耐震補強工事を専門にしていた私たちが、なぜ旧耐震不動産を再生・運用事業をするようになったのか。
事業に対する思いや事業の詳細についてお伝えしたいと思います!
私たちが、新規事業について検討するなかで、1981年以前に建てられた旧耐震不動産の再生と活用を軸に、新しい建物を建てるのではなく、古い建物を最大限活かして再利用することはできないかと考えるようになりました。
そして、旧耐震不動産の流通促進や活性化を目指し、新たな事業として『REDO』プロジェクトを立ち上げることになったのです。
この事業は、現在、社会問題となっている空き家問題の解決や、循環型社会・脱炭素社会の実現、さらにはまちづくりへの貢献を目指しています
デザイン性だけでなく既存ビルの再生運用といった取り組みも評価され「2024グッドデザイン・ベスト100」を受賞!
プロジェクトの第一弾として、2023年7月にオープンしたのが、複合施設『REDO JIMBOCHO』です。
REDO JIMBOCHOは、1階がインキュベーション型レストラン、2階がアートカルチャー&サロン、3〜5階がシェアハウスとなった複合施設です。
弊社で物件を購⼊、その後、耐震診断・耐震補強工事・リノベーション工事を実施し、その後の運用も手がけています。
1階のインキュベーション型レストラン/現在はフレンチのお店『anneau(アノー)』が営業
2階のアートカルチャー&サロン『Place of Artrio―アトリオー』
3〜5階は国際シェアハウスとして運営/写真は5階の共用リビング
プロジェクト立ち上げ当初は、事業を進める上で必要な専門知識を持った人材がほとんどいなかったため、建築デザイン、不動産経営コンサル等、各分野の専門家の方々に協力いただきながらプロジェクトチームを発足させ、事業を進めていきました。
また、耐震補強工事の部分では、弊社がこれまで培ってきた知識・ノウハウが活かされています。
⼀般的に耐震補強⼯事では、制震ブレースや耐⼒壁を設置することで建物の内部空間や外観、使い勝⼿に影響が出てしまう例が多く見られますが、今回は、まずビルの給⽔⽅式を変更し、屋上の⾼架⽔槽と壁を取り外し、ビル上部を軽量化しました。
上部の軽量化によって、必要な補強⼯事そのものを簡素化することができたのです。
具体的には、耐震ブレースや耐力壁等の補強は不要となり、8本の柱の補強だけで耐震性を担保できたのです。
これは、単に耐震補強工事費用を抑えられただけでなく、工事後の不動産運営にとって、活用できる床面積が減らないという点でメリットになっていると考えています。
海外では100年、200年もの歴史がある建築物を再利用して、美術館やカフェに生まれ変わらせる例をよく見かけると思います。同じように、日本の旧耐震不動産も時代に合った形に再生し、現代や未来に喜ばれる空間として活用できる可能性があると考えています。
私たちが手がける『REDO』プロジェクトを通じて、そういった不動産を世の中にもっと増やしていければと思います!