「決まったレールの上を走るだけの人生は、つまらない。」
そう語るのは、イノベーショングループ 2025年度 年間MVP賞を受賞した本田さん。
世界を代表する日本企業を生んだ街で育ち、安定志向の強い地元の環境のなかで「20代のうちに、自分の手でビジネスを動かせる実力をつけたい」と上京を決意。
2021年にイノベーションへジョインし、主力事業のアライアンス領域で着実に経験を積み重ねてきました。
そんな本田さんが2025年に直面したのは、大型クライアントの予算削減、ベテランメンバーの退職、そしてAIの急速な進化による市場環境の変化——。まさに正念場とも言える状況でした。
それでも「今できることは何か」を考え続け、AIを活用しながら業務の属人化を解消し、少人数でも成果を出せる体制づくりを推進。危機的な状況を立て直すことに成功。その取り組みが高く評価され、見事2025年度年間MVP賞を受賞します。
なぜ、厳しい状況でも立ち止まらずに動き続けられたのか。
そして、AI時代において「個人の成長」をどう捉えているのか。
自分の成長と向き合うすべてのビジネスパーソンに届けたい、決して順風満帆ではなかった挑戦者のストーリーです。
ーー年間MVP受賞、おめでとうございます!!1年を通じて見事なご活躍でした!受賞を聞いた時のお気持ちを聞かせてください。
本当に嬉しかったです。
社内には本当に優秀な方が多く、歴代の受賞者も圧倒的な数字や実績を残して、華やかな活躍をされている方々だったので、発表された時は驚きとともに、「本当に良かった、報われた…」と思いました。
ーー「報われた」というと…?
実は、年度の初めに大きな売上減少の危機があり、正直、賞を意識する余裕はありませんでした。目の前の課題に向き合い、どうすれば立て直せるのかを必死に考える日々でした。
上司と何度も議論を重ねながら施策を実行し、最終的には年度末に向けてV字回復を実現できました。その結果だけでなく、そこに至るまでのプロセスも含めて評価していただいて、本当に嬉しかったです。
ーー危機的な状況からスタートとした1年だったんですね。ご自身では今回の受賞理由をどのように分析されていますか?
一言で言えば「めげなかったこと」だと思います。
年度の初めの時点で、年間で数億円規模の予算を持つクライアントの解約が決まっていたり、期の途中でベテランのチームメンバーが退職したりと、かなり厳しい状況が続いていました。
その中でも「今、自分ができることは何か」「目の前のことだけでなく、中長期で改善できることは何か」と、常に前を向き続けられたことが最大のポイントだったのではないかと思っています。
ーー 周囲から「愚直に、泥臭く小さいことを積み上げる努力ができる方」という声がありました。そうした行動力の源泉はどこにあるのでしょうか?
地元の環境が影響しているかもしれません。
私の就職活動の軸は、「やれることを早く増やしたい」でした。
というのも、私の地元は、世界を代表する日本企業がある街で、多くの人がその企業や関連会社へ就職するのが当たり前の環境でした。大企業ならではの育成制度が整っている一方で、若いうちは研修や下積みの期間が長く、本格的に仕事を任されるまでには時間がかかります。
もちろん、それが悪いとは思っていません。ただ、私は一日でも早く自分の力で仕事を動かせるようになりたかったんです。もともと、自分で考えて行動することが好きでしたし、自分にできることを増やしながら成長していきたいという思いが強くありました。
中学や高校の同級生で、卒業後にそのまま地元企業に就職する人も多く、みんなが同じような進路を選び、同じような人生を歩んでいく。その“決まったレール”のようなものに、私は違和感を抱き、地元を出ることを決意しました。
「もっと挑戦したい。もっと自分でできることを増やしたい。」
その思いが、今の自分の原点になっています。
ーー圧倒的な成果を出すために、日々の業務プロセスやコミュニケーションで意識している工夫はありますか?
アライアンス業務の特性上、常に先を見据える必要があります。例えば、現時点で翌々月のメールの配信スケジュールはすべて組み終わっています。常に中長期的な目線を持つことが習慣になっています。
その中で意識しているのは、多角的な「優先順位付け」です。判断に迷ったときは、「どれが一番事業にインパクトがあるか」「どの媒体のどの案件が一番消化率や獲得見込みが高いか」を意識し、視野が狭くならないようにすることです。
あとは、人を待たせないことを意識しています。
私を起点にして業務が滞るのがどうしても耐えられないので、即レスを徹底しています。自分がボールを持ったらすぐに考え、完璧な答えがなくてもまずは仮説を出して次のステップへ進める。そうやって仕事を前に進めることを常に意識しています。
ーー時には、社内メンバーへシビアなフィードバックも必要な場面があると思います。コミュニケーションの面で気をつけていることはありますか?
「忖度をしないこと」です。私たちの仕事はコンテンツ(メールなど)を作る仕事なので、微妙な表現をなあなあにして妥協すると、ユーザーに響かなくなってしまいます。
ユーザー目線で「これは面白くない、興味を持てない」と思ったら、そこはストレートに伝えます。
ただ、単に否定するのではなく、「なぜそう思ったのか(理由)」と「どうすれば良くなるのか(改善案)」を必ずセットにしてフィードバックするようにしています。そうすることで、フィードバックに納得感を持って修正に動くことができると考えています。
ーー膨大な知見や引き出しをお持ちですが、インプットはどのようにされているのですか?
いくつかありますが、担当しているアライアンスのメールが月に約100本あるので、それらはすべて目を通しています。それに加えて、外部メルマガも月平均2,500件ほど受信してチェックするようにしています。
「今、世の中で何がトレンドなのか」「他社はユーザーに対してどういう切り口でアプローチしているのか」を常にインプットし、自社の施策との違いを意識的にアップデートし続けるようにしています。
ーー この1年間で、ご自身の「成長」や「変化」を感じる部分はどこですか?
この1年で一番大きく変わったのは、AIとの向き合い方だと思います。
以前は、自分の頭の中にある知識や経験を使いながら、「自分が頑張れば何とかなる」と考えることが多かったです。チームのためにも、自分が抱えた方が早い、自分がやった方が確実だと思い、業務を引き受ける場面も少なくありませんでした。
実際に、膨大な情報をインプットしながら、自分自身の力で仕事を回そうとしていた部分が大きかったと思います。
ただ、この1年でClaudeやChatGPTなどのLLMが急速に進化する中で、「自分の知識や考えをどう言語化し、他者やAIに再現できる形で渡すか」を強く意識するようになりました。
例えば、配信スケジュールの組み方や案件判断の基準など、これまで自分の頭の中にしかなかったものを言語化し、AIに落とし込んでいます。そうすることで、自分がいなくても業務が回る体制を構築しています。
LLMの活用を通じて、自分だけができることを増やすのではなく、自分が持っている知識や考えを周囲へ共有し、再現可能な形にしていくーー。
「自分が頑張ってチームを支える」と考えていたところから、「どうすればチームやグループ全体の成果を最大化できるか」その視点を持てるようになったことが、この1年で最も成長した部分だと思います。
あと、業務が効率化されて生まれた余剰時間を使って、クライアントや媒体へさらに一歩踏み込んだ提案ができるようになり、関わる人たちの「働く」を変えることに繋がっていると実感しています。
ーーミッションの『「働く」を変える』にも繋がっていますね。
そうですね。私自身、AIの活用で、新しい提案や施策を考える時間により多くのリソースを使えるようになりました。
『「働く」を変える』ということは、新しいテクノロジーを活用して、“自分しかできない仕事” を増やすことではなく、“自分以外の誰でもできる状態” をつくることだと思っています。
個人の経験や感覚に依存していた仕事を、仕組み化・ナレッジ化していくことで、より少ない負荷で成果を出せるようになる。そうやって生まれた余白で、人はもっと創造的な仕事に向き合えるようになると思っています。
ーー お話を伺っていると、本田さんは時間に対する意識が強い印象があります。
アライアンスという業務の特性も大きいと思います。
私の場合、1日の中で複数の締め切りを抱えることが当たり前です。
今日やるべきことを確実に進めながら、今取り組んでいる施策が来月再来月どう成果につながるのか、さらにその先に何を仕込んでおくべきかまで並行して考えています。
そのため、常に複数の時間軸を行き来しながら仕事をしている感覚があります。目の前の業務だけに集中していてもいけないし、先のことだけを考えていてもいけない。今と数か月後、その両方を見ながら進めていく必要があります。
そうした環境で仕事をしていると、自然と時間の使い方や成長スピードに対する意識も高くなります。だからこそ私は、「どうすればもっと前に進めるか」「どうすれば成長を早められるか」を常に考えるようになりましたし、その価値観は今の仕事にもつながっていると思います。
ーー イノベーションという環境で活躍する人と、共通点が見えてきそうですね。
そうですね。
変化が多い環境だからこそ、「どうしよう」と立ち止まっている時間はもったいないと思っています。もちろん悩むことも大切ですが、時間は限られています。その中で、目の前の状況をどう活かすか、自分の成長につなげられるかを考え続けられる人は、この会社で大きく成長できると思います。
また、自分が置かれている状況を冷静に理解し、「今の自分に何ができるか」を考えてすぐに行動へ移せる人にとっては、イノベーションのスピード感や変化の多さは大きなチャンスになるはずです。
困難な状況を「ピンチ」ではなく「成長のチャンス」と捉えられる人こそ、この環境を最も楽しみながら成果を出せると思います。
ーー最後に、今後の目標や展望について教えてください。
関わるサービスや施策が増えてきた今だからこそ、アライアンスを集客施策のひとつではなく、事業成長を加速させる手段として捉えています。
売上なのか、会員資産なのか、形はさまざまだと思いますが、外部媒体との連携を通じて事業やサービスの価値を底上げできる存在になりたいです。
今はさまざまな部署の方々に支えていただきながら、各サービスの課題や状況をキャッチアップしている段階です。将来的には、プロダクトや事業のことを深く理解した上で、PdMと同じ目線で議論し、アライアンスの枠を超えて、事業成長そのものにコミットできる人材になることが、今の目標です。