしたが、その方の想いや取り組みが非常に魅力的だったんです。そこで対話を通じて魅力を引き出し、インタビュー記事として『アルムナビ』に掲載しました。こうした発信をきっかけに、「どんな小さなことでも気軽に相談していいんだ」と、他のアルムナイの方々にとっても自分の可能性を広げるオープンな窓口だと感じていただけたら嬉しいですね。
また、別の方からは「今勤めている会社でもアルムナイネットワークを導入したくて、他社が導入前に何を検討したのか事例を知りたい」というご相談から、当社のセールス担当に繋いでナレッジを共有する機会を創出したこともあります。
さらに、「ネットワーク内で自身の現在の仕事について発信したいけれど、どう動けばいいか分からない」と踏み出せずにいた方には対話を通じて不安を紐解き、「自己紹介として自由に発信して大丈夫ですよ」と背中を押しました。結果として、オフィシャル・アルムナイ内での投稿を通じて、その方独自の新たな繋がりが生まれる一歩となりました。
──「再雇用」といった枠にとらわれない、多様なサポートですね。
小俣:そうですね。私たちは「すべてのアルムナイに対してネットワーク内で“居場所”を提供する」ことを信条に活動をしています。すべての悩みを完璧に解決できるわけではありませんが、本当にいろんな思いに寄り添うことができます。私自身は転職経験がありませんが、年代や職種を問わず、多様な人生経験を持つ方々のお話を伺えるのは純粋にすごく楽しいですし、とても勉強になります。
時にはシニア世代の方と対話することもあり、「そのご年齢になっても好奇心に溢れている秘訣は何ですか?」と思わず個人的にも深く伺ってしまうことがあります(笑) そうした対話を通じて私自身も刺激を受けますし、何よりアルムナイの方々の声に耳を傾け、ご自身も気づいていなかった次のステップや、小さな行動を起こすきっかけを一緒に作っていけることが、この仕事の大きなやりがいです。
ハッカズークの文化で得た3つの学び
── この半年間の経験は、今後のご自身のキャリアや、第一生命に戻られた際にどう活きそうでしょうか?
小俣:そうですね、大きく3つの学びを自分のキャリアや今後の活動に還元していきたいと考えています。
1つ目は「目的・ゴール意識」です。ハッカズークのメンバー全員が「何のためにやるのか」を突き詰め、ゼロから解を形にする姿勢を持っていて、目的意識が常に磨かれました。 今までは上から降りてきた方針を「どう運用するか」に注力しがちでしたが、何もない環境から事業を作る経験を通じて、本来の目的を常に問い直す姿勢が身につきました。
2つ目は「AIの活用」です。ハッカズークでは業務におけるAI活用が進んでおり、「こんなにも仕事が効率化できるんだ」と身をもって学ぶことができました。会社によって様々な制約もありますが、その制限がある中でも「どうすればもう少し業務を効率化できるか」という視点は持ち帰り、自分なりに工夫していきたいと思っています。
3つ目は「会社を俯瞰して見る視点」です。ハッカズークのメンバーは「自分が会社をどうしていきたいか」「どう成長したいか」という“スーパー利己的”かつ熱い思いを持っています。外の世界に出たことで、私自身も「第一生命のこういうところをもっと良くしていきたい」と、会社と自分の関係性を改めて見直す良い機会になりました。
未来のメンバーへ:アルムナイの可能性を拓き、自らチームを創る面白さ
── どんな方にコミュニティーナビゲーションの立ち上げ期を引き継いでほしいと思いますか?
小俣:人と話すことが好きで、相手の人生や挑戦に純粋に興味を持てる方ですね。特定のゴールや数字だけに誘導するのではなく、オープンな対話を通して、アルムナイ自身も気づいていない潜在的なニーズや可能性を引き出せる方が向いていると思います。
まだ立ち上がったばかりの新しいチームなので、土台はできつつあるものの、これから自分たちでどんどん良くしていけるフェーズです。主体的に新しい価値を創り出していきたいという意欲のある方に、ぜひこのバトンを受け取っていただきたいです!
最後までご覧いただきありがとうございました。
数字や採用という枠組みにとらわれず、フラットな立場で一人ひとりの人生に寄り添い、新しいコミュニティの形をゼロから創り上げていきたい方、ぜひご応募をお待ちしております!