一昨年、2014年度グッドデザイン賞大賞候補に、東北食べる通信がノミネートされました。応募総数3500件の内、大賞候補に残ったのは9件。他の候補は、ソニー、ヤマハ、無印良品、デンソーなどの横綱級。そんな中に、我々のような創業1年目のベンチャーNPO(当時の社員は私含め3名)が選出されたのは驚きでした。リッツカールトンホテルで行われた最終プレゼンテーションの結果、うちは2位。1位のデンソーさんの医療用ロボットとの差が僅差だったため、うちとデンソーさんによる決選投票になりましたが、結果は、ご覧の通り。残念でしたが、グッドデザイン史上に残る前代未聞の快進撃だったと言われました。一体、何か評価されたのか。それは、雑誌のデザインもさることながら、食べる人とつくる人の関係性をデザインした、そのことを高く評価してもらったのでした。そう、食べる通信は、希薄になってしまった人間と人間、人間と自然との関係性、つながりを、「食」を通じて取り戻そうという試みなんです。そうして、都市と地方を結び、新しいこのくにの形をデザインしていく。そんな大きな志を掲げています。
特定非営利活動法人東北開墾
・食べ物つき情報誌「食べる通信」の発行 食べる通信とは? 「食べる通信」は、食のつくり手を特集した情報誌と、彼らが収穫した食べものがセットで定期的に届く“食べもの付き情報誌”です。さらに特集されたつくり手と直接つながる様々なしかけも。つくり手のライフストーリーと共に、食べものをいただく。ごちそうさまを伝える。そんな新たな食体験をお楽しみいただくサービスです。 食べる通信の特徴は、通販など、食材にそえてパンフレットがついてくることがありますが、これを逆転。生産の裏側のドラマをつたえる「情報誌」がメインの食べ物つき情報誌であることです。自然にはたらきかけ、命の糧をえる農家、漁師の生き様を深く知りながら彼らが育てた食べ物を味わう体験が大きな共感をよんでいます。また読者限定SNSなど顔と顔が見える関係で読者同士・読者と生産者が交流する「コミュニティサービス」であることも特徴となっています。 ・食べる通信の全国展開 2013年7月に創刊した「東北食べる通信」このコンセプトは大きな反響をよび、全国から創刊希望の声が続出。2014年より創刊支援団体として「日本食べる通信リーグ」を設立。いまや26地域から創刊、全国での読者は6000人に達しました。「日本食べる通信リーグ」は、新規開拓、創刊チームのサポート、プラットフォームの構築など全国へ「食べる通信」を広げる取組をおこなっています。 ・「CSA(Community Supported Agriculture)」 規格にそった作物を、大量生産することを求められてきた農村漁村。ですが農産物も水産物も年々買取価格が下落し極端な高齢化・担い手不足にも出口はみえません。生産者と消費者が直接つながり、価値をみとめた食べ物を直接流通する仕組みを構築することで、こだわりの生産を続ける生産者が生き残る道を切り拓く。2016年は新規事業として新しいweb販売プラットフォームを構築します。