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【部門責任者インタビュー】“品質第一”を掲げ、常光ブランドを世に送り出す仕事

病院・臨床検査の世界で高い評価を受けている常光の医療機器メーカー事業。静岡県の菊川工場に拠点を構え、常光ブランドの医療機器を生産し、送り届けているのが製造部門です。

今回は、製造部部長の吉繁に仕事内容ややりがいを教えてもらいました。

▼略歴
医療機器メーカー事業製造部門 部長 吉繁
地元静岡県の工業高等学校機械科を卒業後、常光へ新卒入社。東京技術研究所での勤務を経て、菊川工場の新設とともに静岡へ帰郷する。現在は製造部門の責任者として、常光ブランドの医療機器を提供し続けている。

※本記事に記載の所属・内容については公開時点のものです。

地元静岡の菊川工場で積み上げた「ものづくり」のキャリア

ーー本日はよろしくお願いします。現在、製造部の部長を務められていますが、もともと「ものづくり」のお仕事には興味があったのでしょうか?

そうですね。子どもの頃はよくプラモデルを作っていました。とくにガンダムが流行していたので、いわゆる“ガンプラ”には夢中でした(笑)。オートバイや車のプラモデルを自分で改造したこともありましたね。

地元の工業高等学校の機械科に進学し、学生時代から漠然と「製造の仕事に関わりたい」と考えていたと思います。

ーー常光へは新卒入社したんですよね。入社の決め手を教えてください。

静岡の西部は自動車やオートバイなどの工場製造業が盛んな地域です。そのため、私の母校にもさまざまな求人票がきていました。その中の一社が常光だったんです。

いわゆるライン作業ではなく、常光の精密機器をじっくり作り上げていくというスタンスに惹かれました。医療分野というのも新鮮で「やってみたい」と思ったのが、きっかけでしたね。

ーー入社後はすぐに菊川工場に配属になったんですか?

入社当時、工場は建設中で、実際に菊川工場に配属になったのは、入社後1年ほど経った頃でした。

なので、入社してすぐは寮暮らしをしながら、川崎市にある東京技術研究所で働き始めたんです。

1か月間の合同研修を経て、現場でのOJTを中心に仕事を覚えていきました。自社製品の部品を機械を使って加工したり、サプライヤーから納品された加工部品が図面通りの寸法になっているかを確認したり。そんな仕事をしながら図面や測定機器の取り扱い、機械部品作りを覚えていきました。

ーー入社後、とくに印象に残っているお仕事はありますか?

3か年計画を作成して、中長期的な施策を回していく活動に会社全体で取り組み始めた時のことは印象に残っていますね。

その計画の一つに「医療機器に特化した国際規格ISO(国際標準化機構)13485」の取得がありました。医療機器は用途に応じてクラス分類されていますが、クラス分類の高い製品に対して「当時、改正された規格に適合する為の検査体制を確立」という課題をクリアしなければいけなかったんです。なかなかうまくいかず、正直挫折しかけたこともあります(笑)。

しかし、諦めずに今一度見直して方向転換しようと、情報を集めるところからリスタートを決意しました。経産省などにもさまざまな規格があるので、それらの規格を遡っていくことにしたんです。

ついには医療機器に関わる工業会の理事の方に辿り着いて、直接お電話させていただいたこともありましたね。集めた情報の中から解決の糸口につながるものも見つかり、大変な思いをしながらも得られたものは大きかったです。

最初の方針に固執せずに落ち着いて周囲の意見を聞いて、方針を見直す大切さを教わった出来事でした。

製品を送り出すことで「患者様の役に立てる」やりがい

ーー製造部門の組織について教えてください。

正社員と契約社員、さらにパートタイマーやシルバー人材の方を合わせて30名ほどの組織です。

40〜50代の方が中心となり、60代のベテランの方々にもお力を借りています。さらに、直近2年は新卒採用も強化しており、徐々に若いメンバーも集まっていますね。幅広い年齢層のメンバーが活躍中です。

個人ワークではなくチームプレイで仕事を進め、活発なコミュニケーションが行われています。メンバー同士、愛称で呼び合うこともあり、和気藹々とした雰囲気の職場です。

ーー医療機器の製造にはどのようなプロセスがあるのでしょうか?

製造部では、装置をはじめ、測定成分に反応する電極や専用試薬、当社の装置に特化した採血管など、多岐に渡る製品を製造しています。

装置製造を例とすると、まずは部品調達に必要な発注マスタの確認を行います。マスタに記載された各部品や図面が最新版であるかを確認し、部品調達の開始です。さらに、調達した部品を二次加工に出す工程も必要になります。

部品を調達する際には納期やコスト面を検討するため、相見積もりを取って業者を決定したり、新しいサプライヤーを開拓するなどの購買活動も行っています。

無事に部品が入荷されて作業順に部品を配膳した後は、作業員が必要な部品を出庫して作業開始です。ユニットなどの部分毎の組立からはじまり、機械のシャーシ(枠組み)に各ユニットを組み込んで、本体を作り上げていきます。

その後、ユニット同士の位置関係の確認・調整を行い、電源を入れて各基板やケーブルのチェックをするんです。規定通りに電圧・電流が出力されるか確認するわけですね。

機械が動く状態になったら、モーター等の駆動部分がスムーズに動くかといった動作確認を行い、センサー位置や駆動範囲を調整します。さらに、実際の検体サンプルを用いて機械から抽出されたデータの値が規定されたものであるか、精度にばらつきがないか確認していくんです。

そして、同梱する付属品をチェックし、装置本体の清掃・ラベリングを行ったら梱包をします。これでようやく機械を世に送り出す準備が完成するんです。

装置以外の製品でも、部材調達からはじまり、規定の性能が担保できているか確認したうえで、ラベリング・梱包と進める点では、同様のプロセスとなります。

ーー製造にあたって大切にしていることを教えてください。

「初期不良をなくすためにはどうすべきか」は日々考えていますね。そのために必要なのは、ヒューマンエラーを極力減らせるプロセスの運用です。

「ミスをしない」という意識を個々人が持つことは大事ですが、決して「人頼り・人由来」にしてはいけません。きちんと手順・方法といった仕組みに落とし込むことが重要です。

そのため、製品検査段階のチェック内容は非常に重要視しています。このチェック項目を網羅することを大前提として、作業に必要なノウハウがきちんと図面・指示書に反映されているか、そもそも人がエラーを起こしにくい設計になっているかなどを確認しています。

その結果、設計上改善すべき点がある時は開発部へ「設計検討依頼」を出して、品質への改善を依頼しているんです。

また、働く環境としても安全衛生管理を徹底しています。製造や検査によって従業員に危険が伴うことがないように会社の設備も十分気をつけていますね。

ーーお仕事のやりがいを教えてください。

やはり自分たちが作ったものが「医療施設を通じて、患者様の役に立っている」という社会貢献性の高さはやりがいになっています。

また、ご紹介したように製造には多くの工程があるので、無事に出荷した時には大きな達成感を感じますね。

積極的な提案を歓迎し、全員で良いものを作っていきたい

ーー今後の目標を教えてください。

お客様に喜んでもらうためには「品質の担保」が一番です。

繰り返しになりますが、品質担保には「ミスの起こらない手順・方法」と「十分な設備」、それから「教育体制」が必要となってくると思っています。

これらを充実させて、品質を担保できる仕組みやシステムの構築が製造部の目標です。

加えて、性能はもちろん外観の美しさにもこだわりたい。より良いものを作りたいというプロフェッショナル意識を全員が共通で持てるような文化を醸成していきたいですね。

今後は世界的な部材の遅延・不足が問題となってきます。良質な製品を作り続けるためには、さまざまな部品の情報収集や海外サプライヤーとのネットワークの強化が重要です。

部材調達が安定すれば、必要なタイミングで生産を開始できますし、余裕を持った製造スケジュールを組めます。納期逼迫がなくなることで品質低下を回避でき、従業員の働き方も良いものになるでしょう。部材の確保には、先手先手で動いていきたいですね。

ーー採用メッセージをお願いします!

ものづくりに興味関心があり、一つひとつの製品をじっくり作り上げることに喜びを感じる方や、これからものづくりに挑戦したい方は大歓迎です。

常光は社歴や年齢に関係なく、積極的な提案を歓迎して現場に反映できる会社だと思います。自分が思いついたアイデアによって目に見えて生産数が上がったりすると喜びも格別です。

チーム全員で達成感を味わえる体験がしたいと思ってくれる方が仲間になってくれたら、非常に嬉しいなと思っています。

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