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アジアの新興国・バングラデシュでインターン修行 vol.18

こんにちは
oceanizeインターンの木内陽翔です。
前回の続き、彼の話をしたいと思います。

彼の名前はじゅんのすけ
彼が来たのはちょうどバングラデシュの戦勝記念日でした。
いつにも増して人が溢れかえる中、
待ち合わせ場所には大きな荷物を持った日本人と
そんな旅行者をジロジロ見つめるバングラデシュ人がいました。

すぐわかるバングラの歴史

バングラデシュはもともとインドの一部でした。

カシミール紛争とも呼ばれる戦争によって
イスラム教徒の多い地域がパキスタンとして独立
しかし西パキスタン中心の政治に東パキスタンが独立運動を展開
バングラデシュ独立戦争を経て
東パキスタンがバングラデシュとして独立という歴史を持っています。

この日はパキスタンがバングラデシュ側に降伏した日で
街ではパレードが行われていました。
僕らもとりあえずパレードを見ることに。

サンキュー戦勝記念日

バングラデシュでは普段、女性はあまり外に出歩きません。
もちろん全くいないというわけではありませんが
比率として7:3くらいの印象です。
レストランや服屋さんでも店員さんは男ばかり。
ランジェリーショップすら店員は男だったりします。

しかしこの日は違います。
戦勝記念日ということもあってかみんな外に繰り出し
いつもの街とは打って変わって女性比率が高い。
バングラデシュ人はとても顔立ちがはっきりしています。
街を歩いていると時々
吸い込まれるような美人に遭遇したりするのですが
この日はそんな美人との遭遇率も爆上げです。

アホな大学生2人は
今の人めっちゃ美人じゃね、
今の人やばいな、と
アホな会話を繰り広げ
しかしそんなアホなやり取りでも
日本語飢饉にあえいでいた脳みそは
激しく喜ぶのです。

パレードと戦争

街の真ん中にデンと広がる旧空港から飛び立つ
戦闘機によるパフォーマンス。
戦争は醜いもの、なくなった方がいいものと思う一方で、
戦闘機のカッコよさには惹きつけられてしまいます。

戦争はいけないものだとわかってはいても
戦争の産物たる武器や戦闘機には男のロマン的な魔の魅力があります。
こんな記事を見つけました。
確かにそれはあるかもしれないなぁと
戦闘機を見上げながらしみじみ思うのでした。

ダッカ市内ツアー承ります

お昼も過ぎようかという時間でしたが
そこから国会議事堂に始まり
ダッカのニューマーケット、
ダッカの名前の元になったダッケシュワリ寺院、
時の領主の娘の墓ラルバッケラ、
星柄が愛らしいタラ・モスクと
半日で市内の主要名所を7割カバーしてしまうという快挙?を成し遂げました。

パレード見てたら仲良くなった高校生たち

彼の話

彼の面白さや日本語への渇望も相まっていろいろな話をしました。
これまでの東南アジアでの旅の話や、
年越しパリなどのこれからの予定など
世界一周真っ只中の話も面白かったのですが、
それは彼のブログに譲るとして
驚いたのは、地元が違うのにジモトークができるという
彼のカバー範囲の広さです。

「高校で青春したかった」と繰り返す彼は
部活で汗を流しながら同時に勉強も頑張って
行事にも全力を注ぐ、そんな絵に描いた青春は
もう手に入らないんだと嘆きます。

彼はもっぱらアイドルに傾倒していたようで
もう一回高校生になれるなら、次は文武両道の学校に入って
部活も勉強も行事も恋も全てに一生懸命な
絵に描いた青春を送るのだと豪語します。
少なくとも自分の子どもはそんな学校に行かせるのだ、と。

彼の頭の中には関東を中心に全国の文武両道の高校
(偏差値とサッカーや野球などの県予選の成績を見るらしい。)
の知識があるとのこと。変態です。(褒めてます)

そんな彼の文武両道番付
その頂点に君臨するのは千葉東高校ーーー
偏差値70、ラグビー部などが強豪で
行事も楽しそうで、何より女の子が可愛いという
全てが揃った学校とのこと。

小島瑠璃子と桐谷美玲の出身校なんだとか。なるほど。

能動的7秒間

もう一回高校生になれるのなら
アイドルなんざ見ることなく部活に勉強に邁進するんだ
と息巻く彼ですが

一方でドルオタも悪くないぜ、と言います。

世界一周の旅行に当たって必要な
物怖じしないコミュニケーション力、交渉力は
紛れもなく高校3年間で培ったものだと。

握手会には全てが詰まっていると彼は言います。
握手券一枚で、得られる時間は7秒しかないんだ。
この7秒でいかに記憶に残れるかが勝負なんだ、と。

彼に言わせれば最初の一言で勝負は決まるのだそうです。

こんにちは、なんざ言ってる時間はねぇ、
開口一番どれだけ意外なことを言えるかどうか、
この一言をどれだけ研ぎ澄ますかだ

そんな彼の7秒には俳句のような様式美すら感じます。
確かに7秒を制した者には
異国での見ず知らずの人との会話なんて
ぬるま湯みたいなものでしょう。
どれだけ話しても係員に肩を叩かれることはないわけですから。

現代版わらしべ長者

そして握手会会場には
もう一つの大事な場があるのだと。
それがファン同士の交流場です。
ここで情報交換や特典の生写真などの交換が行われるのだとか。

自分の手持ちで、どうやって推しメンのグッズを手に入れるか
この交渉は7秒とは別の緊張感を孕んだ勝負の場なのです。
彼には生写真に攻撃力が見えるそうです。
弱いメンバーをどうやって成らせるか。

まず自分の目当てのメンバーのグッズを持っているファンを
探し当てるところから戦いは始まります。
そして問うのです。

何があったら交換してくれるか、と。

そしてまたそのグッズを持っている人を探し出し
何があったら交換してくれるか訊ね、さらにまたそのグッズを…
という手順を繰り返して根気強い営業活動と交渉力で
彼は推しメンの写真やグッズをゲットしてきたのだと言います。

木内、気がつく

電車で念願の屋根乗車を果たし
(警官にしばかれました。もう二度とやりません。)
田舎で蛇使いに遭遇したり
日本食レストランに行って腹を壊したりと
その後かれこれ1週間一緒に過ごし
彼は次の目的地インドへ
僕は年末日本へ帰国しました。

この1週間を経て僕はあることに気がつくのです。

あれ、10ヶ月もいるのに
1週間でほとんど紹介しきれるくらいしかバングラ知らない…?

バングラデシュに来ているとはいえ
土曜日以外は特に外に出ることのない僕は
バングラデシュだからできること、
をまだまだ全然体験できていないのではないか…?
2016年も終わろうとする時期に彼に出会えてよかったです。

インターンの期間もわずかになってきたところで
2017年、もっと動かなければ…!!
そう決意するのでした。

つづく。


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