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そもそも「商標権」って? 著作権や特許との違いとそれぞれの保護範囲について

Photo by alevision.co on Unsplash

IP-RoBoは、弁護士・弁理士・エンジニアとさまざまなプロフェッショナルメンバーが集い、商標調査AIルール【TM-RoBo】の開発を進めています。そのため、メンバー全員が商標について詳しいと思われがちなのですが、実は、まだ商標についてあまり知らないメンバーもいます。

そこで、今回は「今更聞けない…商標調査の基本を聞いてみよう!」という企画のもと実施した社内勉強会の様子を公開いたします!

弊社にご興味お持ちいただいた方はもちろん、「商標権なんてよくわからない」という方はぜひ読んでみてください。初心者にもわかりやすいように、図を使ってまとめています。

そもそも「商標権」って?
よく聞く「著作権」や「特許」とは何が違うの??

#商標権の親は「知的財産権」

商標権は「知的財産権」の中に分類される権利の一つ。知的財産とは「人の頭の中から生まれた価値ある情報(=アイデア・表現)」のことを指し、その知的財産を独占する権利が「知的財産権」です。その中で、産業で使われるものが「産業財産権」として、特許庁(経産省)が取り扱っています。

そして、この「産業財産権」の中のひとつに「商標権」があります。ちなみに、「著作権」はプログラムなんかも保護されるのですが、主には絵や漫画、映画や書籍などの芸術的・文化的なものが対象です。こちらは文化庁(文科省)の管轄です。



#4つの権利それぞれが保護するものは

「特許権」と「実用新案権」は、保護対象が少し似ているので、今回は一つとして考えましょう。これらは、今までは技術的に難しかったけど新しく何か問題を解決できる、過去にあった問題を解決したというような“発明”や“アイデア”が対象です。最近だと、スマートフォンのような従来はできなかったことが全てアプリできるようになったのもたくさんの発明が使われていて、特許権や実用新案権でたくさん保護されています。


「意匠権」というのがモノのデザインを対象として、見た目を保護するものです。法改正により昨年から建物なども保護対象に含まれるようになりました。意匠権というのは、自動車やダイアモンドなどのデザインはもちろんですが、ナットなど工業的な部品のデザインも保護できるのです。


「商標権」はブランドのマークを保護するものです。商標と聞くと、よくニュースなどでは「言葉を独占して使えなくなってしまう」などネガティブな印象の内容を報じられていることがあると思うのですが、本来、商標権が存在する理由はそういった意味ではありません。法律の目的としては、あくまで「目印の権利」。自社商品と他社商品の“区別・識別”するための権利なのです。コンビニに行くと、いろんな会社の飲料がズラッと並んでいますよね?それを“いつも飲んでいるもの”や“自分の好きなのもの”を瞬時に見分けるための文字やマークなのです。別に私たち消費者は、自分の好きな飲み物をマーク(品名やロゴ)で認識できれば良くて、会社名までは知らなくてもいい。そういう“目印”になるのが「商標権」です。


#商標と創作を保護する権利の大きな違い

「特許権」「実用新案権」「意匠権」の三つは創作を保護する権利といわれ、発明やデザインのアイデア自体に価値があるのが前提ですが、「商標」はこの三つとは少し異なり、「いい名前考えた、だから権利だ!価値がある!」という発想ではないんです。商標の場合は、いい名前かっこいい名前を考えたとて別に大した問題ではなく、それを使ってブランド化するということが重要なのです。

例えば、新しい飲料(緑茶)が発売された時、最初は名前に違和感を感じたり馴染みがないことはありませんか?でも、飲んでみて良いと思ったり、宣伝をみてかっこいいと思ったりして世間で評判が上がっていくと「おいしい緑茶の名前だよね」と認識されていき、名前の価値が上がっていきます。使われて初めて価値が出てくるのが商標なので、他の三つとはちょっと違うところです。


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株式会社IP-RoBoは商標調査AIツール【TM-RoBo】を開発・販売しており、現在、会社のコアメンバーとなる新規メンバーを募集しております!商標調査や知的財産への知識がなくても大歓迎ですので、少しでもご興味をお持ちいただけましたら、是非一度カジュアルな形でお話ししましょう!

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