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ユニバーサルホーム新CM制作の裏側とパートナー企業としての新たな挑戦

高品質な新築一戸建ての注文住宅を全国でお届けするハウスメーカー、ユニバーサルホーム。今回マテリアルが企画から制作までを手掛け、2020年4月に公開された新CMでは、創立25周年という節目を迎えるユニバーサルホームの想いやメッセージが、タレント田村淳さんのインタビュー形式でストレートに表現されております。そこで今回は、CM制作の裏話や、それぞれの担当者が考える「パートナー企業としての在り方」について、ユニバーサルホーム・マーケティング担当の安井 義博さんと、マテリアルのクリエイティブ・ディレクターの源八との対談をお届けします。

0.担当者プロフィール

安井 義博(やすい よしひろ):ユニバーサルホーム・マーケティング担当

2018年4月より現在のユニバーサルホーム・マーケティング課に異動。異動前はFRM(※1)として、加盟店担当を6年経験。 ※1:『FRM:フィールドリレーションマネージャーの略』

源八(げんぱち):マテリアル・クリエイティブディレクター

高校卒業から14年間お笑い芸人として活動し、2003年にはM-1グランプリ準決勝に進出。引退後、映像制作会社のアシスタントディレクターに転向し、3年間映像制作について学ぶ。2018年にマテリアルに入社した後は、芸人とクリエイター両方の経験を活かしてクリエイティブディレクターとして活動し、現在に至るまでさまざまなテレビCMやプロモーション動画の制作を手掛けている。

1.マテリアルとのきっかけ

「やりますよ!」の一言から始まったマテリアルとの関係

ーはじめに、安井さんがテレビCMの制作をマテリアルに依頼することになった経緯を教えていただけますか?

安井:実は、最初のきっかけは、タレントのキャスティングを依頼できる会社を探していたことでした。私が2018年4月にマーケティング課に来た時に、一番やりたかったこととして「OBのご家族と有名人の対談」というものがあり、この施策を実現するために協力してくれる企業を探していたんです。その時に見つけたマテリアルさんにお声がけさせていただいて、恐らく結構な無理難題をお願いしたと思うのですが、「やりますよ!」とお返事をくださりました。”PR会社だから”というよりも、キャスティングやクリエイティブ制作など、幅広い活動をされていたこと、そして会社の姿勢や熱意を理解していただけたことが、その後も一緒にお仕事していくことになったきっかけですね。

源八:その時の担当者が、「なんとかしたい!」と言って、僕をユニバーサルホームさんとの打ち合わせに連れて行ってくれました。

安井:このエピソードがあるから、自分の中でも原点に戻る時があります。今でも自分の考えや気持ちをリセットするきっかけにもなっています。


限られた広告予算の中で認知拡大を目指す使命

ー現在抱えているマーケティング課題はありますか?

安井:現在抱えている大きな課題の一つは、「全国の認知度を上げること」です。地域によって認知度に差のある住宅メーカーなので、全国的にもっと認知度を上げる必要があります。しかし、”広告宣伝にお金を投下すればするほどメーカー認知度が上がる”という業界傾向がある中で、ユニバーサルホームとしてはそこに多額の費用を注ぎ込むことができません。だからこそ、費用対効果を追求して、ターゲット層を狙い打ちするような施策を打つことが大きな使命です。

2.新CMはどのようにして生まれたのか

25周年というスタートラインをストレートに表現したかった

ー企画においてのポイントやこだわったことはありますか?

源八:最初に新CMのお話をいただいた時、「今回は生活者に対してしっかりと伝えたいことがある」と、新CMで伝えたい想いや方向性について説明してくださりました。これを受けて、ユニバーサルホームさんが抱いている想いやメッセージをストレートに伝えるために、どんな表現方法が最適なのかを考えました。

そこで、メッセージに重きを置いて発信しているさまざまな事例を見てみたのですが、中でもゼクシィのコピーワークの”生活者と目線を合わせながらストーリーが走りだしている”部分にとても共感したんです。その時に、「今回やるべき部分が見えたな」と思いました。これからさらに多様性が加速していくであろう住宅に対して、「その多様性を否定せずに、進化していこう」というメッセージを中心に置き、さらにそのコアメッセージを飛躍させるためにどう表現するべきか考えました。

そのタイミングで、ちょうどタレントの田村淳さんが記者会見をしていて。田村淳さんの会見を見た時に、「この人も今年大きな変化のある勝負のある年だな」という共通点が見えたので、「25周年というスタートラインを、田村淳さんのインタビュー動画で表現する」という提案をさせていただきました。

また、インタビュー動画を企画した理由は、伝えたいことが最もストレートに伝わる表現方法だと思ったためです。小細工的な演出でメッセージを伝えるよりも、その人の”生の言葉”をメッセージにのせたほうが、嘘偽りなく生活者に受け入れられるのではないかと考えました。

担当者との会話を紐解きながら見つけていくコアメッセージ

ーコアメッセージはどのようにして生み出しましたか?

源八:もともと安井さんとの打ち合わせ時には、コアメッセージというのは固まっていなくて、目指したい方向性や、伝えたい想いについてお話を伺う中で、コア部分を僕なりに紐解いていきました。そこで、「住宅の多様性」に目を向けてみようと考えました。

ー今回の企画を最初に聞いたときの印象はどうでしたか?

安井:いつもマテリアルさんには、ストーリーとキャスティングの両方向から提案をもらっています。「この時期だからこういうストーリーがいいのではないか?」という方向性と、「このメッセージだからこういう人がいいのではないか?」というキャスティングの提案です。しかし今回は、ユニバーサルホームが25周年を迎えるということもあり、通常よりも少し複雑な進み方をしました。

これまでの「インパクト重視」のテレビCMとは異なり、今回は「メッセージをきちんと伝えること」を柱として始めに定めた上で、その柱を中心に、どのような表現方法がいいのか、またそれを表現するにはどのようなキャスティングが相応しいのか、という2軸の視点を同時並行させながら動いていきました。田村淳さんの起用に関しては、彼の発言力や今の立ち位置を、ユニバーサルホームに重ねた時に、一番適任だと思いました。その適任性とメッセージ性をうまく調整できたかなと思います。

ー新CMの具体的な反響などはありましたか?

安井:4月18日に新CMの放送が開始されてから、昨日(インタビュー当時)で1ヶ月が経ちましたが、この1ヶ月の間のHPへのアクセス数を比較すると、サイトセッション数は前年比で約138%になりました。CMの目的として、HP訪問の入り口としての効果を考えているので、このようなセッション数の増加というのは一つの大きな成果だと思っています。

実際の展示場や店舗への来場数に関しては、新型コロナウイルスの影響もあるため、深刻な状況ではあります。しかし、この状況を受けて4月18日からオンライン商談も開始したところ、「CMを見ました」と話してくださるお客様が多かったらしく、オンラインという普段とは異なる状況で、この一言で緊張がほぐれたというエピソードも現場から聞いています。そういう意味では、この新CMがお客様とのコミュニケーションの一助にもなったのではないかと思っています。

ー実際に、社員のみなさまの反応はいかがでしたか?

安井:いつも1つの指標として、お店が使用する折り込みチラシを、タレントさんのありとなしで両方作成しているのですが、今回注文された割合は対象期間内で「100:0(あり:なし)」だったんです。100%のスタッフが、タレントを起用しているチラシを選んでいるということになります。また、戸建て看板を張り替えるお店が出るなど、積極的な行動が嬉しく思い、実際の店舗スタッフの皆さんが新CMに対してどう思っているのか、ここでよく分かるなと感じました。


3.マテリアルが手掛けるCMの魅力とは

どんな言葉であればより広がるのかを考えた

ーCM制作において重要視した点や新しくチャレンジしたことはありますか?

源八:新CMの制作にあたり大変だったことは、進行していく中で、インタビューの構成や質問案が二転三転していったことです。

当初は、”その時に感じた言葉”が一番ストレートに伝わるだろうと考えていたので、田村淳さんには事前アンケートのみをお渡しして、一発撮りでいこうかなと思っていました。ただその時に、田村淳さんから「まず最初にお会いして話したい」と提案をいただき、実際に会って話をしていく中で、「その考えいただきました」となるようなシーンが多くありました。僕が持っていた考え方よりも、より良い考え方をされていましたね。その会話をしてから撮影日まで、”わずか3日間”しかなかったのですが、非常に良いディスカッションをさせていただきました。なので、今回は普段よりもディレクターに近い動きをしたと思います。

また、情報の広がり方についても、田村淳さんの発言はSNS上で拡散されることも多いので、家庭的な一面やコンビとしてのこれからという部分に関して、どういう言葉であればより広がるのかという点を意識しました。

ーこれまでのCMとは”ひと味違うポイント”はありますか?

源八:いつもは、音楽やアテンション部分の表現にとても気を配りますが、今回の場合は、「気が付くとCMが流れている」という状況を作り出すために、普段とは逆の作り方をしました。


ー撮影現場の実際の様子やエピソードはありますか?

源八:個人的に面白いと感じたのは、田村淳さん自身が一度お家を建てられていることもあり、住宅に対して、すごく興味を持たれていたことです。壁や素材の色味に興味を持たれていたので、僕がユニバーサルホームさんのお家の特徴の一つでもある「土間にも床暖房が入っているんです」とお話をしてみたところ、「知ってるよ」と返してくださって。事前に調べてくださったんだなぁと、とても嬉しい気持ちになりました。

安井:うんうん。イメージカットの時の会話でも、もともと家がお好きなんだなというシーンが多かったと思います。家に対する意識についても、撮影しながらお互いにその共通意識を掴んでいきました。事前の打ち合わせでは雰囲気だけが伝わっていた気がしたので、当日まで不安がありましたが、当日になるとすぐに打ち解けることができたので、お互いにやりやすかったかなと思います。そういう雰囲気が、今回の映像にも伝わっていると嬉しいです。

源八:最後には田村淳さんからも「仕事じゃないような気がした」というお言葉もいただきました。


4.パートナー企業としてのマテリアル

ゴールに向けて一丸となって動けるチームワーク

ーパートナー企業として、マテリアルにメッセージをお願いできますか?

安井:冒頭のお話とも少し重複しますが、ユニバーサルホームはフランチャイズシステム(※3)の住宅メーカーなので、全国のお店からお金を預かり資産に変えていくという姿勢を常に持っています。マテリアルさんがこの部分を理解してくださっていることこそが、パートナー企業として今も関係値が続いている大きな理由です。それ故に、企画が二転三転する、逆に原点に戻るなど、普通の進め方よりもイレギュラーなこともありますが、そういった部分も気にせずに「頑張りましょう」とゴールに向かって動くことのできるチーム感は、おそらく”マテリアルさんだからこそ”ではないかと思います。

また、マテリアルさんをサポートしている制作チームもすごく統一されているんです。恐らくここに関しても、同じ方向を向ける人たちとお付き合いされているからだと思います。一つの目標に向かって、ここまで各分野の人たちが一丸となって動けることに、毎回パワーをもらっていますし、毎回現場へ行くのが楽しみなのは、こうした部分から繋がっています。だからこそ、現場でのクランクアップ時の集合写真も、ただの記念としての”集合写真”というより、「みんなで一緒に作ったから、みんなで撮りましょう」っていう意識のもとで撮影しているんですよ。

※3『FC:フランチャイズシステム』商品開発力やスケールメリットなどの「大手住宅メーカーが持つ長所」と、迅速できめ細やかな「地元工務店が持つ長所」を融合したシステム。

5.さいごに

それぞれが考える”これから挑戦したいこと”

ーこれから挑戦したいことはなにかありますか?

安井:私は、ユニバーサルホームを気に入って住んでいただいているOBのみなさまも、心強いパートナーだと思っています。なので、これからはもう少し視座を下げながら、そういう方々も主役になるようなプロモーションをやっていきたいですね。また、プロモーションや認知拡大という点においては、日々変化があるので、できるだけ思い付いたらすぐに実行したいと考えています。そこが、今回コアメッセージとしても掲げている「これからが成長期」という部分に繋がります。そういった成長意欲は常に持ちつつ、マテリアルさんにも相談しながら挑戦していきたいと思います。

源八:ユニバーサルホームさんとは、2年前の5月からお付き合いを始めさせていただきました。その中で僕が大事にしていることは、「お金」の部分です。僕の中には、常にクライアントから「大事なお金を預からせてもらっている」という意識が強くあります。このお金を生み出すために、どれだけの人が、どれだけの時間を使って、どれだけのホスピタリティを持って向き合ってきたのかということを考えてきたので、僕のこういった想いがきちんと伝わっていたことが、大変嬉しく思いました。

また、僕個人としては、「自身の代表作を作りたい」という思いで、常に仕事に取り組んでいるので、少しでも早く代表作を世に送り出して、僕に「クリエイティブディレクター」という”肩書き”を作ってくださったユニバーサルホームさんに恩返しができればと思っています。

この新型コロナウイルスで”ステイホーム”が呼びかけられたことによって、今家の価値観が大きく変化しつつあることを体感しています。この変化する状況の中で、”注文住宅”というのは今後もさらに可能性が拡大していく領域だと思うので、「変化する価値観」と「多様性を持つ表現方法」を模索しながら、より良いものを作っていけたらと思っています。

※2020年7月時点の情報です。

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