週3日のアルバイトとして入社し、「3か月で辞めます」と言っていたのが、気づけば9年。吉村さんは創業期の苦しい時期を内側から見てきました。どん底の時期のこと、ポジティブになれた理由、そしてAIを味方に「1000年続く会社」を目指す今について、率直に話してもらいました。
コンサルから、週3日のアルバイトへ
── まずは自己紹介をお願いします。
奈良出身で、人口6万人くらいの大和郡山市という町で生まれ育ちました。この町が、なんと今の大河ドラマの舞台になっていて、奈良県民はすごく盛り上がっています。
大和郡山市の町並み
大学は京都で、社会人になって東京に来ました。1社目で4年半ほど働いて、そのあとミツモアに来て9年くらいです。
好きな食べ物は唐揚げとカレーとハイボール。あと女性アイドルが本当に大好きで、ハロプロだと今はJuice=Juiceとアンジュルムです。
── ミツモアに入った経緯を教えてください。
前職はコンサルティング会社だったんですけど、結果を出そうと思ったら「戦略だけの話じゃないな」と思ったんですよ。戦略が外れることもあるし、やってみて失敗も成功も全部引き受けて成功まで持っていくのが大事なんじゃないかと。それをゼロからやりたくて、スタートアップに関わりたいと思いました。
自分で起業する話もあったんですけど、相談していた先輩が「事業は人だ。めちゃくちゃ採用がうまくいっている友達がいるから話を聞いておいで」と紹介してくれたのが、代表の彩子さんでした。最初は週3日のバイトから始めて、「3か月くらいで辞めます」と言っていたんですけど、それが今に至ります。
「このままだと潰れる」と思った日々
── 創業から今までで、一番「もうダメかも」と思ったのはいつですか?
当時は赤坂の、エレベーターのない6階建てのビルで働いていました。
ボロボロすぎて天井から埃が落ちてくるし、壁にはヒビが入っている。そんな中で、ありがたいことに5億円の資金調達をさせていただいたんです。投資家の方にそれだけの期待をかけていただいたのに、調達した途端に売上が伸びなくなって、横ばいどころか少し減っているくらいでした。
原因は、ミツモアに登録している事業者さんがどんどん離れていったことです。当時は事業者さんが広告費を前払いする課金形態で、「お金を払ったのに案件が取れない」という意見をいただいていました。
そこで、3か月に1回くらい、まったく新しいプロダクトやサービスの形を出して、それを4回くらい繰り返しました。AIなんて何もない時代です。でも4回やっても売上は伸びず、ほぼ反応なし。土日もずっと働いていて、本当にしんどかった。パートの方も含めて10人くらいのときで、「会社がダメになるかもしれない」と思いましたね。
── そこから、どう変わったんですか?
事業者さんにインタビューすると、「案件が取れていないのにお金を払うのが嫌だ」というのがすごくはっきり出ていたので、そこを変えることにしました。今の、自動で応募して成約したら課金されるモデルにしたのが確か2020年の1月で、そこで一気に伸びて安定しました。
うちにとっては、成約しなければお金が入ってこないという大きな変更なので、当時300くらいあったサービスのうち、まずは確定申告の税理士だけで始めて、徐々に広げていきました。事業者さんの声を直接聞きに行ったことが、今につながっていると思います。
── その頃の自分に一言かけるとしたら?
「諦めなくてよかったね。でも、もうちょっとポジティブになろうな」ですかね。
もともとは結構悲観的なタイプなんです。辞めたいと思ったことも正直あります。
一人目の子どもを産んだとき、夫が海外にいてワンオペだったのですが、仕事との両立がしんどくて、「このままでは自分の仕事人生は先がないかもしれない、辞めなきゃいけないかも」と思っていました。そのときも、彩子さんたちに引き止めてもらって今ここにいます。
自分が不安な顔をしていることで、周りにすごく迷惑をかけた時期もありました。不安がっていても何も進まないことを、体で学んだんだと思います。理想やいいイメージを持ち続けないと、絶対に実現しない。実際に前向きな思いを意識していると、結構実現しているなと思いますね。
AIの進化は、日本にとって「超ラッキー」
──現場仕事の業務支援システム「プロワン」ができた背景を教えてください。
事業者さんの仕事を楽にして、本業に集中してもらうことで日本のGDPを上げたい。そのコンセプトは、ほぼ創業初期からありました。ミツモアが担っているのは集客という一部分なので、それ以外も含めて生産性を上げられないか、と。
プロワンは当初「MeetsOne」という名前だったんですよ。アメリカに調査に行って、ベンチマークにしていたサービスのユーザーさんに話を聞くため、つてがないのでLinkedInで連絡しまくりました。そのプロダクトを使っている会社が、2年で生産性を大きく伸ばしていると分かって、「これはやらないといけない」と始まりました。
ミツモアとプロワンでは、求められるものがまったく違います。システムが止まると、ある会社の業務が全部止まってしまう。その性質の違いは大きくて、会社にとっての転換点になったと思います。
── 今、ワクワクしていることは?
AIの技術進化がこのタイミングで来たのは、日本にとって超ラッキーだと思っています。人口が減ったらもう終わり、みたいな空気があったじゃないですか。GDPは人口×生産性なので、人口が減るなら生産性を上げるしかない。でも10倍にはなかなかならない。そこに、AIで「バーチャルな人間」をこれだけ増やせる技術的な基盤が整った。
これまでは、システムを導入しても使いこなせない人がたくさんいました。どこに何があって、どのボタンを押せばいいのか覚えないといけないので。でも、システムに慣れていないことなんて本当はどうでもよくて、目の前のお客さんに喜んでもらうことが大事なわけです。
AIに話しかければAIが働いてくれるなら、現場の人は電気工事や空調設備といった専門の仕事に集中できる。人をシステムに合わせるんじゃなく、人間中心で生産性を上げる手段が広がっているのが、すごくワクワクします。
ミツモアは「現場業界」に絞っていて、その業界の知見も、知見を持つ人も社内にいる。建設業という大きな市場でそれができるのは、本当にワクワクしますね。
1000年続く会社に、足りないもの
── 入社当時に思い描いていた姿と、今のミツモアにギャップはありますか?
思っていた以上に夢の大きな会社になりました。入社した頃は、とにかく生き残る、何かしら爪痕を残す、くらいの目線でした。それが今は「1000年残る企業をつくる」というレベルで話しています。
それと、私はこの会社の人が本当に好きなんです。チームの共通のゴールのためにめちゃくちゃ頑張れる人しかいない。自分の役割以外でも「やったほうがいいでしょ」ということを、横からどんどん拾っていく人が多いですね。
── 1000年続くために、今足りないものは?
チャレンジして結果を残すことが、もっといろんな場所で起きるといいなと思っています。今の事業は、ゼロから立ち上げたのが全部、彩子さんたち創業メンバーなんですよ。でも、1000年後にはみんなこの世にいないじゃないですか(笑)。
特定の人じゃなく、いろんな人が事業をガンガン生み出す組織にならないと、1000年は続かないと思っています。
挑戦を歓迎するスタンス自体はあります。実は今私は新規事業を立ち上げようとしていまして、普通にやらせてくれる。だから、「挑戦していいんだ」「こうすれば挑戦できるんだ」と伝わる環境を整えていきたいです。
── 今、課題だと感じていることは?
人数が増えて、話す人が決まってきてしまったことですね。
うちにはいろんな事業があって、それぞれ事業の性質やフェーズに応じた難しさを抱えています。その渦中にいるとしんどかったりもします。でも、苦しい局面を乗り越えると「これくらいは乗り越えられるんだ」と器が広がる。泥水はかなりすすってきたので(笑)、つらいと思っている人がいたら「悪いことばかりじゃないぜ〜」と声をかけたい。その接点を、もっと持ちたいと思っています。
これからミツモアに来る人へ
── 5年後、10年後にやっていたい仕事は?
現場業界でAIを社会実装して日本を元気にしたいです。そのための役割は、そのときの状況に応じて一番お役に立てるものをやっていると思います。
── 入社を迷っている人に伝えたいことは?
AIで世の中を変えようと思ったら、ミツモアに入るのが早いと思います。事業づくりのノウハウも、AIのノウハウも、基盤も揃っているので、ここで鍛えられたら、その先のキャリアはすごく広がるんじゃないかな。
今AIを使いこなしていなくても、「興味がある、触っていきたい」という人なら全然大丈夫です。
まとめ
週3日のアルバイトから始まった吉村さんのミツモア人生は、赤坂のビルで「ダメかも」と思った日々、子育てとの両立に悩んだ時期、そして辞めようとしたときに引き止めてくれた仲間とともにありました。
「いいイメージを持たないと実現しない」という言葉には、どん底を越えてきた人の実感がこもっています。AIを使って現場で働く人の仕事を楽にし、1000年続く会社をつくる。その挑戦は、これから入る一人ひとりにも開かれています。
吉村さん、ありがとうございました。
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