こんにちは。
今回はいつもの記事とは少し趣向を変えて、Live Searchの社内AI活用についてお話しします!
実はLive Searchでは、約1ヶ月間で26の業務をAIで自動化しました。その削減効果は月間88,100分(約1,468時間)。約20%に相当する時間を生み出したことになります。
「不動産テックの会社が、なんでそんなにAI活用してるの?」と思われるかもしれませんが、MCP(Model Context Protocol)によってAIと外部ツールの接続が標準化され、Claude CodeやClaude Coworkのような「自律的にタスクを遂行するエージェント」が次々と登場。「AIに業務をまるごと任せる」ことが、エンジニアでなくても現実的になりました。
これからの企業の姿はAIを上手く活用することが求められると考えています。
ChatGPTやClaudeなどが凄まじいスピード感で日々アップデートされる中で、この波に乗らない手はありません。私たちは「人を増やして業務を回す」という選択肢だけではなく、「AIに任せられる業務はすべてAIに任せ、人は人にしかできない仕事に集中する」という方針を掲げました。
ポイントは、一部のエンジニアだけでなく、セールス・カスタマーサクセス(CS)・バックオフィスを含む全部門で取り組んだことです。
大小さまざまな26の業務自動化を約1ヶ月間で構築した爆速感こそスタートアップベンチャーならではの取り組みです。この記事では、実際に何を・どんなツールで・どうやって自動化したのか、リアルな中身をすべて公開します!参考になれば幸いです。

自動化した26の業務をすべて公開
部門ごとに、自動化した業務と削減時間(月間)をご紹介します。
【セールス】商談の「前」をAIが支える
① 架電リストの企業調査:架電前の企業調査をAIエージェントが代行し、CRMにデータを自動追加。
② 加盟店リストマップの作成:700社の加盟店情報を全国マップ化したサイトをAIが構築。
③ 商談前の壁打ち:過去成約案件の商談動画の表情・トーク内容などをAIが分析した数十商談分のデータをさらにAIが分析し、新規商談前に提案のシミュレーションを壁打ちするAIを構築。
④ 商談動画の分析:商談動画の質問数、トーク比率、会話トピックなどの分析。
⑤ 日次架電数レポートの自動報告:デイリーの架電数をCRMから集計し、Slackへ通知。
⑥ IS架電漏れリストの作成・共有:架電予定のリストを実施できなかった案件をリストアップし、最優先リストとして毎朝自動通知。
⑦ 過去失注商談リストの作成・共有:失注後の次回アプローチタイミングの商談を集計し、自動通知。
特にインパクトが大きかったのが架電リストの企業調査です。テレアポの合間に平均3分間の企業調査の時間がかかっていることがわかりました。Live Searchの場合は、不動産テック企業として不動産会社様に架電をする中で、物件情報などリアルタイムに変わる情報も多くあります。一度調査をした企業情報がずっと活用できるわけではなく、架電時の顧客の状態に沿った最新の情報が必要でした。
これまで営業メンバーが1件ずつ手作業で調べていた企業情報を、AIが事前に収集・要約し、CRMに追加してくれることで、営業は「調べる時間」を「話す時間」に変えることができました。
【CS】撮影オペレーションの裏側をAIが回す
⑧ 新人カメラマンの撮影データチェック自動化:Slackとn8nとAIツールとデータドライブを連携し、新人カメラマンが撮影したデータをAIが1枚1枚チェックし、フィードバックしSlackで通知。
⑨ カメラマンからの重要報告を別ワークスペースへ自動共有:n8nのワークフローとSlack APIによりSlackのクロスワークスペース連携を構築。
⑩ 問い合わせ未完了チェック:加盟店からの問い合わせ対応漏れをAIが検知してアラート。
⑪ 前日の撮影関連数値の集計:社内管理システムとスプレッドシートを連携し、前日のエリアごとの撮影件数や未撮影件数の状況などをスプレッドシートに集計。
⑫ 翌日のシフト確認:50名を超えるカメラマンのシフト状況・シフト時間・在籍歴などをチェックし、毎朝自動でSlackに通知。
⑬ 翌日の天気調査:現在12都道府県の物件撮影を提供しているため、カメラマンの撮影スケジュールを作成する前に翌日の全国の天気予想を事前にチェックしていた業務をAIでチェックし、毎朝自動でSlackに通知。
⑭ 1週間の問い合わせ対応レポートの自動報告:加盟店の問い合わせ対応件数、対応スピード(SLA:サービス品質保証)を1週間に1回集計。Live Searchが社内設定しているSLA基準(対応スピード「完璧」「普通」など)を満たしている割合などを計算し、Slackに自動通知。
⑮ AIによる撮影ルート作成:社内管理システムとAIツールを連携し、毎日数百件の撮影物件候補の中から、撮影ルートを複数パターン検証し、最も移動効率の最適なルートをAIが作成。

Live SearchのCSは、全国のカメラマンと連携しながら撮影オペレーションを回す、そして加盟店フォローからアップセルまで行う業務量の多いポジションです。「翌日の天気調査」のような一見小さな業務も、毎日発生する業務は積み重なると大きな時間になります。
【バックオフィス】採用・労務・経営管理もAIで
⑯ 面接時の議事録作成:面接時の文字起こしデータをLive Searchの指定フォーマット用に議事録要約。
⑰ エージェントへのフィードバック作成:面接時の議事録作成から転職エージェント用のフィードバックシートを自動作成。
⑱ 規定修正案・規定間矛盾の整理:規定ドキュメント間の矛盾をAIが横断チェック。
⑲ 日報未提出者チェック:日報漏れを集計し毎朝自動でSlackに通知。
⑳ 加盟店からの重要連絡の仕分け・収集:加盟店との連絡、やり取りをSlackに記録化し、その内容を重要度別に仕分けし、定期報告。
㉑ 前月の成約報告集計:セールスチーム・CSチームの前月の成約結果を集計し、インセンティブ該当者のリストアップ。
㉒ 入社半年以内のメンバーの中間面談・試用期間満了査定の自動通知:新人メンバーの経過時期の自動通知。
バックオフィスの自動化で大事なのは、削減時間だけではありません。「抜け漏れがゼロになる」ことです。面談の通知漏れや日報チェックのようなオペレーションは、人がやると必ずヒューマンエラーが起きます。AIとワークフローに任せることで、確実性と時間の両方を手に入れました。
【エンジニア】開発プロセスそのものをAIで変革
㉓ Figma MCP + AIエージェントでノンコーダーがデザイン実装できる仕組みを構築:デザインデータからUI実装までの工程を短絡。
㉔ RSpec(テストコード)生成の自動化:Claude Codeを使ったテストコードの生成を自動化。
㉕ PRレビュー時にClaude Codeがコードの概要を解説:レビュワーのコンテキストキャッチアップを高速化し、レビュー時間を削減。
㉖ PR作成時のAIセルフレビュー:既存のツールでは拾えない軽微な指摘をマージ前に解消し、レビュワーの負担を削減。
エンジニアチームではClaude Codeが前提になりつつありますが、特定のツールに依存しすぎない構成にし、APIやMCP、n8nなどのツールも活用し、開発工数やチェック体制にAIを活用しています。特にFigma MCPを活用したデザイン実装の仕組みでは、フロントエンドの開発工数を削減し、デザイン性の求められる部分をエンジニアチーム以外でも構築できる仕組みになりました。
今回のAI活用の趣旨
今回の26の業務自動化では、単なる「NotebookLMを利用し始めた」「Geminiを利用することで〇〇ができるようになった」などのツールの利用を開始したというものではなく、社内チャットツールのSlackやLive Searchが独自に開発する社内管理システムなどとClaudeやn8nなどのツールを掛け合わせた構築がメインです。
そして大事なのは、この時間を「削減して終わり」にしないことです。生まれた時間は、お客様との対話、プロダクト改善、新しい挑戦に再投資しています。
全社でAI活用が進んだ3つの理由
今回のAI活用について、Live Searchなりのポイントを3つご紹介します。
①「時間」で効果を測る文化
すべての自動化に「月◯分削減」という効果集計をしています。効果が定量化されているから、次の自動化に挑戦するモチベーションが生まれ、投資判断もしやすくなります。
②小さな業務から始める
「翌日の天気調査」のような小さな業務からスタート。成功体験を積むことで、「自分の業務もAIに任せられるかも」という発想が全社に広がりました。
③エンジニアと現場の距離が近い
エンジニアを中心に現場の課題を拾って基盤に落とし、各チームが連携しながら、エンジニアを中心に構築するものと、エンジニア以外のチームで自律して構築できるものを仕分けして構築を進めました。この循環が26個の自動化を生みました。