かえって悪かったね
昔、母がよく近所の奥さんたちに何かを差し上げると、後日そのお礼として何かをいただくことがあり、そのたびに母は「かえって悪かったね」と連発していた。私は「そんなふうに思うぐらいなら最初から何もあげなければいいのに」と子どもながらによく思ったものだ。母は、それだけではなく、お祝いごとやお悔やみごとがあったときも、欠かさずお金を包んで渡していた。どうしてそういう一見意味のないことをするのか。お金や物が行ったり来たりしているだけで、結局はプラマイゼロじゃないかと。その疑問に対する答えを、ずいぶん大人なってから、映画「ゴッドファーザー」の中で見つけた。ドン・コルレオーネは、誰かに何かを頼まれたとき...