変わらなかったのは、誰かの「帰る場所」を思うこと
学生のころ、自分が何を仕事にしたいのか、はっきり分かっていたわけではありません。
ただ、知らない場所に行ってみたい。知らない人と関わってみたい。自分の中にまだないものに触れてみたい。そんな気持ちだけはありました。
SEKAI HOTEL Takaokaを知ったのは、大学に届いた長期インターンの募集がきっかけです。「高岡というまちの魅力をカタチにするホテルをつくる」という言葉を見たとき、今までないくらい、心が動いたのを覚えています。
ホテルをつくる仕事と聞くと、最初は建物やサービスをつくることを想像していました。
けれど、SEKAI HOTELが向き合っていたのは、その土地にある日常や、そこに暮らす人の営みまで含めた“まち”そのものでした。
長期インターンでは、オープンしたばかりのSEKAI HOTEL Takaokaで、チェックイン対応やお客様の案内、地域のお店との連携、日々の運営フローの改善など、決まった正解がない中で、現場を少しずつ整えていく毎日でした。
目の前のお客様と向き合う一方で、富山からオンラインで研修を受けたり、ときどき大阪に行って、クジラでインターンをしている学生と議論やワークをしたり。
実際に手を動かしながら現場をつくる時間と、答えのないテーマについて徹底的に考える時間。そのどちらも、当時の自分にとって大きな刺激でした。
自分とは違う環境で学んできた人たちと話す中で、自分よりもずっと深く考え、それをまっすぐ言葉にできる人がいることを知りました。
同じテーマについて話していても、自分の言葉はどこか浅く、相手の言葉には考え抜いた重みがあるように感じました。
刺激を受ける一方で、自分だけがまだ入口に立っているような感覚もあって、楽しいだけでは済まされない悔しさや焦りがありました。
長期インターンで感じた悔しさは、自分も感覚だけで終わらせず、考えを言葉にできる人になりたいと思うきっかけになりました。
クジラやSEKAI HOTELに関わる中で、ただ「良いものをつくる」だけではなく、「なぜこの場所でやるのか」「誰にとって必要なのか」を考えるようになりました。
目の前にある建物やサービスの奥には、その土地で続いてきた時間や、人の暮らしがあるのだと感じるようになったんです。
誰かにとって大切な場所を守るためには、表に見えているものだけではなく、その奥にある思いや暮らしまで考える必要がある。
その気づきが、今の自分の原点になっています。