SNSの会社に入ったら、毎日SNSの画面ばかり見ているのだろうか。そんなふうに思ったことはありませんか?
先日、リデルのあるスタッフが、地方の観光事業者のもとを訪ねました。SNSの相談を受けるためです。
戻ってきた報告に、こんな一行がありました。
「トイレを増やしたほうがいい」
SNSの話をしに行って、トイレの話をして帰ってきた。今日はこの一行の中身を、みなさんに共有させてください。
■ 相談は、SNSのずっと手前から始まっていた
その日、現地で出てきた質問はこんなものでした。
・「集客したい、どうしたらいいでしょうか?」
・「オーストラリアの観光客を呼びたい、どうしたらいいでしょうか?」
・「インフルエンサータイアップはやっているが、全然効果がない。なぜでしょう?」
どれも、SNSの使い方についての質問ではありません。事業をどう伸ばすか、というマーケティングの課題そのものです。
(インフルエンサータイアップ=企業がインフルエンサーに依頼して、商品や場所を紹介してもらう施策のこと。)
投稿の本数を増やす、投稿する時間帯を整える。そういう手当てで解ける話ではありませんでした。もっと手前に、先に答えを出しておくべき問いが並んでいた。
たとえば三つ目の「効果がない」。効果がないのは、誰に届けたかったのかが決まっていないからかもしれません。あるいは、来てもらったあとに何を見てもらうかが決まっていないからかもしれません。原因がSNSの中にあるとはかぎらないのに、SNSの中だけを直そうとすると、いつまでも当たりません。
■ だから、景観の話までした
その日のアドバイスは、SNSの外側まで届きました。
・トイレを増やしたほうがいい
・ファミリー層を呼びたいなら、ベビーカーの置き場所があったほうがいい
・おしゃれなブランコがあるけれど、後ろに古い小屋が入ってしまって抜けが悪い。向きを変えたほうがいい
一見、SNSの会社の仕事ではないように見えます。でも、順番で考えるとまっすぐつながっています。
写真を撮りたくなる場所でなければ、訪れた人はカメラを構えません。構えなければ、投稿は生まれません。投稿が生まれなければ、発信の設計をどれだけ磨いても、広げるものがそもそも手元にない。
撮りたくなる景色のない場所で、いい投稿だけが生まれることはありません。
投稿を作る前に、投稿したくなる場所をつくる。ブランコの向きを変えませんかという提案は、私たちにとっては立派にSNSの提案の一部です。ベビーカーの置き場所も、来てほしい人が誰なのかという話にそのままつながっています。
■ 「専門家の先生」として、呼ばれている
報告の中に、もう一行ありました。
相手は私たちのことを、専門家の先生だと思ってくれている。
これは、けっこう重たい一行だと思っています。SNSの運用を代わりにやる人としてではなく、課題を解く相手として席を用意されている、ということだからです。
だから報告は、こう続いていました。答えを持って提案する形のやりとりが必要になるので、準備して本気で当たる必要がある、と。
期待されているのは、その場の器用さではなく、行く前の準備の量です。
現地に立つ何日も前に、その土地に誰が来ていて、誰が来ていないのかを調べておく。そこまでやって、ようやく机の向かい側に座らせてもらえる。
■ 私たちの看板より、仕事は少しだけ広い
リデルは「個人の影響力を、人々の未来のために。」を掲げて、SNSの黎明期から10年以上、企業と人の発信に伴走してきました。
看板にはSNSと書いてあります。けれど呼ばれた先では、SNSは目的ではなく手段です。目的は、目の前の事業が動くこと。だからSNSの知識だけでは足りません。必要なのは、相手の商売を自分の商売のように見にいく目のほうです。
その目さえあれば、トイレの数も、ブランコの向きも、立派に仕事の話になります。
逆に言えば、この仕事には「ここから先は担当外です」と線を引ける場所がほとんどありません。それを窮屈だと感じる人もいると思います。私たちは、そこがいちばんおもしろいところだと思っています。
■ こんな人と、一緒に働きたいです
・SNSの外側にある課題まで、一緒に引き受けたい人
・クライアントの商売を、自分事として見にいける人
・「先生」と呼ばれる期待に、準備で応えたい人
次に呼ばれる現場では、何の話をすることになるのか。正直、行ってみないと分かりません。分からないから、おもしろい、、、
少しでも気になったら、まずはカジュアルに「話を聞きに行きたい」から声をかけてください。みなさんとお話しできるのを楽しみにしています。