みなさん、こんにちは。
入ったばかりの会社で、手順を知らない仕事を渡されたとき。誰かに聞けば早いと分かっていても、聞くタイミングを探しているうちに時間だけが過ぎていく、、、そんな経験はありませんか。
先日、社内のチャンネルに一本の資料が流れました。請求書を発行するための手順書です。ただ、その投稿でいちばん目を引いたのは、資料そのものではなく、最後に添えられた一文でした。
■ 「ひとりで最後まで出せるように」
作った人が書いていた資料の目的は、はっきりしていました。
はじめて請求書を発行する人が、ひとりで最後まで出せるようになるための資料です
準備から作成、送付、記録までの基本の流れを、いくつかのステップに分けて図にする。あわせて、よくあるミスと、送付の前に見落としやすい点も並べる。そのうえで、基本の発行はこの資料だけで完結します、と言い切っています。
面白いのは、例外の扱い方でした。イレギュラーな対応については、手順を全部書き込むのではなく、自分のケースがどれに当てはまるかの判定だけを載せて、詳細は別の場所へ飛ばす設計になっています。
一枚に全部を背負わせない。読む人が途中で迷子にならないほうを選んでいます。
ひとりで最後まで、という言葉は、放り出すという意味ではありません。誰にも聞かずに済むという意味でもありません。聞かなくても進めるし、聞きたければ聞ける。その両方が用意されている状態を、はじめの一日から渡すということです。
■ 配った当日から、直してもらう
その案内は、こう締めくくられていました。
「ここが分かりにくい」「実際の運用と違う」があれば、遠慮なくこのスレッドに書いてください、、!随時アップデートします
完成しました、という報告と、直してくださいという依頼が、同じ投稿に同居しています。
書いた本人が、実際の運用と自分の資料がずれている可能性を、先に口に出している。ここが、私たちの好きな渡し方です。手順書はたいてい、書き上がった瞬間から古くなり始めます。それを一人で追いかけるのではなく、使う人の目を最初から借りにいく。
配って終わりにしない資料は、フォルダではなくスレッドに置かれます。
案内には、もうひとつ声がかかっていました。
はじめての方はもちろん、久しぶりに請求対応する方も一度目を通していただけると嬉しいです!
はじめての人のために作った資料を、久しぶりの人にも読んでほしいと言っています。長くやっている人ほど、書いてあることと自分の手順の差に気づけるからだと思います。読み手を広げるほど、ずれは早く見つかります。
■ 「不安」と書ける場所があること
投稿から数分後、さっそく返信が入りました。
不安な部分も多かったので、こちらをみながら対応します
請求は、間違えれば相手の会社の手を止めてしまう仕事です。慣れるまで不安があるほうが、むしろ健全だと思います。大事なのは、その不安を全員が見ているスレッドに書けることのほうです。
書いた側は、すぐにこう返しました。
Wチェック必要な場合は言ってくださいね!
二人で確認しましょう、という申し出です。資料が一枚目の受け皿で、人が二枚目の受け皿になっています。二枚あると分かっているから、はじめての仕事にも手を伸ばせます。
■ 手順は、人から引き剥がして外に置く
リデルには、新しい人が続けて入ってきています。今月も2名が加わりました。人が増えるというのは、その仕事にはじめて触れる人が増えるということでもあります。
そのとき、手順が誰かの頭の中にしか無い状態は、聞かれる人の時間と、聞く人の勇気を同時に使います。だから、手順は人から引き剥がして外に置く。置いたら、使った人に直してもらう。作った本人が正解を持ち続けるのではなく、実際の運用のほうを正解にしていく。
「個人の影響力を、人々の未来のために。」私たちのミッションは人起点です。人起点というのは、何もかもを人の記憶に預けることではありません。人にしかできないことに人を残すために、覚えられるものは先に外へ出しておく。今回の一枚は、その小さな実例でした。
■ こんな人と働きたい
・自分が覚えたことを、次の人が迷わない形にして置いておける人
・完成品ではなく、直してもらう前提の一枚目を出せる人
・分からないことを、分からないと書ける人
はじめての仕事に、ひとりで手を伸ばせる状態をつくる。私たちはそれを、資料の渡し方から始めています。
みなさんが入る日にも、たぶん誰かが一枚目を用意しています。まずはカジュアルに、「話を聞きに行きたい」からどうぞ。