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海外タレントへのインタビュー記事ができるまで

こんにちは。株式会社riverchの中谷です。

今日は、弊社運営のTHE RIVERの重要なコンテンツの一つである「インタビュー記事」について、どのようなプロセスを経て製作されるかを、ちょっとだけ紹介します。

インタビューが発生する条件

皆さんは、THE RIVERをはじめとする映画・ドラマ系のメディアで、出演者や監督、クリエイターへのインタビュー記事を一度は読んだことがあると思います。

こうした記事は多くの場合、作品リリースにむけたPRの場として創出されます。

PRといっても、メディア側は一切お金をいただいていません。いわゆるパブリシティ(一般的な露出)の一貫として行われます。

私たちメディア側は、配給会社さんや宣伝会社さんから「こういうインタビューの機会があるのですが、興味ありますか」と声をかけていただいて、そこから媒体との親和性やスケジュール感を見て検討します。

インタビューの準備

良いインタビューができるかどうか、その大部分は準備段階にあると考えています。

対象となる作品を鑑賞するのはもちろんのこと、その関連作品や過去作品、参考資料も時間の許す限りチェックします。

「影響を受けた作品」などが分かれば、そういった作品までリサーチします。

また、対象作品において既に実施されているインタビューがある場合も、できるだけ目を通します。特に洋画作品の場合、日本より本国でのリリースが先行している場合も多いため、海外でのインタビュー記事・動画がある場合は重要な資料となります。

映像があると、その方の喋り方や雰囲気も確認することもできるので、良い心の準備にもなります。

作品を観たり、資料に当たりながら、質問案を考えていきます。やはり、せっかくインタビューをする以上、面白い質問や的を得た質問をしたいものです。「撮影で大変だったことは何ですか?」というような紋切り型の質問案は考えず、その作品や人物固有の質問を捻り出していきます。

また、ファン目線であることも重要です。私は、「ファン50%、プロ50%」の目線でインタビューすることが大切だと考えています。ファン代表として気になるポイントも押さえながら、プロとして冷静な、割り切ったような質問も考えていきます。

用意する質問案の数は、インタビューの持ち時間に合わせて調整します。想定よりも2倍は多めの質問案を準備しておきます。なぜなら、対象者によっては受け答えが簡潔なこともあるし、一つの回答が複数の質問案へのアンサーになっている場合もあるからです。

また、私たちは通訳さんを介さず英語ストレートで取材を行うため、通常よりも多くの質問案を準備するようにします。

インタビュー当日

コロナ禍で来日プロモーションが厳しくなってからは、バーチャルでのオンライン取材が急増しました。ここでは、「バーチャル取材」と「リアル取材」の2パターンに分けて、簡単に紹介します。

バーチャル取材

多くの場合、バーチャル取材は全世界のメディア一斉参加で行われます。タイムゾーンはPST(太平洋標準時)で行われるため、日本時間ではド深夜〜早朝になることが多いです(辛いところです)。

インタビュアーは、取材開始見込み時間の30分前には、指定されたZoom URLに「チェックイン」します。そこではまず「待機室」があり、世界中のジャーナリストが画面上に集まっています。進行スタッフがおり、「◯◯さん、XXとの取材がスタートします」とアナウンスされると、次々と「取材室」に転送されていきます。

例によって、取材時間は「押す」ことが非常に多いです。ようやく取材室に転送されると、その瞬間から取材スタート。名前と所属を名乗ってから、早速質問に入っていきます。

先ほど書いたように、私は「ファン50%、プロ50%」の塩梅が良いと考えています。インタビューの冒頭で、いかに相手のファンだったか、作品のどんなところが気に入ったかなどを伝えると、良いアイスブレイクになります。もちろん、あくまで手短に済ませます。なぜなら、バーチャル取材では持ち時間が4分、5分と非常に短い場合も多いからです。

取材中はモニター上に質問案を表示しておき、確認しながら進行していきます。短い時間なので、集中力を最大限使います。

取材の残り時間や終了タイミングは、Zoomのチャットで随時知らされます。終了すると、そのまま自動的に退室させられます。別の取材がある場合は待機室に戻り、また繰り返しです。

非常に集中力を使うため、終了後は思った以上に頭が疲れます。バーチャルでは時差の関係で、こうした取材は深夜の3時〜6時に行われることもしばしばあります。

リアル取材

コロナ禍前までは、もちろんリアル取材が主流でした。スターと実際に会って話せるという夢のような機会ですが、当然そこはプロとしての仕事の場。「あなたのファンです」と伝えることは構いませんが、写真撮影やサインをねだるのは御法度。おそらく二度と取材に呼ばれなくなるかもしれません。

リアル取材は、多くの場合プレミアイベントに合わせて行われます。取材場所は都内の高級ホテルであることが多いです。普段はなかなか足を運ぶことのない高級ホテルのスイートルームに行けるわけですが、こういう場所はシンと静かなもので、緊張感があります。おそらく、高級感ある絨毯が吸音性に優れているんですかね。

リアル取材の場合も、開始予定時間の30分ほど前に集合し、控室に待機した後、順番に取材部屋に移動します。いよいよ取材対象者と対面となりますが、コロナ禍以前は握手くらいなら許されていました。

ボイスレコーダーを起動します。予備としてスマホでの録音も同時に行います。どちらかが不具合で録音できていなかったり、あるいは紛失してしまうリスクがあるため、録音機は複数台用意します(実際に、スマホのレコーダーがエラーで録音できていなかった…とか、ボイスレコーダーの容量がフルになってしまい、途中から録れていなかった…ということがありました)。

取材中は、取材対象者に最大限の敬意を払い、より良いインタビューになるよう全神経を注ぎます。頭の中は、相手の発言を聞き取ることや、次の質問の聞き方、話題の持っていき方などを考えてフル回転です。「憧れのあのスターが目の前にいて、自分と会話している!」という驚愕の事実に気づくのは、インタビューが終わった後のことです。

話の進め方は、バーチャルもリアルも変わりません。やはり「ファン50%、プロ50%」の精神で、適度なカジュアルさを出しつつ、聞くべきことはしっかりと押さえます。そして、何よりも相手へのリスペクトを持つことが重要です。

リアル取材の場合は、写真撮影も行えます。私はカメラマンも兼任しているため、一眼レフで撮影します。一流のハリウッドスターや映画監督を相手に、自分がカメラマンになって「そこに腰掛けてください」「目線をこちらにください」と指示して撮影するのは……正直、恐れ多くていつも冷や汗をかいています。

(私はどんな相手でも、インタビュー取材に緊張することはほぼありませんが、写真撮影は緊張してしまいます。「早く終わらせてあげないと」と焦ってしまうんですよね。)

インタビュー後

取材後、インタビュー記事を作るところが本番です。バーチャル取材の場合は、後に提供される録音/録画データを元に、リアル取材の場合はボイスレコーダーの録音をもとに作成していきます。

私は、初めのうちはいったん全て英語で書き起こしてから記事化していましたが、最近では慣れたため、録音を聴きながら一発で記事に起こしておきます。自動文字起こし機能を使うと便利です。

録音を聞きながら、自分の指によって有名スターのインタビュー記事が出来上がっていく過程は、えも言われぬ高揚感がありますよ。

インタビュー記事の書き方には、いくつかの「型」や「コツ」があります。ジョインされた方には、良い書き方を指導させていただきます。

リアル取材で写真撮影をした場合は、現像していきます。AdobeのLightroomを使って、写真の選別や編集を行っていきます。撮影中は緊張しますが、綺麗な写真に仕上がるととても嬉しい気持ちになります。

動画編集

最近では動画インタビューの機会も増えました。動画の場合は、Adobe Premiere Proを使って編集、字幕付を行っていきます。THE RIVERでは、動画コンテンツはまだまだ未開拓の領域なので、一緒に企画できる方と働けたら嬉しいです。

以上が、インタビュー記事を製作するまでの一連のプロセスの、ごく表面的なところです。実際には、各プロセスにノウハウやコツがありますので、ジョインされた方と一緒に良い記事に仕上げられたら嬉しいです。

自分の担当したインタビュー記事に良い反応があると、何よりも幸せな気持ちになれます。通常では体験することのできない貴重な機会を活用して、世界に一つだけのコンテンツを一緒に作りましょう。

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