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観光庁が公表した2017年の宿泊旅行統計調査によると、青森県内の外国人延べ宿泊者数(速報値)は前年比60・3%増の23万9150人となり、07年の統計開始以降で最多を記録した。青森空港の国際便の充実などで中国や台湾からの観光客が増え、伸び率は全国トップ。宿泊客数は宮城県を抜いて初めて東北1位になった。増加するインバウンド(訪日外国人旅行)を受け、県は宿泊施設など受け入れ体制の整備を進めるほか、マナー向上などの意識啓発にも力を入れる方針だ。

統計調査は従業員10人以上の宿泊施設が対象。外国人延べ宿泊者を見ると、東日本大震災が発生した11年に2万7600人と最低に落ち込んだが、その後は右肩上がりに増加。13年は5万7130人、15年は10万9900人、16年は14万3590人と順調な伸びを見せている。

国・地域別では、台湾が前年比1・5倍の7万8420人と最多。元々、県産リンゴの最大の輸出先で親日家が多いことに加え、17年11月から青森空港と台湾・台北を結ぶ定期チャーター便が就航したことなどが宿泊者数を押し上げた。

2位は中国の6万2990人で前年比3・7倍と大きく伸びた。17年5月から青森空港と中国・天津を結ぶ国際定期便の運航が始まったことが主な要因。3位の韓国は前年比1・2倍の2万9910人、米国が前年並みの2万10人など。

県誘客交流課によると、弘前城や十和田湖、奥入瀬渓流などが人気を集めたといい、雪を生かした観光コンテンツづくりなどが一定の効果を上げたとみられる。

一方、今年に入って八甲田山系の樹氷がスプレーで落書きされ、ミャンマー人の男が逮捕される事件が発生。同課は「日本の生活文化の普及やマナー向上への意識啓発にも取り組まなければならない」としている。