SES業界には「案件ガチャ」という言葉があります。どの現場に行くかは運次第、という意味です。
私たちもSESを主軸にしている以上、この言葉と無縁ではいられません。ミラスタがやっているのは、運の要素を減らすために「受けない案件」を先に決めておくことです。
社内には「やらないことリスト」という文書があります。営業が案件を受けるかどうかを判断するための基準で、四半期に一度見直しています。今回はその中身を公開します。
会社が「受けない」と決めている案件
社内に知見がない技術領域の案件は受けません。誰も分からない現場に、一人で放り込まないためです。学習目的でやる場合は、事業部長と代表取締役の承認を取ることにしています。例外を認めるときの手続きまで、ルールに書いてあります。
業務範囲や成果物が曖昧なまま契約を求める顧客とは取引しません。「行ってみないと何をやるか分からない」を防ぐためです。契約書がない、口頭合意だけで業務開始を求められる、という場合も同じです。
過去にハラスメントや過度な要求があった顧客とは取引しません。一度あったことは記録に残します。同じ現場に、次の誰かを送らないためです。
利益率が基準を下回る案件は受けません。これはエンジニアの待遇に直結します。ミラスタは粗利からの還元率を公開していますが、粗利の薄い案件ばかりを積んでいたら、還元率をいくら開示しても意味がありません。単価を買い叩かれた案件を数で埋める、ということをしない。そのための基準です。
判断に迷ったとき、営業は事業部長に相談します。事業部長は24時間以内に判断を返します。例外を通すときは代表取締役の承認と、記録を残すことが必要です。ここまでが決まっています。
受けると決めたあと、誰が行くかを決めるときの「やらないこと」
案件を選んだあとにも、やらないと決めていることがあります。
・本人の意向を確認せずに、配属を決めません
・出社頻度や勤務条件が分からないまま、案件を進めません
・評価の基準や単価を、本人に見えない状態にしません
エンジニアには複数の案件を提示して、本人が選びます。評価は半期ごとの粗利から還元率、翌期の給与へと繋がる流れを明文化していて、毎月の1on1で「いま自分がどこにいるか」を確認します。
正直に言うと、難しいのはルールを書くことではありません
書いたルールが守られているかを、後から検証する方が難しい。
四半期に一度リストを見直し、毎月の1on1で現場の実態を聞いています。それでも「完璧に運用できています」とは言いません。ルールに書いていない状況は起きますし、判断がぶれることもあります。
それでも明文化しているのは、ぶれたときに「ここに書いてあることと違う」と言える状態を作っておきたいからです。基準がなければ、ぶれたことにすら気づけません。
なぜ公開するのか
「何をやるか」を見せる会社は多いですが、「何をやらないか」を見せる会社は多くありません。
やらないことを公開すると、逃げ道がなくなります。それが狙いです。私たちがこのルールを破ったとき、それは外から見て分かる状態になっている。そこまで込みで、公開しています。
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