AI業界を最前線で牽引するトップリーダーに学ぶAI時代の活躍人材とは?─「IGカレッジ」レポート | カルチャー
こんにちは!広報の篠原です。今回はイングリウッド社員に向けて半期に一度開催する、各業界や領域の第一線で活躍するスペシャリストを招いた学びの場、「IGカレッジ」についてご紹介します。2020年から...
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イングリウッド広報の篠原です。
2025年、イングリウッドは「AIに始まり、AIに終わる」と言っても過言ではないほど、AI活用に力を入れてきました。2025年3月には生成AI推進委員会を立ち上げ、AIツールの全社活用推進のためのナレッジシェアや社内勉強会の開催、外部の方をお呼びしたセミナー等も積極的に行ってまいりました。
そのような中、社内のAI活用レベルをさらに引き上げていきたいという想いから先日開催されたのが「社内AIコンテスト」です。第1回は「未来のグローバルブランド」をテーマに、Gemini Imagen (Nano-banana)で、画像を生成し、そのクオリティの高さを競いました。応募総数はなんと100名超!新卒1年目から役員まで、役職・部署・年齢を問わず、多くの社員が参加し、各々が考える「未来のグローバルブランド」を形にしました。
今回は、予想外のハイレベルな戦いとなった結果発表の様子をレポートします!
「第1回生成AIコンテスト」概要
テーマ: 未来のグローバルブランド
提出物:「未来のグローバルブランド」を体現する画像を生成。提出資料としてスライドに画像生成時のプロンプトと合わせて提出
使用ツール: 全社員標準導入の「Gemini Imagen(Nano-banana)」のみ
審査基準: ビジュアル完成度(80%)/企画力(20%)
標準ツールである「Gemini Imagen (Nano-banana)」のみ。全員が同じ土俵に立ち、いかにAIへ的確な指示(プロンプト)を出し、魅力的なブランドを描き出すか。「発想力」と「AIとの対話力」が試されます。
11月末、生成AI推進委員会にてコンテストの審査会が開催されました。特設ギャラリーに並ぶ作品の数々に「どれもクオリティ高いですね」「選ぶの大変だ(笑)」と声がこぼれました。
審査基準である「クリエイティブのクオリティ」。応募者の作品を見ると、プロンプトの秀逸さによってAIで出したとは思えないクオリティの高さを実現していた方もいれば、コンセプトから緻密に練ることで描きたい世界観をしっかり具現化している方もいる等、アプローチ方法は様々です。
もともと「最優秀賞(1名)」と「ベストチャレンジャー賞(2名)」の計3名を表彰する予定でしたが、急遽「ベストクリエイティブ賞」と「アイデア賞」「佳作」を新設。社員のAI活用レベルの高さと、受賞作品を見ることで他の社員への学びになっており、AI活用のさらなる促進につなげてほしいという想いから、より多くの作品に光が当たるような表彰ラインナップにバージョンアップしました!
審査の様子
【結果発表】初代王者は誰の手に?
それでは、激戦を勝ち抜いた受賞作品をご紹介します。受賞者にも制作エピソードをたっぷり伺ったので合わせてご覧ください!
▼審査員コメント
ビジュアルのリアリティに加え、アイデアもオリジナリティがあって一番注目を集めました。AIの成り行き的に振り回され生成したビジュアルではなく、「自分が作りたいと思い描いたものをちゃんと具現化できている」ところが、最優秀賞の決め手となりました。
──まずは最優秀賞を受賞した感想をお願いします!
この度は素晴らしい賞をいただき、ありがとうございます! 「まさか自分が」という心境ですが、評価していただき光栄です。
──この「消費期限付きの服」というアイデアは、どこから着想したのですか?
実は、アイデア出しの最初の段階からGeminiと「壁打ち」をして作り上げました。 今回のテーマである「未来のグローバルブランド」は非常に自由度が高く抽象的だったので、まずはGeminiと一緒に「未来」「グローバル」「ブランド」という3つの言葉の定義を徹底的に掘り下げました。 私の解釈をGeminiに伝えて目線合わせをした上で、複数のアイデアを出してもらったのですが、その中にあったのがこの「消費期限付きのアパレルブランド」です。一見突飛に見えますが、私の中で一番「これだ!」としっくりきたため採用しました。
──AI生成で一番こだわった(苦労した)ポイントを教えてください!
上記の内容とも重なりますが、「テーマの解像度を上げること」に一番こだわりました。 「未来のブランド」と聞くと、ついドローンや空飛ぶ車のような「最先端技術」をイメージしがちですが、今回のコンテストの趣旨を考えた際、単なる技術自慢では面白くないと考えました。 そこで、あえて技術自体は「現代ですでに普及しているもの」を使い、それをどう売るか、どう見せるかという「マーケティングとビジネスモデルの工夫」で未来を感じさせることに注力しました。この微妙なニュアンスをAIに理解させて画像として出力させる調整が、一番のこだわりポイントです。
続いて、AIならではの表現力や、展開力が評価された2作品です。
▼審査員コメント
アイデアをしっかりビジュアライズできている点が評価点です。生成したものをベースに再現度高く他の画像へ展開しているのも、うまく使いこなせているなと思います。
──受賞の感想をお願いします!
この度はベストチャレンジャー賞に選出いただきありがとうございます!シンプルにとても嬉しいです!前職で4年ほど新規ブランドの立上げなど行っていたので、その経験が幸いにも活かせたような気がします。生成AIを使いこなすという意味ではまだまだだと思っていたので、とても自信に繋がりました。
今後も積極的に生成AIを活用し、業務効率化や新たな発想を取り入れつつ業務遂行していければと思います。
──生成AIは普段から活用されていますか?(業務内でも業務外でも!どのように活用しているのか伺いたいです…!)
普段の業務では、新しい課題が出たときの壁打ちによく活用しています。ECコンサルティングという職種上、今回のような画像生成を使う頻度はあまり高くないのですが、資料作成のたたき台などには日々活用しています。
業務外でも、気になったニュースや少し前だと選挙についてまとめてもらったり、著名な方とお会いするときなどに事前情報を把握するのに活用したりしています。
──コンテストで提出した画像を生成するにあたり、一番こだわった(苦労した)ポイントを教えてください!
実は当初別の案で作成をしていました。が、ブランディングに引っ張られてしまい、画像としては全然面白くなくてボツにしました(笑) とにかくビジュアルが良く出そう、かつ生成AIとの相性の良さそうなビジュアルとなるようなコンセプトにガラリと方針転換をしたのが個人的には良かったのかもしれません。
また、生成AIで作成した画像を細かく修正していくことが難しいと感じているので、なるべく一発でイメージ通りのビジュアルとなるように心がけました。プロンプトを生成AIと一緒に作り、いくつかバリエーションを出した中でイメージ通りに生成できたものを提出しました。このように試行錯誤していく過程が面白いと感じましたし、こだわった部分です。
▼審査員コメント
AIだからこそ描きやすい特殊な素材感を選択している点が面白いです。独自の「言葉」選びをされている点が他作品との差分を生み出すに至った優れた点かなと思います。
受賞者インタビュー
──ベストチャレンジャー賞受賞の感想をお願いします!
この度は選出ありがとうございます!普段からAIを活用することは多かったのですが、今回のコンテストのテーマである画像生成については使用する機会が少なく、いい学習機会になると思い参加しました。自分自身、芸術的なセンスがゼロだと思っているのですが、そんな私でも賞をいただけたということで改めて生成AIのインパクトの大きさを実感しました。これまであったハンディキャップが一瞬で埋まるということが今後あらゆるシーンで発生すると思うとワクワクします!
──コンテストで提出した画像を生成するにあたり、一番こだわった(苦労した)ポイントを教えてください!
こだわった点は二つあります。一つ目は生成した画像の微調整です。最初に出力した画像は違和感のある影や透け感が出てしまい、修正の指示をする必要があったのですが、一度の指示ではうまく修正されず苦労しました。そのため指示を細かくチューニングすることで自分のイメージする画像に近づけていきました。二つ目はキービジュアル、商品、使用シーンとそれぞれ3枚の画像について統一感を出すことです。色違いや形違いを作成したかったのですが、キービジュアルの世界観を残しながら複数の画像を生成するのが難しく、何度も指示を変更しながら出力することに苦労しました。
デザイナーやエンジニアが生み出すプロの技から、新卒1年目のフレッシュな感性まで、さまざまなアイデアがそろいました!
▼審査員コメント
世界観の表現に一貫性を感じました。商品のバリエーションも見栄えが良く、使用シーンも説得力のある表現になっています。使用される素材はまさに未来のプロダクト!商品ジャンルは現実的でありながら、生成AIでしか実現できないところに魅了されました。光が反射したようなロゴの表現もとても綺麗です。
心を動かすビジュアルはコンセプトから面白いという気付きから追加された賞。新卒1年目からマネージャーまで、部署・年齢・役職を超えて4名が選出されました。
▼審査員コメント
パーソナライズ×NFT家具×ARの活用というアイデアと提出された画像が、「近い将来、世の中はこうなるだろうな」という納得感のある答えを出している点が高評価でした。
▼審査員コメント
コンセプトが丁寧に組まれていて、商品の世界観にリアリティと一貫性を感じます。容器もかわいらしく統一感があるテイストに仕上げており、良い意味で“本当にありそう”と思わせるビジュアルに、プロンプト調整による努力が伺えました。
▼審査員コメント
土台となるブランドコンセプトは提供したうえで、効果的なプロンプトを用いて最小限のやり取りで生成している点が素晴らしいです。画像生成ではクリティカルシンキング×ロジカルシンキングと2軸でプロンプト生成している点が高評価です。商品もかっこいいです!
▼審査員コメント
Gemを作成した上でプロンプトを調整し、一貫性の高いビジュアルを作り上げているところが高評価です。また、一見SF感のある商品を具体的なストーリーを設計して落とし込み、非常に現実的に未来の商品として実現しそうなものとして描いているのが素晴らしいです。
ご紹介した作品以外にも、17名の方が佳作に!新卒1年目から事業部長、役員まで、年齢・年次・部署・役職関係なく幅広く選出されました。
今回審査員を務めたCCOの河上さんにお話を伺いました!
生成AIのおかげで、これまで自分の想像したものをビジュアル化する手段を持たなかった人が、だれでも短時間でクオリティの高いビジュアル生成ができるようになったことを改めて実感しました。
どの作品も品質は高く、その中で甲乙をつけるとすると、「自分が思い描くイメージが、AIが出したものに成り行き的に振り回されていないか」という観点が重要だと考えています。つまり、「あまり想像できていなかったけどこんなもんか」ではなく、「自分が想像しているのとはちょっと違うからもっとイメージに近づけよう」という事がにじみ出ている作品が、他の作品に埋没せずに目立つ要因となりました。
──クリエイティブ×AI活用についてCCO・河上さんのご意見をお聞かせください
ビジュアル制作のプロでない人が気軽に自分の思い描いたものをビジュアル化できるようになったというのは素晴らしい時代の変化だと思います。例えば、絵を描くことが苦手なノンクリエイター職の人でも、企画書にデザイナーの手を借りずして思い描いているものを添えられる時代になりました。企画の初期段階でも関係者間で共通認識をつくりやすくなったのではないでしょうか。逆に僕らのようなブランドビジネスに携わるクリエイターは正しいものを見つけ出す力、クオリティのいずれかを究めていかないと、あっという間に時代に取り残されてしまうなと感じています。
AIによって誰でもクリエイションができるようになりました。では、これから先ビジネスをする上で本当に必要なことってなんだろう?──僕は「感性を磨くこと」だと思っています。AIで1を10にも100にも可能性を広げられる時代になったからこそ、社員一人ひとりが感性を磨き続けることがビジネスを拡張するうえで一層大事になるのかなと思っています。
いかがでしたか?AI活用が当たり前になった2025年、業務効率化としてのAI活用はもちろん、創造のパートナーとしてAIを使いこなすことの重要性を学びました。2026年もイングリウッドではあらゆる側面でAIを活用しながら、社員一人ひとりの成長、そして企業としての非連続成長を実現してまいります。