中林 有加/リードデザイナー (写真:左)
2008年に、ラクーンHD社でデザイナーとしてのキャリアをスタート。約10年にわたり在籍し、初代デザイン戦略部長としてデザイナー部署の立ち上げやマネジメントも担当する。
業務のなかで「デザインの力で事業を大きくする」ことに強く興味を持ち、株式会社一休へ転職。レストラン事業のCRM責任者として、One to Oneレコメンドを中心としたCRM施策の企画、デザイン、実装、分析などを一通り担当した。
2020年には医療系のスマートフォンアプリを開発する株式会社CureAppに転職。アプリのプロダクトマネージャーとデザイン部の立ち上げ部長を務めた後、2022年にクイックへ。現在は、デザインマネージャーとBtoCサービスのリードデザイナー兼プロジェクト統括も務めている。 関口 貴司/リードデザイナー・デザインコンサルタント (写真:右)
大学卒業後、複数のベンチャー企業を経て、20代でソフトウェア開発会社を起業。デザイナー兼ディレクターとして、Webサイト・アプリ・業務システム・VR・MR等の受託開発の経験を積む。
「大企業の商流や、社会全体の仕組みを知りたい」という想いから取締役を退任し、株式会社ローソンへ入社。次世代IT部門のリードデザイナーとして、社内システムのUI・UX開発に携わる。ローソン店舗向けレジ「ATLAS POS」にてグッドデザイン賞を受賞。
「デザインコンサルタントとして様々な企業を支援したい」と考えるようになり、株式会社イデアノーツを起業。知人の紹介でクイック社に参画。現在は主に「デザインコンサルタント」「新規事業のリードデザイナー」として、ビジネス上流からデザイン業務を推進している。
この記事では、クイックにおけるリードデザイナーの活躍事例を紹介。
デザインマネージャーの中林と、長年クイックのビジネスパートナーとしてプロジェクトに参画中の関口氏に、クイックの特色や組織におけるデザイナーの立ち位置を聞きました。
――まず、お二人が「クイックで仕事をしたい」と考えたきっかけを教えていただけますか? 中林: ほかにも色々な企業を見ていましたが、 デザイナーの領域に縛られず、様々な領域に挑戦できる 企業だと感じたのが、クイックへの転職のきっかけでした。私自身、デザイナーと言いつつ、ほかの領域にも挑戦したい性分だったので。
それに、転職を考えていた際の「会社選びの3つの軸」に、ぴったりハマっていたのも大きかったですね。
――どういった軸で企業を探していたのでしょうか? 中林: 1つ目の軸は、EC事業のような「 ユーザーと商品を結びつける仕組みがある 」こと。2つ目が、「 マネジメントスキルが活かせる 」こと。そして3つ目が、「 新規事業などチャレンジングなことができる 」こと。
マネジメントに関しては、 デザイナーの事業貢献を高める組織づくりを続けたい と以前から思っていたので、組織の方針がマッチしているのがよかったですね。
チャレンジングなことができる環境かどうかという点では、 資本力があることも決め手 になりました。お金のあるなしで「できること」の幅は変わってきますし、 資本力があるということは、既にユーザーの支持を得られるものづくりができている ということでもありますから。その点、クイックは問題ないと感じ、応募を検討するようになりました。
――関口さんはいかがでしょうか? 関口: 私がクイックを知ったきっかけは、昔の業界仲間からの紹介でした。
失礼ながら、その当時は御社の社名を知らなかったのですが、その事業内容や社風に惹かれて「ぜひご一緒に仕事をさせていただきたい」という想いが強くなりました。
ーーどのような部分に惹かれたのでしょうか? 関口: まず興味を持ったのは、事業内容でした。といっても、これはすごく個人的な話になってしまうのですが…クイックでは、看護師の転職支援をされていますよね?それを聞いたとき「これは恩返しの機会なのかもしれない」と思ったんです。
というのも、私自身、以前は体が弱く、よく入院して看護師さんのお世話になっていました。「あのとき母親のように支えてくれた看護師さんがいなければ、今の自分はいなかったかもしれない…これは恩返しの機会なのかもしれない」と思ったことが、きっかけになっています。
そして、実際にお話しさせていただいたり、お仕事をさせてもらってからは、 社風にも強く惹かれるように なりました。
――こちらも具体的にお聞きしていいですか? 関口: 性善説に基づいてメンバー同士が信頼し合う など、人間味にあふれている組織作りが非常に印象的でした。私は外部の人間ですが、余計なしがらみや壁もなく、いつも真正面から話し合いをさせていただけることが嬉しいですね。
また、 メンバーの内面性を考慮した上で、どうコラボレーションしていくかを考える柔軟性 も魅力的な企業文化だと感じています。個人的な尺度として「向き合う人達がお互いにリスペクトできる環境かどうか」は仕事を続ける中で特に重視しているため、人間関係に悩むことなく業務に集中できるクイックの文化・風土は、とても良い環境だと思います。
▼社内で高まり続ける、リードデザイナーの重要性 ――クイックでは新たにリードデザイナーを募集していますが、現在のクイックにとって、リードデザイナーはどれほど重要視されているのでしょうか? 中林: 新たな事業を始めるうえでも、既存事業をグロースさせるうえでも欠かせないポジションになっています。
そもそもリードデザイナーは、 「戦略・ビジョン」を考える上流側と、実際に手を動かすデザイナー・開発の現場をつなぐ存在 だと考えているのですが、多数のプロダクトがある中でその重要性とは裏腹に、担える人材はまだまだ足りていません。
戦略を考える上流側は、デザインまで考えて指示は出せませんし、手を動かすデザイナー側も、制作のスキルはあっても事業戦略やユーザーの肌感覚まで熟知して提案できる人は一握り。 上流の考えを汲み取って、それを実現するために「どのような機能やサービスを、どのタイミングで出せばいいのか」といった形で咀嚼する ことが必要不可欠なのに、担える存在が不足している…という現象が、おそらく多くの会社で起こっています。
クイック社内でも、そこを担える人がまだまだ限られている状況です。さらなる成長に向けて新規事業を始める動きがあるなかで、成否を左右する最重要ポジションと言ってもいいと考えています。
――事業を推進するキーパーソンとして求められているんですね。 中林: はい。 組織を束ねる人材 としても、強く求められています。
クイックには多様性に富む社内デザイナーが揃っているのですが、こうした 人材を束ねて、パフォーマンスを引き出すマネージャー がまだ少ない状況です。組織づくりの面でも、リードデザイナーの需要が高まっているといえます。
▼デザイナーが発起人になり、提案していく組織へ ――リードデザイナーがジョインしたことによって、クイックの「デザイナーのあり方」や「環境」が大きく変わったと聞いています。どんな変化があったのでしょうか? 中林: デザイナーが発起人になって提案する機会が増え ました。
以前の社内デザイナーは、サービスプランナーやマーケターからの「これをやって」という依頼を受ける、社内受託のような仕事の進め方が多かったのですが、現在は サービスプランナーやマーケターと肩を並べて語り合い、デザイン戦略を提案していく ような形になっています。
いわゆる 「共創」の環境 になってきたと強く感じていますね。
関口: 世間的にも「共創ができる企業」と「社内受託のような形でデザイナーが働く企業」で2極化しているように感じます。
特に大手企業だと、共創の実現に向けて、デザイナーは「表層的なデザイン」を超えて「戦略・事業的な側面まで考えること」が求められるようになってきました。デザインの意味合いは、以前より確実に広義になっていると感じます。
その点でクイックさんは、オールラウンドでメンバーが手を取り合って進んでいく、前者のような組織に近づいていると強く感じました。5年ほど一緒にお仕事をさせていただいてますが、組織の変化をひしひしと感じています。
中林: 世間的にも、受け身の姿勢だけでは、デザイナーとして活躍し続けるのが難しいかもしれないという声を聞くようになりました。
――どういうことでしょうか? 中林: AIやデザインツールの進歩によって、表面的なデザインだけなら誰でも簡単に、それなりのものを作れるようになってきていると思うんです。具体的な指示さえ出せれば、ある程度の品質のものを返せるAIも出てきていますし。完全に仕事を奪われることはないとおもいますが、手を動かす時間を減らせるようになってきています。
では、空いた時間で何をするのかというと「何を実現すべきなのか」を考え、良し悪しを判断をするところや、目的を汲み取ってAIに的確な指示をだせる 「デザインの上流」を担えることの重要性が増した のかなと。
そういう考えもあって、クイックのデザインユニットでは「ひとりひとりが考え、自走できるように」という方針を掲げていますし、「共創」の風土へ舵を切っています。
進化の途中で課題もありますけど。
▼「どこでも活躍できるデザイナー」を育てる組織づくり ――リードデザイナーとして、お二人はどんなことを大切にしていますか? 中林: マネージャーとしては、「 メンバーとともに思考力やアウトプット力を高めて、成長していける組織づくり 」を大切にしています。
先ほどからの話にもありましたが、「言われたことしかやらない状況」にしてしまえば、デザイナーとしての成長は止まってしまうように感じます。ひとりひとりの担当領域を決めたうえで、自分で考えてチャレンジできるような仕事の任せ方を意識しています。
関口: メンバーのスキルや、何をやりたいかという「想い」と向き合ったうえで、実現できる環境 を構築することは大切ですよね。私も、その点は意識しています。
中林: やっぱり大切ですよね…!
これは駆け出しマネージャーだった頃にやらかした苦い経験なんですけど、メンバーがチャレンジしようとしていたときに「報告してからやってよ」と、細かな指示を出してしまい…メンバーが力を発揮しきれない状況にしてしまったんです。
その反省もあって、メンバーが生き生きと活躍して成長できるよう、 責任と裁量をセットで渡して、仕事を邪魔しないようなやり方 を今は大切にしています。
中林: あとは、 メンバーの理解度が上がるような「共通言語」を提供する ことも心がけています。
たとえば「事業を理解しよう」というざっくりとした指示が出されたとします。それだけでは、目的が曖昧になり、広く浅い理解になってしまいがちです。全体像は把握できるかもしれませんが、事業の目的が自分の業務とどう繋がるのかを咀嚼し、関連付けることができません。
そんな状況では、 いくら考えても事業の解像度が手触り感がある状態までは上がりません 。
そういった状況を目にしたこともあり、「あなたの目標は、こういうユーザーのこの指標を上げること」という具合に、実現してほしいことをブレイクダウンするようにしています。実現したいことを 「共通言語」として共有しあうようにしたことで、メンバーの意識は変わっていきました 。
関口: 「考え方を提供する」 という視点は大切ですよね。
私がクイックと仕事を始めた当時も、目的達成のフレームワークやデザイン思考の型に関する共通言語がまだなかったので、当時のデザイナー達と協力して徐々に組織へと浸透させていきました。
個人的に、システム開発はチーム戦だと思っています。だからこそ、自分が持っている情報を共有して、高め合うことが大切だと考えていて。
アフリカのことわざに、「 早く行きたければ一人で行け。遠くに行きたければ皆で行け 」というものがあるのですが、まさしく一人の乗船員として、遠くの世界、理想へ向かうためにチームで協力することは大切にしています。
▼デザイナー同士、背中を預けられる関係が一番面白い 中林: お互いの情報を出し合うからこそ、あれこれ語り合う面白さもありますよね。
関口: 同じデザイナーでも、アプローチが異なったりして「そういう考え方もあるんですね!」となったり。
――普段別々のプロジェクトを担当されているお二人ですが、一緒に仕事をすることもあるんですか? 中林: 先日もサイトのリニューアル案件でご一緒しましたよね。大掛かりなプロジェクトで、二人でサイト全体のレビューをしました。
そのときは、まず各々の視点でレビューしてから結果を持ち寄り、打ち合いをしていたのですが…関口さんは人間中心設計が専門なので、私のコメントに対して「わかるわかる、人間中心設計でいうこういうことですよね」みたいな切り口で咀嚼してくれたり。
関口: 逆に中林さんはデータを活用して、数値を根拠に課題を見つけてくれますよね。
そのなかで、お互いに違う軸で自由にレビューをしているはずが、同じ発火点・問題点を発見することも多くて。 手法が違っても「やっぱりここは課題ですよね」と会話が成立するのが面白い ですよね。
中林: 本当にそうですね。
言ってみれば、自由にやりつつも 背中を預け合えるような関係 ですよね。そういう関係だからこそ話していて盛り上がりますし、一緒に仕事をして楽しいと思います。背中を預けられる人をもっと増やしていけたら素敵ですよね。
▼「デザイナーは、もっと主張していい!」 関口: 「自由に」で思い出したんですけど、入社直後二人で「荒ぶった」ことがありましたよね?
――荒ぶった? 中林: 人聞きがわるい!(笑)
好き勝手やったとか暴れたという意味ではなくて、主体的に動いて、当時としては目立ったって話です!たぶん…(笑)
――まだ社内のデザイナーが受け身になることが多かった頃の話ですね 中林: あるプロジェクトで、「どういう機能にしていくか、デザイナーの方で考えてみてもいいですか?」と提案したんです。
まだ当時は、デザイナーが受け身になりがちな状況でしたから、デザイナー主体であるべき形を考え要件定義するという一歩踏み込んだ提案に、周囲も驚いていたようでした。
でも、ありがたいことに「こういう視点もあるんだ」と提案に納得してもらえて。このときの動きがあったからこそ、「デザイナーって、こういう活躍の仕方もあるんですね」と、言っていただけました。
それ以降、個々のデザイン提案だけじゃなくて、事業戦略に近い話にも食い込んで行けるようになっています。
関口: 「デザイナーはこういう職種」というお作法を守って自身の業務範囲を定義してしまうと、その範囲内でしか業務を行うことができませんよね。
「私にはこういう想いがあって、実現のためにはこういう事に挑戦したいです」と相談すると、上司がその意図を汲み取って、ちゃんとチャレンジさせてくれる…。一人ひとりと向き合う風土を大切している企業はとても貴重です。クイックは経営層から現場まで一貫して「挑戦に寛容な風土」が定着してる企業だと感じます。
中林: 年齢や役割に関係なく、面白がって仕事をしている人には挑戦枠をくれる会社ですよね。立場に関係なく、フラットに打ち合いができる関係性でもありますし。
こういった組織なので、リードデザイナーもデザイナーも、サービスやクリエイティブのあるべき形に対して、良い意味でわがままに主張してほしいと思っています。表層のデザインや依頼された仕事だけではなく、自発的に提案できることを面白がってほしいな、と。それが、ユーザーに支持され成長し続けるサービスを作る支えになっていくはずです。
▼デザイナーの枠を超えて、サービスづくり・組織づくりを楽しむ ――最後に、リードデザイナーとしてどんな方と一緒に働きたいかを教えてください 中林: まずは「 サービスづくりを楽しめる人 」ですね。クイックのリードデザイナーの場合、サービスプランナーやマーケターと協力して、サービスを作り上げる役割も担っています。
デザイナーの枠を超えた活躍が期待されていると同時に、戦略を立て、事業を動かす面白さも味わえるポジションなので、こういった仕事を楽しんでいける方とぜひ一緒に働きたいです。
加えて、 「何をすべきか(何をしないか)」を考えられるデザイナー組織を、一緒に作っていってくださる方 を求めています。
繰り返しになりますが、クイックとしては、メンバーひとりひとりが自走できるデザイナー組織にしたいと考えています。そのためには、達成したいこと・目指すべきことをメンバーに正しく浸透させることが重要です。戦略やビジョンを咀嚼して伝えるリードデザイナーの腕の見せ所でもあるので、ぜひ実力を発揮していただければと思います。
今後は、リードデザイナー間の連携をより深めることで事業を強化したいと考えています。リードデザイナー同士、背中を預け合って事業を育てていきましょう。
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