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映画スタジオ由来の、事業スタジオ。

スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。
新規事業開発を成功へと導くために「未来の物語」を書く事業作家として働く中で考えていることを書き留めています。


職業、事業作家。(毎週月曜日更新予定)|KAZUHIKO KAWASHITA | 川下和彦|note
スタートアップスタジオquantum(クオンタム)のクリエイティブ担当役員であり、事業作家である川下和彦が、日々新規事業開発に取り組むなかで考えていることをまとめたマガジンです。
https://note.com/kazukawashita/m/mf634b5615c93

前回は、プロジェクトのオーナーが決まった後、どのようにチームメンバーを集めるかについて書きました。


オーナーはゴールド、フォロワーはプラチナ。|KAZUHIKO KAWASHITA | 川下和彦|note
スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。新規事業開発を成功へと導くために「未来の物語」を書く事業作家として働く中で考えていることを、このnoteに書き留めています。 前回までは、「誰がプロジェクトのオーナーになるべきか」「オーナーにはどのような資質が求められるか」「組織内にそのような人材が見つからないとき、どこを探せばよいのか」など、 ...
https://note.com/kazukawashita/n/n30bc723e1efe

今回は、その中で触れた、多様な経歴や職能を持つメンバーが所属する組織と、そのまるまるについて紹介したいと思います。

わたしが所属しているquantumの業態は、「スタートアップスタジオ」と呼ばれています。ここ数年日本でもスタートアップスタジオを名乗る組織がちらほら出てきましたが、まだまだ多くの方にとっては聴き慣れない言葉なのではないでしょうか。ただし、「スタジオ」という言葉を聞いたことがないという人はほとんどいないでしょう。そう、スタジオは、映画を撮影したり音楽を収録したりする場であり、「芸術家の仕事場」という意味を持っています。

皆さんもご存知のディズニーやワーナー・ブラザーズといったハリウッドにある大きな映画製作会社は、「映画スタジオ」という仕組みを使って次々に映像作品をつくり出しています。これは、1つのスタジオに、脚本、演出、撮影、照明、音響、編集など、映画製作に必要な役割を担う人たちが揃っており、作品ごとに選ばれたメンバーでプロジェクトが組まれ、製作が進められるという仕組みです。

このモデルを事業開発の世界に持ち込むことによって生まれたのが、「スタートアップスタジオ」です。映画スタジオには作品づくりの専門家が揃っているように、スタートアップスタジオにはビジネスプロデューサー、プロダクトマネージャー、ストラテジスト、リサーチャー、クリエイター、デザイナー、エンジニアなど、ビジネス開発のプロが所属しています。

こうした方式を採用することにより、2つの大きなメリットが生まれます。

1つ目は、「すばやくチームを組成できる」ということです。事業アイデアが決まってから必要なプロジェクトメンバーを探し始めようとすると、まず必要な人材を揃えるだけでもどれだけ時間がかかるかわからない上に、プロジェクトが始まってからいざ一緒に働いてみると、求めていたような人材と違った、と気づくようなことも起こりかねません。1つのスタジオにあらかじめ各分野のプロが揃っている、かつ、そのメンバーたちの働きぶりや得意領域を事前にわかっているので、開発したい事業に適したメンバーを素早くアサインすることができるのです。

もう1つは、「経験や知識を蓄積できる」ということです。以前も書きましたが、新規事業の成功はよく「千三つ」つまり、「千立ち上げても、三つくらいしか成功しない」と言われます。それぐらい新規事業というのは成功させるのが難しいということです。しかし、同じようによく言われる言葉に、「起業は2回目がうまくいく」というものがあります。そう考えると、新規事業開発において、1度挑戦することで得た知識や経験を活かすことがどれほど重要かをご理解いただけるでしょう。このように、映画スタジオが映画制作を内製化することによりヒット作品を出すためのノウハウを蓄積していくように、スタートアップスタジオも新規事業開発を内製化することにより、事業成功の学びはもちろん失敗の経験さえも、組織の財産にすることができるのです。

わたしはquantumのことを、「映画スタジオ」に由来する「事業スタジオ」だと思っています。映画で次々にヒット作品が生み出されるように、事業でヒット製品・サービスを生み出すことを目指しています。そのために、映画スタジオが作家や監督を抱えるように、事業スタジオとして事業作家や事業監督を招き入れ、現場での実践経験を血肉化しながら、組織をアップデートすることに尽力しています。

次回からはしばらく、プロジェクトの進め方について書いていきたいと思います。

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