「欧州の知性」と称えられたE.Fシューマッハー『スモール イズ ビューティフル』より

近代の思想・科学・技術によって形成された社会は、3つの危機に同時に曝されている。
第1に、人間の本性は、非人間的な技術と組織の中で、窒息し衰弱している。
第2に、人類の生命を支える環境は痛めつけられ、崩壊しつつある。 
第3に、経済に不可欠な、再生不能な資源(特に化石燃料)の枯渇は眼前に迫っている。

この根源は、物質至上主義と巨大技術信仰、そして貪欲と嫉妬心に他ならない豊かさの追求、であると。前時代の文明は、自然との調和・身の丈技術・節欲勤倹の倫理観により、永続性を保証されていた。 現今の際限のない膨張主義は、自然・資源の両面から自然を暴力的に破壊・汚染する一方、人間の自由・尊厳を蝕み、人間疎外を生む。 技術と組織の枠組みを変え、新しい生産と消費と生活のシステムを作り、健康と美と永続性を持つ経済にせねばならない。 人間経済システムは自然生態システムと表裏一体である。 量よりも質、人間活動とともに、その前提と成る自然との代謝関係を重視。彼はインドや仏教などの東洋の叡智に多大な共感を持っており、「仏教経済学」という考えも提唱した。現代は、先進国の一部では飽食の時代だが、人類の歴史の99.8%ほどは飢餓の歴史であったという。いくらでも蓄えたい、と言う本能が底にある。そして又、人間の欲望は社会を拡大・進化さす原動力の一つでもあった。しかしそういう本能や欲望の為すがままでは地球は破滅する。それは今では明らかであるが、それを踏まえて行動して居る人々と、それに目をつぶっているか・目に入らない人々が居る。知恵と勇気と行動をもって、環境と調和し・足るを知り・自制しなければ取り返しのつかない事になる。人類が、宿主(地球)が死滅するまで増殖して食い尽くすウイルスと同じであってはならない。

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