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95年以上の老舗上場企業、2019年まで数のピーク

多くの周年事業を手掛けてきた企業は当然、長寿企業だ。この長寿企業が国内にどれだけあり、その顔ぶれはどのようなものなのか。今回は上場企業を対象に、100年を1つの目安と考え、2017年時点で95年以上存続している企業をリストにした。

最も多かったのが「化学」で、26社あった。日本の化学産業は肥料の生産から始まったとされ、戦後の1955年に通商産業省が「石油化学工業の育成対策」を打ち出し、急速な成長を遂げた。日本の基幹産業の1つにも挙げられる。その中で最も古いのが、1898年設立で建設用(建築・土木構造物)塗料、自動車補修用塗料の製造・販売を基幹とする日本ペイントホールディングスである。1881年に東京・三田で創業し、1920年に経営の中心を大阪に移している。塗料では世界5位であり、国内で9社、海外で63社のグループ企業を持つ、まさに世界的企業だ。

2番目に多かったのが「銀行業」である。1872年に制定された国立銀行条例によって全国に銀行が誕生したことが理由として大きいだろう。国立銀行条例は米国の銀行を手本とし、渋沢栄一らの起案によって制定された。その後の改正と、殖産興業の進展に伴う企業設立の機運の高まり、そして授産(仕事を与える)政策によって士族が銀行設立で職を得ようとしたこともあり、全国的に銀行設立ブームが起こって153もの銀行が誕生した。調査対象で最も古い1873年設立の第四(だいし)銀行は新潟市を拠点とする地銀で、県内の貸し出しシェアはトップ。2018年4月に北越銀行(長岡市)と合併して第四北越フィナンシャルグループを設立する予定である。

3番目は、第二次世界大戦前の産業の中心的位置を占めていた、「繊維製品」である。18世紀末に英国で始まった産業革命で機械を利用した大量生産工業に発展し、資本主義の世界的な進展を促した。日本の繊維工業は 20世紀に入ってから興り、中でも製糸業は重要な産業となった。第一次世界大戦を契機として紡績業も飛躍的な成長を遂げ、繊維製品は日本の輸出の50%を超えた。しかし第二次世界大戦後は構造不況に陥り、早くから経営の合理化や多角化が進んだ。特に医薬、食品、電子、バイオ、不動産など広い分野で業績を上げている。調査対象で最も古いのは、1888年に岡山県倉敷市で倉敷紡績所として設立されたクラボウ(正式社名は倉敷紡績)である。1889年に設立された本社工場の建物が現在、大原美術館や倉敷美観地区に隣接するホテル・倉敷アイビースクエア(同社のグループ企業でもある)として残っているのはあまりにも有名。現在では、本業の繊維・化成品事業のほか、環境メカトロニクス事業、上記のホテル業を含む食品・サービス事業、そして不動産事業を手掛ける。特に不動産事業は堅調だという。

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https://consult.nikkeibp.co.jp/shunenjigyo-labo/survey_data/20170719_01-1/
出典:日経BPコンサルティングSTAFF ROOM

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