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【アフリカスタートアップ訪問記②】スタートアップ転職前に、アフリカのファウンダーと出会って得たもの~ケニア・総括編~

こんにちは!12月にケップルに入社した多田と申します。

Kepple Africa Ventures(以下KAV)の協力のもと、入社前期間にアフリカのスタートアップを訪問させていただきました。前回のエジプト・ナイジェリア編に続き、今回はケニアの首都ナイロビでの経験、旅全体を通して感じたことを紹介していきます。(↓前回の記事です)

今回のカバー写真はアフリカ人によるアフリカ人のためのゲーム制作会社Usikuのオフィスで、右手に見えるのが滑り台、残念ながら写真には入っていないですが、壁にはゲームのキャラクターがデザインされていたりと、遊び心満載のオフィスです。多様なスタートアップの仕事場を訪問して雰囲気を感じるのも楽しみの一つでした!


〈落ち着きと心地よさを備えたグローバル都市 ナイロビ〉

最後に訪れたケニアは世界銀行によると2020年の人口は5,377万1,300人、GDPはUSD988億米ドルの国です。ナイロビは植民地時代から東アフリカの経済の中心地として栄えており、そうした経緯もあってか多くの外国人が居住するグローバルな都市となっています。高台に位置した比較的冷涼な気候のもと、濃い青空に、深緑の木々、そして赤土と色濃い街並みは、カイロ・ラゴスから入るとギャップがありますが、慣れれば暮らしやすい環境です。

さて、スタートアップに話を戻すと、今回は複数のヘルスケア関連企業と面談の機会を持つことができ、保険・病院といった基礎的な医療サービスにおいて非効率が生じていた部分をスタートアップが大きく改善し、救命・生活改善に直結していることを実感しました。救急車等の緊急車両のマッチングにより、救急車が来るまでの時間を短縮するFlare、医師を派遣して出張検査を行うTibu、慢性疾患の遠隔診療と当該データの活用により保険コストを低減するAntara Health、メンタルヘルスのオンラインセラピーを提供するWazi。これらヘルスケアスタートアップがサービスを展開するにあたって、B2B2Cすなわち顧客を獲得するために企業との連携がカギとなっており、FlareはUberやモバイル会社、保険会社との連携によってボタン一つで救急車をよぶ機能を実装、Antara HealthやWaziは従業員管理の一環としての企業への導入を進めていました。

〈Flare〉


〈Tibu〉


また、病院の買収・ターンラウンドを行い、病院経営の効率化を進めるAHHの運営する病院も訪問し、多くの患者が訪れている様子を視察しました。AHHの病院に関しては、ナイジェリアでも訪問しましたが、導線配置や最新設備、人材の育成・刷新など、随所に工夫がちりばめられていました。

〈AHH Meridian Equator Hospital〉


さて、ケニアマーケットの有名な特徴の一つは、非常に多くの決済がモバイルマネーであるMPesaを通じて行われる点です。

KAVの投資先に、MPesa決済後にサービスの満足度等を調査するAjuaという投資先があるため、せっかくの機会ということで、Ajuaがサービスを提供しているカフェチェーン「Java House」にて、サーベイを体験してきました。

MPesaを通じて会計を行うと、その直後にSMSを通じてアンケートが届きます。Java Houseにおける質問は、①NPS(Net Promoter Score: 友人・家族に勧めるかという観点での0-10評価)、②改善点(自由記述)の二つでした。

これらの回答がJava Houseに提供され、自身のサービスに関する顧客満足度を計測し、改善することができます。また、Ajuaからは他社比較として業界ごとのNPSの推移や、どの要素が満足度に貢献しているかといった分析レポートが出されるため、顧客は同業他社との比較等のインサイトも得られます。

日本では、店舗でのサービスや買い物に関しては現金比率が高く、アンケートは難しかったり、飲食店などでは未だに紙ベースでアンケートが取られていることを鑑みると、モバイルマネーが一般的な決済として普及しているからこそ、タイムリーなオンライン上のアンケートが実施でき、より精緻に顧客像をデータ化できる点は面白いと感じました。

〈Ajua〉


《ナイジェリア vs ケニア》

ここまで、訪問順にそれぞれの国を概説してきましたが、ナイジェリアとケニアは対比としてみるのも非常に面白いです。

まず、インフラの整備。ラゴスでは「ナイジェリアのドバイ」を作ろうとEko Atlanticと呼ばれるエリアを開発中で、実際にその開発は進んでいる感覚はあるのですが、一方で道路の整備などは進んでいない印象です。他方で、ケニアでは来年に選挙を控えているという事情もありますが、中国資本による道路建設が着実に進んでいるという印象を受けました。先にも述べた通り、ナイジェリアのファウンダーは非常にエネルギッシュで、リープフロッグ的なビジネスは生まれやすいと思われますが、他方でたとえばEV/Ebikeの普及など大型の資本を必要とするようなビジネスはすでに道路が整っていて整備も着実にすすむケニアのほうが先行しやすいのでは、と考えました。


また、海外展開をどう見るか、という観点にも大きな違いがありました。

人口・GDPともに大きなナイジェリアでは、国内市場が非常に大きく海外展開する必要性に乏しく、むしろ、リスクのほうが高い。他方、ケニアでは、国内市場が限られる中で、ナイジェリア等他地域への進出が視野に入る。実際、私たちが投資している複数のケニア企業はナイジェリア進出を進めています。人も国も違う中でどうサービスがアジャストされていくのかは非常に楽しみなところです。


《まとめ》

今回の旅行では、政治やインフラ、人々の気質といった前提条件が三か国三様である有様を見てきました。この前提条件のもとで、スタートアップに求められるニーズ、ニーズを受けて生まれて成長するサービス、サービス展開に当たってカギとなるポイントは当然異なるということは肝に銘じなければならないと思いました。

また、こうして国ごとに違う形でビジネスが育っていく中、アフリカのように離れた地域、前提条件が異なる場所に視座を持つことは、日本のビジネスにも刺激・ヒントになりうるものと確信しています。

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