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若手ディレクターのためのディレクション講座-第2回「提案向けの伝わる書き方」

今回も、ジュニで実際に実施した、若手(新卒〜3年目想定)ディレクターのための制作ディレクションスキル講座を紹介します!

第2回目は「提案向けの伝わる書き方」です。

ディレクターであれば、日々の業務上で文章を書かないということは先ずないと思います。みなさんは、いつも相手に伝わる書き方、できてますか?

もしあなたが書く文章が自分に向けた日記ではないのなら、自分以外の誰かにきちんと「伝わる」ことが必須です。
特に、クライアントに向けた提案においては「伝わる」上で、さらに読み手の「心を動かす」ことが重要になります。

ポイントを抑えて、もっと「伝わり、心をうごかす」書き方にしていきましょう!


1.書く前に意識、確認すること

いきなり書き始めるのではなく、ポイントをまずはおさえましょう!

POINT
・伝える内容のゴールを決める
・誰に向けたもので、どんなシチュエーションで読まれるのか理解する

■伝える内容のゴールを決める。

まずはこれから書く内容のゴールを決めましょう。
読み手に何を伝えたいのか、それがゴールになります。

企画提案をクライアントにするのなら、企画のコンセプトや意図が伝わり、「実施してみたい!」とクライアントの心を動かすことがゴールです。

■誰に向けたもので、どんなシチュエーションで読まれるのか理解する。

次に、誰に向かって書いているのか正しく意識しましょう。

誰に向けたどんなシチュエーションで読まれる文章なのかによって伝え方が変わってきます。
例えば「クライアント向けの提案文章」などのざっくりした粒度ではありません。

クライアントと言っても…
・担当者レベルが打ち合わせで読む資料
・かなり仲の良い担当者とのチャットでの文章
・クライアントの社内で回覧される資料
・HPに公開して、誰の目にもつくレポート

さらにそれぞれが全く違うシチュエーションで読まれるため伝え方が変わってきます。

伝え方のバリエーション例
・多方に向けては丁寧語
・クライアントや目上の人に向けては謙譲語・尊敬語
・友達や仲間に向けた崩した話言葉
・他業種、一般に向けるなら業界の専門用語は使用しない。または補足する

例えば業界の専門用語を使わずに、クライアントに伝えたい場合

「4マスの代表であるテレビCMからネット販売のコンバージョンへ繋げるには。」

「いまだに人々が目にする時間の多いテレビCM。そのCMを見た人が思わずネットで検索して、すぐに買いたくなってしまうようなCMにするには。」

というようにいくらか補足するような文章にすることで、より間違って伝わらないように言語化することができます。

いま自分が書いている文章が読まれる時は、どんなシチュエーションなのか正確に理解して独りよがりでない文章を心がけましょう!


2.書き始めたら

残念なことに、仲の良い友人、家族や交際相手でない限り、あなたの書いた文章は読まれません。文字や文章は読むこと自体が大概面倒なものなのです。クライアントであれば尚更、仕事の時間を奪うことになる文章は読まれないと思った方が良いでしょう。

それでは、提案にはどんな文章を書くべきなのでしょうか?

POINT
・ストーリーを持たせる。
・文章を無駄なく簡潔に。

■ストーリーになっているか?

心を動かすには、「ストーリー」である必要があります。これは、物語を作るということではなく、その文章自体が、読みすすめるための順序を持っている必要があるという意味です。
資料も文章も、ストーリーを持たせることで、読み手の心を動かし、アクションにうつしてもらえます。その際忘れてはいけないのは、書き始める前に決めた「ゴール」です。その決めた「ゴール」に向かって書いていきましょう!

提案資料などは例えば小説や演劇などでもちいられる、「起承転結」「序破急」の型に落とし込むとストーリーがつくりやすく、おすすめです。

起承転結
起…企画の必要性提起(現状分析、与件の整理)
承…企画の説明(コンセプト、アイディアの方向性について)
転…企画実施の意思決定を則す説明(企画の具体案、他社での実施事例、企画実施時の競合との優位性)
結…企画の進め方(スケジュール、予算)
序破急
序…企画の必要性提起(現状分析、与件の整理)
破…企画の説明(コンセプト、アイディアの方向性について、各案の具体策)
急…企画の効果(企画実施時の競合との優位性、課題解決の説明)

◎企画書は箱から作り、後から肉付け。最初にページネーションを先に作って、後から内容を埋めていくと最後まで効率的に企画書を作ることができます!

■文章を簡潔にする

読み手が承知していることを文章で繰り返さない
たとえば、クライアントにとってすでに知っている情報が多い提案書は、クライアントにとって有益とは言えません。

資料で報告、提案をする場合

<例1>
✕ これからキャンペーン実施の報告をしたいと思います。

文章を読んだクライアントが思うこと
これから (いつ?文章テキストにする意味ある?)
キャンペーン実施の報告を (表紙に書いてあるよね?)
したいと (したい=希望?しなくてもいい?)
思います。(思う?=個人的な希望?)



○ 短期CPとして予想以上の効果が実現できたことを報告いたします。


<例2>
✕ 貴社より●月に発表された新商品「●●」の広告の提案をまとめました。

文章を読んだクライアントが思うこと
貴社より●月に発表された (発表した側だから知ってる)
新商品「●●」の広告の提案を (提案しろと言ったので知ってる)
まとめました。 (何を?何のために?)



○ 「●●」の特徴である「xxx」を活かしたプロモーションプランを提案いたします。

読み手にとって意味のある、読む必要性を感じられる文章にしましょう。

◎文章は原則として同じ表現を2回繰り返さないようにするのも簡潔にするポイントです!


3.書いた文章を見直そう

伝えたいゴールをストーリーに乗せて書いたつもりでも、同じ言い回しの繰り返しなどで伝わりにくくなっているかもしれません。文章を作成した後は必ず見直しましょう。

POINT
・独りよがりな表現になっていないか
・簡潔に読み手が楽しめる内容になっているか

■独りよがりな表現になっていないか

表現の揺れや、誤解を生ませるような項目や章タイトル、表現を使っていませんか?

×表現1
プラン(1)方向性A案の●●バージョン

クライアント側に立つと、上記のような項目や章タイトルは不親切です。
この入れ子のような表記は非常に複雑で、パッと頭に入ってきません。

×表現2
案A「ピンクバージョン」案B「ぷるぷるバージョン」

他にも、奇をてらってインパクトを残す目的になってしまったり
独りよがりな表現になってしまっている場合があります。

シンプルにわかりやすく簡潔な表現を心がけましょう。

さらに資料の文章が読み手の効率や、楽しめる、理解しやすい形になっているかを考えて読み返しましょう。

いかがでしょうか。

代表の岡村はさまざまなクライアント、商材、サービスの企画提案を、さまざまなシチュエーションでこれまで年間平均50回以上行い、成果を出してきました。また、このノウハウはクライアントだけでなく、文章を届けたい全ての対象に通じる手法でもあります。

手法の他に大事なこととして、下記のようなことも挙げられます。

・日々ニュースやメディアを見て。コンテンツを浴びる努力をする。(話題の引き出しを増やす)
・書いたものは声に出して読み直す。自分で読んで面白いかチェックする。
・自分なりに課題をつくり、より多く書く経験を積む。

「文章の読み手は、貴重な自分の時間を使って、テキストを読まされている。」
「書き手は、読み手の時間を奪って読んでもらっている。」

この気持ちを持ちつつ、以下の点から読み手を思いやる文章を心がけましょう!

・読み手の効率
・読み手がストーリーを楽しめるか
・読み手が理解しやすい形になっているか

以上、「提案向けの伝わる書き方」でした!

今、ジュニでは若手ディレクターの育成を強化中です。
毎週ベテランディレクターが過去事例を踏まえながら具体的にテーマにそって講義を行なっています。実際の実務を積む中で理解していくのも大切ですが、先人の知恵や知見を事前に知ることで経験がより深く身についていきます。

次回もご覧ください!

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