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ユーザーにとって「良い」ものを、集合知として生み出す。勤続10年のエンジニアが語る、心地よさの正体

カンムには、ユーザー目線で議論ができるエンジニアが数多く存在します。フロントエンドエンジニアの岡田正彦もそのひとりです。5人目の社員として入社して10年。主力プロダクト「バンドルカード」開発者でもあります。

「良いものを楽しくつくる」がモットーの岡田に、ものづくりに対する考えやカンムで働く醍醐味について聞きました。

スタートアップの不確実性に惹かれて入社。初期から自社プロダクトの開発を支える

──まずは、これまでのプロフィールについて教えてください。

岡田:新卒時は、ある程度形の出来上がったベンチャー企業にバックエンドエンジニアとして入社。学生時代に学んだPythonを使用しながら自社サービスの開発や運用を担っていました。

入社4年目となり「別の世界を見てみたい」と転職を決意したものの、大した活動もしないまま、退職日に。その翌日、“無職の新郎”として結婚式を挙げたのはある意味忘れられない思い出ですね(笑)。

カンムを知ったきっかけは、代表の八巻から直接連絡をもらったこと。当時、彼はSNS経由でエンジニアをスカウトしていたんです。

2013年当時のカンムは、設立してまだ2年のできたてほやほやの会社。ランチをしながら、八巻から事業のことなどを聞き、その後オフィスに遊びに行ってメンバー全員と話をしました。八巻や知久(現COO)をはじめとした当時のメンバーの雰囲気も良く「このメンバーとは楽しく開発ができそうだ」と直感的に思った覚えがあります。また当時20代の自分は「この先何が起こるかわからない、将来がイメージできない会社」であることにも惹かれましたね。不確実なほうがおもしろいと思っていた気がします。

──カンム入社後はどのような業務を担当してきたんですか。

岡田:入社してしばらくは、旧サービスの開発にバックエンドエンジニアとして関わりました。2016年からは「バンドルカード」の開発や運用の担当に。今はフロントエンドエンジニアとして、iOS、Android両方のアプリ開発をメインに行っています。React Nativeを利用しているため、コードはTypeScriptで。その他、LP、自社メディアの保守なども並行して行っています。

アプリ開発チームは4名。交通整備をするエンジニアリングマネージャーがいるものの、基本的には明確な役割は設けられていません。プロジェクトがスタートしたら「意見を言う」「プロダクトをつくる」「メンテナンスする」というプロセスを各自がきっちりとやり遂げる。そのために、チームで協力し合うスタイルですね。

品質と速度のバランスを取りながら「良いものを楽しくつくる」

──プロダクトを開発していくなかで、日々意識していることは何ですか。

岡田:スピードを重視しつつ、着実な開発プロセスを踏んで、品質を担保することでしょうか。金融ドメインなのでセキュリティにももちろん気を配りながら。

速さを優先しすぎると致命的なミスを犯す可能性も高くなる。一方で少しでも早くリリースしないと、機会損失が生じてしまう。開発における普遍的なテーマではありますが、品質と速度のバランスはやはりとても重要ですよね。

少し先の未来を見越して設計や仕様を検討するのも大事にしています。少し見方を変えることで、対象の概念をより深く理解できて、結果的に抜け漏れを減らせると思っています。同じやらなかったことでも、想定外は最小限に、想定した上であえて選択しなかったものは最大にできたほうがより良いですもんね。やりすぎると無用な時間を食うことになるので、ここもまたバランスになってしまいますが、少し考えて済むのであれば考えておきたいですね。

私のモットーは「良いものをしっかり、楽しくつくる」。当初の理想どおりというのはなかなか難しいんですが、様々な制約の中でその時点の最上と思える選択ができて、良いと思えるコードですっきり実装できたときにはささやかな喜びを感じますね。

──「良いものをつくる」というのは全社の共通認識だと思うんですが、その具体はプロジェクトごとにメンバーで合意形成して進めているんですか?

岡田:そうですね、前提となる事実をもとに個々が良いと思うものを意見し合いながら、それが集合知となって最終的に良いものができあがるという流れですね。最近はあまりないですが、バンドルカードの開発初期などは意見がぶつかり合うことも何度かありました。

よく覚えているのは、白熱した議論の真っ最中に、知久がパッとオフィスから出ていって、しばらくしたらチョコレートを手にして戻ってきた場面。お互いちょっと白熱しすぎたことを反省しつつ、甘いものを食べて一度ほっこりしてから再び議論に戻る……(笑)。初期のこういうやりとり、一つひとつがカンムのカルチャーの礎になっているのかもしれません。

時にはユーザー目線で意見も。ここには建設的な議論ができるカルチャーがある

──カンムに入社してから10年が経ちました。前職に比べてかなり長く在籍されていると思うのですが、その理由は何だと思いますか?

岡田:先ほどもお話しした「良いものをしっかり、楽しくつくる」が叶えられる場所だから、でしょうか。

個人的には、何事もれっきとした目的があって、プロセスに筋が通っていて、そのなかで最上のものができればOKだと思えるタイプ。自分のやり方や、つくる対象に対してあまりこだわりはありません。

カンムの良さは、とことん議論しながら、関係者全員が納得できる形への落とし込みができること。考えたことをひたすらぶつけて、ぶつけ返してもらうやりとりを、社内では「ぶつかり稽古」と呼んでいます。お互いに「そういう意見もある」と相手を尊重しながら自分の意見も伝えられる人が集まっているので、建設的な議論ができているのだと思います。

憶測で判断しない「事実と向き合う」カルチャーも寄与していると思います。エンジニアをやっていると至極当然の考え方ではあるのですが、全社的にこの考え方が浸透していることで、議論しやすい雰囲気になっているのかもしれないですね。

──先日実施した「バンドルカード」の「友だち招待キャンペーン」について、担当ではなかった岡田さんが、企画段階から積極的に意見を出していたのがとても印象的でした。

岡田:あのときは……確かにそうでしたね。いにしえのキャンペーンをいにしえの仕様のまま復活させようとしていたので、当時を知る“生き証人”として思わず声をかけてしまいました(笑)。

このキャンペーンは2017〜2019年頃に実施され、他施策との兼ね合いや不正対策のオペレーションコストなどを考慮して終了となったものでした。過去に実績があり、仕組みもある程度残っていたことから、クイックに実施できそうな施策として白羽の矢が立ったようなのです。ただ、クイックさを優先するあまり、伸びしろのある状態になっているように見えたので、過去の経緯を説明しつつ立ち止まっての再検討を勧めたんですよね。

例えば、以前の仕様は「招待した側のみに残高をプレゼント」というものだったのですが、「招待された側にも還元することを検討しませんか」と提案したりしました。そもそも当時の仕様は外部制約によってやむを得ず設定されたもので、今現在それが適用されるかも不明でした。当時と今では訴求対象も異なるはずなので、せっかくやるなら、よりユーザーが喜んでくれるような、反応してくれるような内容で、なおかつ参加してくれたユーザー双方がWin-Winになるようにしたいなと。

その後、関係者でさまざまな議論や調整がなされ、最終的には「招待した側と招待された側、双方に残高をプレゼント」という形に落ち着きました。

プロダクトだけでなく、キャンペーンやイベントも外に出れば“会社の顔”になります。プロダクトに関わる全員が職種や役職に関わらず、建設的に意見を出し合って、その時々に合わせた最良の策をつくりあげるカルチャーがカンムにはあると思っていますね。

……と、良い話風にまとめていますが、そもそも過去の経緯や成果がもっとわかりやすい形でまとまっていれば、最初からスムーズに進められていたかもしれません。基本的に社内のほとんどのことはドキュメントに残されていて辿ることができるのですが、最初期のことになるとどうしても整備しきれていないものが出てきてしまう場合もあります。当時のことはだいたい当事者なので、その未整備の罪に対して声かけをすることで罪滅ぼししているところもあるかもしれませんね……(笑)。

良い雰囲気のなかで、堅くなりすぎず開発にまい進していきたい

──最後に、今後やっていきたいこと、目指していきたいことを教えてください。

岡田:良いプロダクトを品質良くユーザーに届けるために、さまざまな知識を吸収して、ものづくりに還元させていく。このプロセスを楽しく繰り返していけるように生きる。これに尽きると思います。

カンムに入社してから、早10年。事業や組織が成長して、会社としてのフェーズも上がりました。環境の変化とともに、態度や性格が変わってしまう経営者もいると思うんですが、八巻は出会ったころからずっと独特なゆるい雰囲気が変わってない気がするんですよね。

だから会社の雰囲気も良い意味であまり変わらず安定しているんじゃないかと。

この場所で引き続き、堅くなりすぎずに開発にまい進していきたいですね。できればちょっとふざけながら(笑)。

──岡田さん、本日はありがとうございました!


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