今回は、2024年に入社をされ、現在、執行役員 レストラン事業本部 副本部長の岩田さんにお話を伺いました。岩田さんのユニークなキャリアパスの裏側には、「ユーザーファースト」への意識の高さと、外食産業の未来への熱い想いがありました。
パイロットの夢から、事業を牽引するビジネスパーソンへ
インタビュアー: まずは、これまでのキャリアの歩みについて教えていただけますか?早稲田大学で機械工学を専攻されていたと伺っています。
岩田さん: そうですね、キャリアの始まりは少し変わっているかもしれません。小学生の頃、パイロットに憧れたんです。あの巨大な金属の塊が空を飛ぶロマンに惹かれて。そこから、飛行機やロケットそれ自体やその仕組みに興味を持つようになって、早稲田の機械科学航空学科に進みました。
インタビュアー: 空への憧れから、機械工学へ進まれたんですね!そこからビジネスの世界へ進まれたのはなぜでしょう?
岩田さん: 大学で航空宇宙工学を学ぶ中で、技術をいかにビジネスとして社会に実装していくか?という点に強く興味を持つようになりました。特に、日本のものづくりは世界に誇れる技術がある一方で、それをビジネスとして花開かせるのが苦手だと感じたんです。それで、技術を「作る」ことよりも、ビジネスとして「伸ばす」ことに貢献したいと考えるようになりました。大学2年生で「ワークスアプリケーションズ」のインターンに参加し、プロダクト開発・実装の難しさと面白さに触れたのが、その後のキャリアを決定づける大きな一歩でしたね。大学2年生の秋には「ワークスアプリケーションズ」への入社を決めました。
インタビュアー: 最初のキャリアがエンジニアスタートだったんですね。ワークスアプリケーションズではどのような経験を積まれましたか?
岩田さん: 研修後は、サプライチェーンに関するプロダクト開発に携わっていました。具体的には、調達管理システムや原価計算・原価管理系のシステムですね。
最初は、既存プロダクトの機能改善やバグフィックス(ソフトウェアやプログラムにおける不具合を修正する作業)といった業務が中心だったんですが、入社2年目の途中くらいから、新規プロダクトの立ち上げに携わる機会をいただきました。これが本当に大きな転機でしたね。
新規プロダクトでは、文字通りゼロから「ものづくり」を始めるところから関わらせてもらいました。
取引先に直接伺って、どんな課題があるのか、どのような業務フローで動いているのかを徹底的にヒアリングするんです。そこから、どのような機能が必要かという「機能要件」を定義して、モックアップ(製品やサービスの完成形を視覚的に表現した模型やサンプル)を作って取引先にプレゼンテーションする。取引先と合意形成ができたら、今度はインドにいる開発チームにその内容を共有して、開発を依頼する。そして、上がってきたものが要件通りか、取引先にとって本当に良いものになっているかを細かく確認しながら、最終的に納品するというのが一連の流れでした。
本当に、プロダクトが立ち上がる一連の流れ、つまり「作り始めるところ」から「届けるところ」まで、全体的に関わらせてもらったんです。
自分自身でコードを書くこともしていましたが、特に最後の1年くらいは、ITコンサルタントのような役割が大きかったですね。あとはプロジェクトマネジメントのようなことも担当していました。この経験は、本当に貴重でした。
インタビュアー: そのご経験を通じて、「ITを活用してビジネス全体をより良くしていく」という視点を持たれたのですね。
「ボストン コンサルティング グループ(BCG)」を次のキャリアに選ばれた背景について、ぜひ教えてください。
岩田さん: ええ。ワークスでシステムの「実装」に関わる中で、もっとビジネスの「上流」から関わりたいという思いが強くなりました。取引先の課題を構造的に捉え、戦略レベルで解決策を提案するコンサルティングの世界へ飛び込みたいと考えたんです。
インタビュアー: ワークスでの経験が、BCGへの転職のきっかけになったんですね。テックからビジネスの上流へ、まさにキャリアチェンジですね。BCGではどのようなご経験をされたのですか?
岩田さん:BCGでは、前職のIT・オペレーションに関する知見を活かし、クライアント企業の業務改善やコスト削減をご支援させていただきました。
大変優秀な方たちに囲まれて、様々な企業のテーマに触れることの出来る環境は、本当に刺激的でした。正直、当時はついていくだけでも精一杯で、その刺激的な環境を楽しむ余裕なありませんでしたが、ただの若手エンジニアだった私にとっては、ゼロからビジネスパーソンとしての基本を身に着け直す貴重な経験となりました。
インタビュアー: 素晴らしいご経験をされたのですね。
そして、BCGでコンサルの経験を経て、事業会社である「楽天」の「楽天グループ マーケティング本部 」の戦略企画職として転職をされたんですよね。ここでもまた大きな転機があったと伺っています。
岩田さん: BCGでコンサルタントとしてクライアントの事業を「支援」する中で、今度は「事業会社で直接ユーザーに価値を届けたい」という思いが強くなりました。「楽天」では、グループ全体のマーケティング本部で、特にモバイル事業の推進に深く関わりました。大企業でありながら、スタートアップのような熱量とスピード感を感じられる、非常にエキサイティングな環境でしたね。
エンジニアからコンサルタント、そしてマーケティングディレクターへ…「一休」をNEXTキャリアに選択した理由
インタビュアー: 楽天でのご経験も素晴らしいものだったと伺っています。一休への、転職をお考えになった理由についてお聞かせいただけますか?
岩田さん: 楽天での経験も、本当に刺激的で、私にとって非常に価値のあるものでした。素晴らしい環境だったからこそ、「もっと自分自身の力が問われる環境で事業を成長させることにチャレンジしたい」という意欲が自然と湧いてきたんです。
次のステップとして、組織規模が大きすぎず、私自身が事業の意思決定に深く関われる機会がある事業会社で、ぜひ事業の舵取りを担ってみたいと考えるようになりました。これまでの経験を活かし、より主体的に事業の成長に貢献したいという思いが強くなったことが、転職のきっかけです。
インタビュアー: なるほど、楽天という素晴らしい環境での経験があったからこそ、より主体的に事業を動かしていきたいという思いが明確になったんですね。
入社されて1年半が経ちましたが、イメージされていた通りの環境でしたか?特に、入社後に感じたギャップなどがあれば教えていただけますか?
岩田さん: 「ユーザーファースト」に関して、想像以上に徹底されていましたね。売上を上げるためだけにユーザーに不快な体験をさせない。そのために、データを駆使してユーザー一人ひとりに最適化された体験を提供し、着実に事業を成長させている。その「サイエンスに裏打ちされたユーザーファースト」に深く共感しています。現在は、もっと事業を大きく動かせる存在になれるように力をつけていきたいと考えています。
世の中の全てのレストランがWeb予約に対応し、ユーザーが快適にレストランを予約できる世界へ
インタビュアー: マーケティングディレクターとして入社をされた後、主にPayPayグルメを統括されていましたよね?具体的な取り組みについて教えていただけますか?
※PayPayグルメは、LINEヤフー株式会社のサービスです。運営・開発については、LINEヤフー株式会社から一休に委託されています。
岩田さん: PayPayグルメが力を入れているのは、単なる「集客」だけではありません。当然ですが、おトクに快適にレストラン予約ができる世界を作っていくことでユーザーに喜んでもらうこと、それにより「集客」面でレストランに貢献していくことに全力で取り組みます。一方で、PayPayグルメは後発のグルメサイトであるため、既存の大手メディアと同じ土俵で「送客数」だけで勝負するのは簡単ではないと考えています。そこで、一休が持つ予約台帳システム「RESZAIKO」など、レストランのDXを支援するプロダクトも活用し、幅広い観点からレストランに価値提供していくことに、まずは注力をしています。
インタビュアー: つまり、予約を増やすだけでなく、レストランの業務効率化やコスト削減にも踏み込んでいる、ということでしょうか?
岩田さん: まさにその通りです。他のグルメサイトは「集客」に特化し、予約台帳サービスは「業務効率化」に特化していることが多いですが、一休はメディアとDXツールの両方を持っています。この強みを活かし、集客による売上向上と同時に、裏側のオペレーション改善やコスト削減という両面から価値を提供できるのが、PayPayグルメの大きな強みだと考えています。
現在のレストランは、物価高騰などでコスト意識が非常に高まっています。集客を最大化したい一方で、メディア手数料の負担や、非効率なオペレーションによるコスト増は避けたい。そういった課題に対し、私たちであれば集客と効率化の両面からソリューションを提供できる。これは、他のグルメサイトにはない、私たちだからこそできる価値提供だと考えています。
インタビュアー: レストランの経営課題に深く入り込み、本質的な価値を提供しようとしているのですね。2026年より一休とPayPayグルメの両方を担当されることになりましたが、目指すビジョンを語るとしたら、どのようなものになりますか?
岩田さん: 一休はこれまで高級店領域に特化してきましたが、日本全国には80万以上ものレストランが存在し、予約業態に絞っても20万程度あります。そのうちWeb予約に対応しているレストランはまだ半分程度しかありません。ユーザーからすれば、行きたいお店が全てWebで予約できる方が圧倒的に便利ですし、レストラン側から見ても、効率的に集客できれば良いはずです。
ですので、「世の中の全てのレストランがWeb予約に対応し、ユーザーが快適にレストランを予約できる世界」を実現したいと考えています。既存のグルメサイトや予約台帳サービスだけでは、まだWeb化されていない膨大な数のレストランをカバーしきれていません。私たちには、集客とDX支援の両面からアプローチできる強みがあります。この両輪で、外食産業全体のDXを推進し、レストランとユーザー双方にとってより良い未来を創造していきたいと思っています。
インタビュアー: 全てのレストランのWeb予約化とは、非常に壮大なビジョンですね!
この対談を通して、当社のカルチャーや目指す方向性について、より深く理解していただけたでしょうか?どのような職種でも事業やプロダクトを「自分ごと」として捉え、当事者意識を持てる方が活躍をされています!
この想いに共感し、共にレストランや宿泊業界の未来を創っていく仲間を心待ちにしています!
プロフィール
執行役員 PayPayグルメ事業本部長
岩田 雄二
1991年生まれ。千葉県出身。早稲田大学基幹理工学部卒業
2015年 株式会社ワークスアプリケーションズ 入社
2018年 ボストンコンサルティンググループ 入社
2021年 楽天グループ株式会社 入社
2024年 株式会社一休 入社
2025年 株式会社一休 執行役員 PayPayグルメ事業本部長 就任
2026年 株式会社一休 執行役員 レストラン事業本部 副本部長 就任(現任)