政治家と働くってどういうこと?
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「政治家と働く」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?
堅そう、怖そう、偉そう——そんなイメージを持つ人も多いかもしれません。
私たちは日々、国会議員から地方議員まで、様々な政治家と仕事をしています。実際のところ、どんな感じなのか。少しお話しします。
意外と「普通の人」
まず最初にお伝えしたいのは、政治家も「普通の人」だということです。
もちろん、テレビで見るような大物政治家もいます。でも、多くの政治家は、地元のために働きたいと思って立候補した、真面目で熱心な人たちです。
打ち合わせでは普通に雑談もしますし、冗談も言います。今どき、料亭政治など、存在しませんし、もはや都市伝説です。そもそも、「先生」と呼ばれることに慣れていない新人議員もいます。緊張して構える必要はありません。
ただし、独特のルールがある
とはいえ、政治の世界には独特のルールや慣習があります。
たとえば、スケジュール。政治家のスケジュールは、急に変わることがあります。国会の日程、地元の行事、支援者からの急な依頼——様々な要因で、予定が直前に変更されることは珍しくありません。
また、守秘義務は絶対です。選挙の戦略、支援者の情報、政策の内部検討——これらは決して外に漏らしてはいけません。SNSで「今日は○○議員と打ち合わせ」などと投稿するのは当然NGです。一般に求められる以上の保秘が要求されます。
公選法(公職選挙法)の知識も必要になります。何が選挙運動に該当するのか、何をやってはいけないのか。入社後に学んでいただきますが、「知らなかった」では済まされない世界です。
「先生」との距離感
政治家のことを「先生」と呼ぶ文化があります。明治時代に議員の住み込みの書生が政治を教わる立場として呼んだのが始まりで、尊敬と親しみを込めた敬称として定着したためですが、もはや議員の住み込みの書生も都市伝説です。それでも「先生」と呼ぶ文化は無くなりません。
最初は違和感があるかもしれません。でも、これは単なる慣習であり、上下関係を示すものではありません。私たちはクライアントとパートナーの関係です。言うべきことは、きちんと言う。それがプロフェッショナルとしての姿勢です。
実際、私たちが価値を発揮できるのは、政治家が気づいていないことを指摘できるからです。「先生、この戦略では厳しいと思います」「このメッセージは有権者に届きません」——そういうことを率直に言える関係性を築くことが大切です。
遠慮ばかりしていては、良い仕事はできません。
やりがいは「ダイレクトに届く」こと
政治家と働く醍醐味は、自分の仕事がダイレクトに届くことです。
大企業で働いていると、自分の仕事が最終的にどう使われているのか見えにくいことがあります。でも、私たちの仕事は違います。
自分が作った動画を、政治家がSNSで発信する。自分が考えたキャッチコピーが、ポスターに印刷される。自分が分析したデータが、選挙戦略の根拠になる。
そして選挙の日、自分が関わった候補者が当選する。あるいは、落選する。
結果がはっきり出る。自分の仕事の意味が、明確にわかる。これは、他の仕事ではなかなか味わえない経験です。
「普通の会社」では会えない人と会える
もう一つの醍醐味は、普通の会社では絶対に会えない人と仕事ができることです。
国会議員、知事、市長、地方議員——ニュースで見るような人たちと、直接やりとりをする。時には、政策について意見を求められることもあります。見せ方であったり、SNSの配信であったり、演説の仕方であったり、そういった一挙手一投足をアドバイスしていくこと、特に20代、30代のうちから、そういう経験ができる仕事は多くありません。
向いている人、向いていない人
正直に言えば、向いていない人もいます。
政治家との仕事は、時に理不尽なこともあります。急なスケジュール変更、細かい修正依頼、選挙前の緊張感——ストレス耐性は必要です。
また、政治的な中立を保てない人には向いていません。自分の政治信条を仕事に持ち込む人、特定の政党を批判せずにいられない人は、この仕事には向いていないでしょう。
逆に向いているのは、好奇心が強い人。政治家一人ひとりに、それぞれの人生とストーリーがあります。それを面白がれる人は、この仕事を楽しめると思います。
興味があるなら、飛び込んでみてほしい
「政治家と働く」と聞くと、ハードルが高く感じるかもしれません。
でも、必要なのは特別な経験ではありません。政治や選挙の知識は、入社後に学べます。大切なのは、新しい世界に飛び込む好奇心と、誠実に仕事に向き合う姿勢です。
興味があるなら、まずは話を聞きに来てください。