【M3DCエンジニアインタビュー】医療業界の重要インフラを支え、自社サービスの価値を再構築する。開発組織の成長カルチャーとは
個別に最適化され、役割を果たしてきたシステムを、次なる成長を支える「理想的な基盤」へと再定義する。M3DCのエンジニアは、単なる運用保守に留まりません。これまでの歩みの中で複雑化した仕組みを、技術の力で「柔軟に進化し続けられる強いシステム」へと作り変えていく役割を担っています。
医療業界の情報伝達をDXで加速させる。その大きな挑戦を支えるのは、確かな安定感と、変化を恐れないスピード感。システム開発グループは今、その両立を可能にする仕組みを構築するフェーズにあります。
難題を楽しみ、技術で正解を導き出す「攻めの開発」とは何か。領域の異なる3人のエンジニアに、現場のリアルを聞きました。
※写真は左から、A.Sさん、I.Rさん、N.Yさんです。
【プロフィール】
A.Sさん(Webシステムエンジニア):
2024年入社。前職では、AI/DX推進企業で法人向けのSaaSバックエンド開発全般を担当。M3DCではWeb講演会の視聴者体験向上に関わるプロジェクトを推進。
I.Rさん(インフラエンジニア)
2025年1月入社。前職はSaaS企業のSRE。M3DCではインフラの高度化とセキュリティ推進を担当。
N.Yさん(Webシステムエンジニア):
2025年6月入社。前職ではコンサルティングファームにて法人案件や官公庁案件を経験。M3DCでは、BtoB顧客の付加価値向上プロジェクトを推進。
配信基盤からログ分析まで。医療の重要インフラを支える多角的なプロダクト群を開発
ー皆さんのチームが開発しているプロダクトについて教えてください。
I.R)インフラ全般を担当しています。特定のプロダクトではなく、システム全体の基盤に関わっています。現在はインフラの高度化に向けた取り組みや、セキュリティの強化をメインに担当しています。
N.Y)私は、Web講演会のアプリケーション開発を担当しています。具体的には、医師や製薬業界の方が利用される動画配信プラットフォームや、視聴後のアンケートシステム、視聴ログ分析システムなどを開発しています。I.Rさんが担当してくれているインフラが土台になって私たちのつくるアプリが稼働しているので、インフラチーム、すごく重要な役割を持っていますね。
A.S)そうですね。私は、N.Yさんと同じアプリ開発ですが、私はユーザー体験向上を担うチームに所属しており、視聴予約システムなどを担当しています。
ーWeb講演会に関連するサービスといっても、配信基盤から予約、アンケート、ログ分析までプロダクトは非常に多岐にわたるのですね!
※用語解説
医療業界向けWeb講演会とは:
製薬企業様・医療機器メーカー様が主催される、医師から医師への医薬品解説セミナー。例えば医薬品を正しく患者さんに処方いただくためには、医薬品の情報を正しく医師に伝達する必要があるためこうしたセミナーが多く開催されています。
Web講演会は、視聴する医師にとっては効率的に最新情報を得られる手段であり、製薬企業にとっては、多くの医師に情報を届けられるプラットフォームです。そのため、医療業界において非常に重要な情報伝達チャネルとなっています。
入社のきっかけと決め手
転職で重視していたのは、新しい技術導入や品質改善に向けて積極的な環境
皆さんがM3DCに入社したきっかけは何ですか?
A.S)転職の軸は、「新しい技術の導入に積極的な環境」と「ファクトベースの会話ができる環境」でした。M3DCはまさに理想通りの環境で、また、面接を担当してくれたグループリーダーが、技術面でも人間性でも尊敬できる方で、「ここなら自分の軸を叶えられる」と確信し、入社を決めました。
I.R)前職では、24時間365日の保守運用に追われていました。インフラを根本から良くしたいのに時間がない状況がもどかしく、システム改善に本腰を入れられる環境を探してM3DCに出会いました。転職の決め手という意味では、A.Sさんととても似ているかなと思います。
N.Y)前職のコンサルでは顧客の要望に応える側面が強かったのですが、自分たちでサービスの価値を創る実感が欲しいと感じていました。自社サービスを運営するM3DCなら、技術選定から自分たちで意思決定できます。ワークライフバランスを整えつつ、0→1に近い挑戦ができると感じ入社しました。オファー面談ではA.Sさんを含む数名のメンバーの方ともお会いして、社内の雰囲気もイメージできてありがたかったです。
A.S)お役に立ててよかったです(笑)
ーM3DCのシステム開発グループは、現在エムスリーから出向している岩佐さん、高島さんがグループリーダーをされていますよね。(関連リンク:https://speakerdeck.com/m3_engineering/introduction-of-m3-management-team)お二人のお力添えのおかげで、この2年でかなり人も増え、技術面でも組織面でも、基盤がかなり強化されたと感じます。皆さんのような志を持つ方にご入社いただけて、本当に心強いです!
業界知識よりも「エンジニアとしての本質」が問われる場所
ー医療業界特有の難しさはありますか?
A.S)コンプライアンスが重視される業界という印象は以前からありました。入社後もその点は変わりませんが、ギャップというよりは、むしろ「正しさ」を重視するしっかりとした業界というプラスのイメージを持っています。
N.Y)私も「医療業界のサービスだから」という理由で、開発面でのハードルを感じることは特になかったです。今向き合っているのはWeb講演会のライブ配信システムで動画配信プラットフォームとしての側面が強いため、他業界出身の方でも技術スキルを活かしてスムーズに馴染める環境だと思います。
I.R)私もN.Yさんと同じ考えです。業界知識が必須というよりも、動画視聴サービスの特性や視聴者の方の期待値を意識することの方が多いですね。ライブ配信はやり直しがききません。非常に重要な情報を伝達する場だからこそ、セキュリティも含めて安心して視聴できる仕組みを作る。この「情報の重み」に対する責任感さえあれば、異業界からでも十分に力を発揮できると思います。
—動画視聴サービスとしていかに顧客や視聴者に付加価値の高い体験を提供できるか。医療というドメイン以上に、サービス品質にストレートに向き合う側面が強いのですね!
取り組んでいるプロジェクトとビジネスサイドとの連携
既存システムを解体し、持続可能な形へ
現在取り組んでいるプロジェクトの醍醐味について教えてください。
A.S)既存システムの統廃合が主軸です。過去に個別最適化されたシステムを統合し、汎用的な仕組みへ作り替えています。定型作業はなく、常に、どうあるべきかを考える刺激的な毎日です。
N.Y)確かに。ルーティン作業はあまりないですよね。私のチームでは、各社バラバラだったログ形式などを共通化しています。ビジネスサイドと「標準ログとは何か」などについて議論し、新しい土台を定義していく作業は、まさにシステムを置き直す面白さがあります。
I.R)私はインフラの統廃合を進めています。不要なリソースを削除し、AWS周りをコード化して復元性を高める。守りだけでなく、攻めのためのインフラ整備で、今までの経験を活かして貢献できている実感があります。
ー今あるものを新しく置き直す動きが多いからこそ、運用の維持よりも、新しい仕組みを考える業務に比重があるのですね。
システムに理解のあるビジネスサイド。コミュニケーションがとりやすい環境
—ビジネスサイドと連携される場面も多いと思います。印象的だったことなどはありますか。
I.R)ビジネスサイドの方々が、システムを前向きに理解しようとしてくれることに驚きました。インフラのリリース作業などを説明しても柔軟に協力してくれます。
N.Y) 全く同感です。コミュニケーションをとりにくいと感じたことは、全くありません。
A.S)私も本当にそう思います。
—「ビジネスサイドだからシステムは理解しません」ではなく、専門用語を調べつつ歩み寄る姿勢。この姿勢は重要ですよね。
M3DCのカルチャー:裁量、AI活用、そして自走
裁量は広く、提案はフラットに。だからこそまずは自ら考えることが求められる
—エンジニア組織のカルチャーについて教えてください。
N.Y)一人ひとりの裁量は非常に広いです。また、技術に詳しく、AIツールなども積極的に使い倒すメンバーが多いのも特徴です。
A.S)そうですね。上層部が決めた設計を無心で開発する環境ではありません。ただ、自由があるからこそ、まず自分で深く考える姿勢が求められます。
I.R)意見が合理的であれば、即座に採用される。この自由度は非常に高いですよね。ちなみに、24時間の夜間対応がないので、生活の安定感も増しました(笑)。
—逆に、開発の現場で、大変と感じる部分はありますか?
A.S)既存システムが多いため、泥臭く手を動かさなければならない場面は正直たくさんあります。しかし、それを一人で抱え込むのではなく、「全員でやっていこう」という風土や施策(KPI)が共有されています。
—設計に縛られるのではなく自ら考える。発展途上の環境だからこそ、チームとして高い熱量で、技術的な課題にも柔軟に向き合えるのですね。
ビジネス視点と幅広い技術領域。自分の意思があれば高速に成長できる環境
ー入社してからの変化や、成長を感じる瞬間を教えてください。
I.R)私はこの会社に入って「多分」という言葉を一切使わなくなりました。徹底して調査し、エビデンスを揃え、事実ベースで伝える。インフラエンジニアとしての意識が磨かれました。
まずは自分で考えて仮説立てして相談し、打ち手を考える。この連続なので、仮説検証のスキルも鍛えられる環境だと感じます。
ー素晴らしいですね。ファクトベースで誰にでも正しく伝わるコミュニケーションをとることは、信頼関係構築の上で非常に重要だと感じます。
A.S)私はPO(プロダクトオーナー)としての経験が大きいです。開発の優先順位を判断し、ビジネスサイドと交渉する。前職にはなかった経験・視野が得られています。
N.Y)入社後にAWSを含め、関わる領域が格段に広がりました。ビジネスサイドが求めるスピード感に応えるため、情報のキャッチアップのスピードや精度も上がっていると感じます。
ーより幅広い領域、よりビジネスサイドに近い立場での業務に挑戦されているのですね。短期スパンで自分の持っている役割が変わっていき、高速に成長できる。M3DCの特徴のひとつだと感じます。
オンラインの集中と、対面の信頼関係。バランスの取れた働き方
ー日々の情報共有や、働き方のスタイルについても教えてください。
A.S)Slackの「タイムズ」チャンネルが活発です。技術的な知見だけでなく、何気ない話も気軽に共有しています。グループリーダーに提案して作った場所ですが、今では欠かせないコミュニケーションの場です。
N.Y)「タイムズ」はA.Sさんが提案して作成してくれたchなんですね。私は大阪在住なのでフルリモートが基本です。「タイムズ」もよく活用しています。あと、新入社員の歓迎会などがある時は積極的に出社し、対面のコミュニケーションも大切にしています。
I.R) チームとしては毎週水曜日に出社しています。その日はリーダーも含めて全員でランチに行きます。
在宅勤務で集中力を高めつつ、週1回の対面で信頼関係を深める。この工夫があるからこそ、相談しやすい環境が維持できているのですね。
描いているキャリアパス
ー最後に、今皆様が描いているキャリアパスについて教えてください!
I.R)SREとして、まずは「これ以上の改善が必要ない」と言えるほど完成度の高いインフラ基盤を創り上げたいです。その後は、アプリケーションエンジニアにも挑戦したい。 M3DCには「インフラ担当はずっとインフラだけ」という壁がないので、領域を広げるのが楽しみです。
A.S)いいですね!アプリケーションの土台を深く理解しているI.Rさんが開発に異動すれば、システムの全体像を踏まえた、運用しやすい設計での開発が可能になります。その経験は必ず活きると思います。
N.Y)私も、A.Sさんの意見にまったく同感です。
I.R)ありがとうございます。そういっていただけて嬉しいです(笑)
A.S) キャリアパスの話に戻ると、開発既存システムの共通化や改善をやり遂げ、基盤をきれいにしたいです。その後は、よりビジネスサイドの要望を深く汲み取り、サービスの価値を加速させる開発に注力したいです。
N.Y)新規ビジネスの構築に深く関与したいと考えています。エンジニアという枠にとらわれず、ビジネスサイドへも自ら顔を出し、事業を創れる存在を目指したいですね。
ー明確なビジョンがあって素晴らしいです。ぜひ新しいエンジニアのキャリアパスを切り拓いていっていただけたらと思います。
本日はどうもありがとうございました!