メドピアでは様々なアプリサービスを展開しています。医師と患者がオンラインで繋がることを支援する、かかりつけクリニック支援アプリ「kakari for Clinic」、医師の学習の習慣化をサポートする医師向け対戦型早押しクイズアプリ 「MedLedge」、味の素社と共同開発で生活改善をサポートするアプリ「aminoステップ™」など、現在10あるアプリサービスのうち、5つは直近1年でリリースしています。
開発を支えるアプリチームで中心的な役割を担うメンバーに、これまでどのように開発と向き合っていきたのか、現在の課題を踏まえ、これからどんな開発組織を目指していくのかをお伺いしました。※MedLedgeは2023年3月末をもちましてサービスを終了いたします
10個のアプリ開発を支えるアプリエンジニア達をご紹介 ──まずは自己紹介も兼ねて、皆さんのこれまでの経歴や、現在担当されている業務を教えてください。
笹谷 :メドピアには2017年にサーバーサイドエンジニアとして入社し、入社翌月からアプリ開発にも携わるようになりました。現在はサーバーサイド・アプリ両方の開発に携わっています。管理職としてチームマネジメントも行っていますが、自らコードを書くことも多いプレイングマネジャーです。ちなみにメドピア入社前はWindowsのデスクトップアプリを作ったり、iOSエンジニアをしたりしていました。
保立 :SIerで3年間サーバーサイドエンジニアとして開発を経験し、 笹谷と同じ2017年にメドピアに参画しました。入社から暫くサーバーサイドの開発を担当していましたが、現在はかかりつけ薬局化支援サービス「kakari」のAndroidアプリの開発を担当しています。
市川 :2020年6月にメドピアに入社し、かかりつけ薬局化支援サービス「kakari」のiOSアプリを開発しています。入社前はフリーランスのアプリエンジニアをしていました。要件定義、基本設計、コーディング、テストなど幅広い領域に携わっていました。業務委託という立場でしたが、頂いた基本設計への改善提案や、コーディング初心者への手ほどきしながら開発など、社員の方と同じ様なスタンスでアプリ開発に取り組んでいました。
小林 :2020年8月にメドピアに入社し、歩くだけでスギサポマイルが貯まる歩数計アプリ「スギサポwalk」のiOSアプリの開発をしています。入社前は市川と同じく、フリーランスのアプリエンジニアをしていました。会員数やアクティブユーザーの多いコンシューマー向けサービスのモバイルアプリを担当することが多く、立ち上げから運用まで幅広いフェーズに携わりました。プログラミング講師の仕事も並行してやっていたので、わりと「人に教えるのが好きな方」という自覚があります。
個人戦からチーム戦への道程。アプリ開発の”これまで”
──笹谷さん保立さんがご入社された2017年頃、どの様な体制でアプリ開発を推進されていたのか教えてください
笹谷 :2017年10月にリリースした、医師専用コミュニティサイト「MedPeer」のアプリ(現在はブラウザのみで提供)が最初のアプリ開発でした。約半年程で作ったアプリで、この開発で得た知見をベースに、2018年11月リリースの歩数計アプリ「スギサポwalk」や食事宅配サービス「スギサポdeli」などを開発していきました。当初は私がほぼ一人でアプリ開発を担当していてました。その後、保立がアプリ開発にチャレンジしてくれたので、チームで開発を行う様になりました。
保立 :医師専用コミュニティサイト「MedPeer」のアプリは、iOSのアプリを0から作るプロジェクトでした。当時メドピアにはiOSアプリ開発の知見がほとんどなく、担当となった私もiOSアプリの開発は趣味で触った程度だったので、笹谷の知見に頼りながら何とかサービスをリリースしました。個人的にはモバイルアプリ開発の知見を得ることができ、念願だった新規サービスの立ち上げも経験できた、印象的な仕事の一つです。
──新規のサービス立上げを、未経験のアプリ開発でチャレンジされたのですね。サーバーサイドエンジニアからアプリエンジニアへ転身される際、どのような苦労がありましたか?
保立 :サーバーサイドとモバイルアプリで一番異なる点は、ユーザーとの距離です。App StoreやGoogle Play Storeでのレビューを通じて、アプリエンジニアにはユーザーからの評価がダイレクトに返ってきます。ストアで良い評価を得るためには、アクセシビリティやUXの勉強が必要になりますが、デザインが関わる部分はこれまで学んだことがなかったため、苦労しました。
その反省を活かし、現在はアプリエンジニアのコミュニティが主催している勉強会に積極参加していて、SNSでの情報収集はもちろん、自ら本を執筆して技術書典で頒布なども行っています。こういった社外での取り組みで得た知見は、仕事を通じて社内に還元するようにしています。
新たなメンバーのジョインで見えた、アプリ開発の”これから” ──市川さんと小林さんは、昨年(2020年)入社でアプリチームに参画されていますが、まずメドピアに入社を決めた理由からお伺いさせてください
市川 :メドピアに入社する前はフリーランスだったので、契約ごとに様々なサービスの開発に関わることができました。一方、開発における予定役割を終えると、サービスとの関りも終わるという業務委託というスタイルが段々ともどかしさを感じる様になっていきました。特定のサービスに責任を持って向き合い、事業と共に自身も成長していきたいとの想いから、メドピアに正社員として入社しました。医療・ヘルスケアの分野はIT化の余地が大いにあると思っていたことも、入社を決めるに至った理由の一つです。
小林 :私はコンシューマー向けサービスのモバイルアプリ開発に多く携わってきました。仕事のそのものは充実していたのですが、よりダイレクトな社会貢献ができる事業に関わりたいと思い、ヘルスケア領域の事業会社をリサーチしていました。メドピア以外にも幾つか同じ領域の事業会社を受けていたのですが、面談や面接で「実はアプリエンジニアが不足していることが課題で、何とかしたいと思っている」という話しを伺い、 これまでの経験を活かしながら事業成長に貢献できるチャンスだと感じ、入社を決めました。
──入社後、実際に仕事を進めていくなかで感じた、面白さや、やりがいを教えてください
市川 :入社理由とも重なりますが、やはり1つのプロダクトに注力して開発できることはとてもやりがいを感じています。かかりつけ薬局化支援サービス「kakari」ではユーザーが患者さんであり、アプリを通じて、その患者さんの役に立つことができるという点が大きいです。
小林 :歩数計アプリ「スギサポwalk」はアクティビティの高いサービスで、そのぶん反響や影響がとても大きいです。注意して開発していかなければならないところもありますが、自身の経験がユーザーに評価され、ダイレクトにフィードバックを受けるので、シンプルでやりがいを感じています。
最近、食事記録アプリ「スギサポeats」で、アップロードした料理の写真をAIが解析し、摂取カロリーや栄養素が可視化できる機能を追加しました。ユーザーのフィードバックを受け、解析機能を改善しながら精度を高めていくことに面白さを感じています。また、自身がいちユーザーとして楽しみながら、サービスの成長に触れられることも魅力のひとつです。
──そんなお二人だからこそ感じる、メドピアの良いよいところを教えてください
市川 :ビジネスサイドのメンバーと一丸となり、1つのサービスに深く関わることで出来る点です。サービスを利用する患者さんはもちろん、薬局からの率直なフィードバックなども適切に共有されるので、「自分が変えなければいけない」という意識が持てる環境です。またリモートワークでも支障なく開発を進められる体制が整っているのも、とても良いところだと思います。
小林 :メドピアでは、仕事・家庭を両立しながら活躍しているメンバーが多い点はとても良いところだと思います。私も家族がいるので、その辺りをお互いに配慮しながら働ける環境はとても居心地が良いです。また雇用形態に関係なく「良いものを作ろう」というマインドで仕事ができているのも良いところだと思います。業務委託の方と一緒に仕事をすることも多いのですが、レビュー依頼の受け方や返し方、依頼業務の伝え方など、相互の立場を尊重したコミュニケーションができていると思います。
──保立さん笹谷さんから見た、メドピアの良いところも教えてください
保立 :モチベーションが持続しやすい環境も良いところではないでしょうか。サービスの企画や開発に熱意をもっているメンバーがとても多く、より良いサービスをつくるために新しい技術を積極的にインプットしている人が多いです。自身が習得した技術は積極的に社内共有する文化もあるので、共有された情報に触発される人が多いと思います。またSREやサーバサイドのエンジニアはもちろん、PMやディレクターとも密にコミュニケーションを取ります。ビジネスサイドのメンバーがエンジニアに求めたいことを率直に聞いたり、サービス企画に関するディスカッションを行う機会も豊富なので、自分が事業成長にどう貢献しているか体感しやすい環境です。
笹谷 :メドピアではサービス開発を担当しながら、様々なプロジェクトに関わることができます。コードを書くことだけが仕事という環境と比べると、とても幅の広い経験を積むことができます。私は開発グループのマネジメントも担っていますが、長年携わってきているせいか、開発だけではなく取引先とのやりとりや、トラブルにもあまり動じず対応できるようになってきました。メンバーの様子がおかしい、意思疎通できてない、などの異変にも気付くことができる様になったのはメドピアで働く様になってからです。本当はもう少し、自身で手を動かす開発もやりながら、更に技術を磨くこともしたいのですけどね(笑)
──笹谷さん・保立さんにお伺いします、市川さん・小林さんがジョインされてからチームに変化を感じることはありますか?
笹谷 :市川・小林のふたりがジョインしてくれて、これまで手が回っていなかった、コーディング規約やルールの統一などを進めることができるようになりました。また、週に一度、知見共有のための定例会を行い、そこで相談が気軽にできるようになりました。ふたりともアプリ開発の知見があるので、有益な情報も得られるようになりましたね。
保立 :育成と生産性どちらも向上させる仕事の割り振りができる環境になったことが非常に大きい変化です。私自身、かかりつけ薬局化支援サービス「kakari」のリードエンジニアとして、サーバーサイド、モバイルアプリの両方を兼務していた時期がありました。そのような状態では、自身にタスクが集中してしまい安定した成果を上げ続けることは難しくなってしまいます。二人の入社に伴い、それぞれに複数の領域を任せることができるようになったので、私は少しずつ全体のフォローをしながらAndroidの開発に注力することが出来るようになりました。その結果、業務を俗人化させず、仕事とプライベートの両立をさせながらサービスの開発速度やコードの品質向上ができるようになりました。
メドピアのアプリチームの未来。”これから”実現したい組織 ──社員が4名に増えチームとしての勢いが出てきているアプリチームですが、課題はなんでしょうか?
保立 :現在はフルリモートワークなので、プロダクトの企画や入社された方のオンボーディングなど、全てオンラインで進めていくことの難しさを感じています。アプリチームだけでなく、会社全体でフルリモートワークになってから入社したメンバーが増え、全体の半分程度を占めているので、直接お会いしたことのないメンバーも多いです。
日頃から、チームメンバーとのコミュニケーションを大事にしている社風なので、その文化をオンラインでも形成するために、意見しやすい環境をつくるよう心がけています。
笹谷 :やはり、アプリエンジニアが少ないことですね。プロジェクトがたくさんあるうえ、プロジェクトによって正社員がコードを書くのか、レビューを中心に行うのかにより、進め方は異なります。その結果、成果物の品質に影響が出るため、どのプロジェクトでもレビューの深さやクオリティを統一したいと考えています。
アプリ基盤の整備も行いたいですね。CI/CDなど、現在はプロジェクトごとに異なりますが、いずれは全社で統一したいです。「この基盤を使えばメドピアで作っているアプリは動く!」というような基盤を作ることを目指しています。
保立 :技術的な挑戦もしたいのですが、知的好奇心を増やす機会が限られています。アプリエンジニアがまだまだ少ないので、安定したスケジュールの確保やレビューの質に影響することも課題です。
──今後どんなアプリエンジニアの方にジョイン頂きたいですか?
小林 :積極的に、提案や発信をしながら、自分の得意・不得意をさらけ出して、フォローをしあえる方が理想です。お互い切磋琢磨しあえる、そんな方に来ていただきたいです。
市川 :アプリチームにおいて、品質面の意識は改善の余地があるので、品質面やテスト設計に強みがある方に参画いただけると嬉しいです。
保立 :現在リリースしているサービスは新しい言語やフレームワークを使用しており、ライブラリのアップデートやリファクタリングも定期的に行っているため、技術的負債は比較的少ないです。とはいえ積極的に新規事業を展開をしているので、今後、管理が十分に行き届かなくなる可能性があります。こういった背景を踏まえて、新規のサービス立ち上げから参画した方に、ぜひ来てただきたいです。
また、サービスを利用するユーザーは、若い方から100歳を超える方まで年齢の幅は広く、難病を抱えている方など普段接する機会が限られる方にも提供できるサービスを作っています。医療従事者のプラットフォームを活用して、私たちだからこそ提供できる価値を一緒につくりたいというパッションがある方にも、是非、来ていただきたいです。
笹谷 :いろんなタイプの方が活躍できる環境です。品質に対する意識が高い方、基盤に興味がある方など、ぜひ参画いただきたいです。時にスケジュール最優先で開発を進めてしまっていた過去もありますが、現在はスケジュールと品質の両方にこだわった開発をしています。適切なコードを書こうという気概のある方や、1からプロダクトをつくりたい!という方にはおすすめです。また、現状の課題もたくさんあるので、課題解決をしたい方・組織を作っていきたい方にも活躍の場があります。
──最後に、アプリチームで今後作っていきたい理想の組織について教えてください。
笹谷 :アプリの基盤を支えるチームをつくりたいです。また、チームの仲間が増えたらすべてのプロジェクトに社員を配置したいと考えています。
当たり前のことを適切にできるような状態が理想です。テストがあり、レビューを行う。すべてのPJでそういった状態を目指したいです。現状の課題をクリアにし、レビューのできる体制を当たり前に。そして、技術的チャレンジも積極的にできる環境をつくりたいです。
保立 :外部のエンジニアに自慢できる組織をつくっていきたいです。現在、サーバーサイドチームは自慢できる組織だと感じています。サーバーサイドではもともとは品質面が課題でしたが、4年経って解決できるようになってきました。アプリチームもそれにならい、当たり前のことを徹底しながら、新しいことにも積極的にチャレンジできるような組織にしていきたいです。
ビジネスとUXの間にたてるのがアプリエンジニアであると考えています。アクセシビリティなどを勉強しながら、よりよいUXを目指して、アプリエンジニアが事業推進に貢献している環境を築いていきたいです。