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編集後記:『トップガン マーヴェリック』取材と記事企画 その1 記者会見 編

こんにちは。株式会社riverchの中谷です。

私たちは、海外ポップカルチャー専門メディア『THE RIVER』https://theriver.jp/ を運営しており、現在メンバーを募集しています。

今日は、日本でも大変なブームとなった映画『トップガン マーヴェリック』の取材や、記事企画について振り返る「編集後期」を書かせていただきます。私たちの仕事のワクワクするところが伝われば幸いです。

トム・クルーズとジェリー・ブラッカイマー、来日

ハリウッドスターの来日イベントは、コロナ禍で全くなくなってしまいました。『トップガン マーヴェリック』は、映画館に客が押し寄せるという日常を取り戻させたのと同じように、スター来日イベントを再開させた最初の作品となりました。

厳密には、ドラマ「TOKYO VICE」で主演のアンセル・エルゴートが、『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』でエディ・レッドメインやジェシカ・ウィリアムズが来日していたのですが、大々的な記者会見の実施や、大型会場にレッドカーペットを敷き、観客を呼び込んでのプレミアイベント開催は『トップガン』が初となりました。

トム・クルーズとプロデューサーのジェリー・ブラッカイマーが来日する、というだけでニュースになりました。そしてTHE RIVERの元には、ジェリー・ブラッカイマーへの直接の単独インタビューと、プレミアイベント取材のオファーが届きました。

コロナ期間中はZoomのバーチャルインタビューを多くこなしていましたが、対面でのインタビューが再開できるチャンス。しかも相手は伝説のプロデューサー、ジェリー・ブラッカイマーです。もちろん断るわけがありませんね。

実は、これまで様々な方に取材させていただいた中で、「プロデューサー」への取材は特に興味深いです。なぜなら、映画制作においてプロデューサーは特に多くの権限を持っており、製作の意図や、今後の展開予定についても話を聞くことができるからです。

来日記者会見

5月23日、東京ミッドタウンで2人が登場する来日記者会見が行われました。私は記者兼カメラマン(スチールと呼ばれます)として参加します。カメラ席には大勢のマスコミがやってくるわけですが、良い写真を撮るためには、少しでも前列中央の席を確保することが重要です。これは先着順になってますので、通常カメラマンは、受付時間より前に現地に集合します。

人気のタレントの場合は、1時間、2時間前にすでに列ができていることも少なくありません。『トップガン』はなんと言っても大スターのトム・クルーズですし、久々の洋画来日プロモーションということで、各社気合が入っているだろうと考えました。受付開始は昼の12時でしたが、確か私は朝10時くらいには現地に到着したはずです。それでも、すでに数名の列ができていました。

コロナ禍後、初めての大型来日イベントということで、マスコミは全員、受付エリアで抗体検査を行います。大勢のスタッフがおり、検査クリアをしっかり確認してもらってから入場していきます。

無事に最前列、そこそこ中央寄の席を確保することができました。目の前には「トム・クルーズ」「ジェリー・ブラッカイマー」と書かれたネームパネルと、二脚の黒いソファがあります。

私は、主役となるトム・クルーズの席に向かって左側の席を確保しました。なぜなら、記者会見を進行する司会者さんの立ち位置が左側(しもて側)になるからです。自然、登壇者は司会者さんの方を向くことが多いので、左側の席にいた方が、良いアングルで表情を押さえられるというわけです。

会場はあっという間にマスコミや関係者で埋まりました。久しぶりの来日会見とあって、みなワクワク、ソワソワしているように感じられました。

すると司会者さんより、「開始予定時刻より20分早いが、トムが開始したがっているので、急遽今から会見を開始します」と緊急のアナウンスがありました。こうしたちょっとしたハプニングがあるのも、スターを追う仕事ならでは。結局、この日の会見は、20分早めにスタートし、予定通りの時刻に終了したため、予定より20分長い内容となりました。親日家でもあり、久しぶりに世界ツアーが出来たトムも、たっぷり語って満足そうでした。撮影の苦労話や、作品にかける情熱などが濃く語られた、とても有意義な会見だったと思います。

記事化はスピード勝負

ここからが大変です。約1時間にわたってたっぷり語った内容を、記事に起こしていきます。会見では通訳さんを介する時間も挟まれていたわけですが、それでもトムとジェリーのトーク内容量はたっぷりあります。

会見後、各Webメディアはいち早く記事や写真を出そうと、静かなる競争状態に入ります。速いところは「もうリリースしたのか」と驚くほどのスピード感で記事掲載されています。

会見が終わると、速やかに作業場所に移動し、すぐに記事化を開始します。まずはカメラのメモリーカードから写真データをAdobe Lightroomにインポートし、通常1000枚近くは撮る写真の中から、良きものを次々に選別し、編集していきます。スピードが命ですので、直感的にザクザク進めていきます。

Web記事の場合、写真の掲載点数に特に上限があるわけではありません。とはいえ、多すぎてもいけないので、数十枚程度を掲載します(以前は100枚以上載せることもありましたが、ページが重くなりすぎてしまうといった問題がありました)。人物の靴だけを写した写真や、手元だけを写した写真は、他にない着眼点としてご好評いただいています。

数十枚の写真をサイトにアップロードしている間に、記事の執筆に取り掛かります。THE RIVERでは、会見の取材は基本的に「全文」レポートすることをポリシーにしています。他のメディアでは割愛されてしまうような部分も細かく伝え、その人物の会場での様子や、ちょっとした仕草など、できるだけ文字に起こします。そうすることで、その人の人となりや、会見の空気感、グルーヴ感も伝えることができます。

録音データを聞きながら、発言内容をスピーディーに文字に起こしていきます。会場では通訳さんもおりますが、ある程度ニュアンスが省略されている部分もあるため、原語の雰囲気をできるだけ余すことなく訳していきます。

記事が仕上がり、写真も出来上がって、掲載してからようやくひと段落です。今回、掲載は夜の7時になってしまいました。約9000文字、掲載写真点数76枚。会見内容が非常にボリューミーだったこともありますが、時間がかかりすぎてしまい、悔しい思いをしました。

そうして完成した記事がこちらです。https://theriver.jp/topgun-marverick-pc/

掲載すると、SNSではすぐに反応が続々と見られました。こうした取材は、朝から列に並んで場所を取り、会見が始まれば必死に写真を撮り、話を聞き、終わればすぐに移動して写真を現像し、英語の会見を即・全文記事化し、全て整えて公開に持っていくという、たいへんな裏側があります。それでも、読者から嬉しい反応があると、疲れも吹っ飛んでしまいます。非常にやりがいのある仕事です。

『トップガン マーヴェリック』については、他にも「ジェリー・ブラッカイマーとの直接のインタビュー」「ファン熱狂のジャパンプレミア 」「THE RIVERに掲載する記事企画」と、お伝えできる内容がまだまだあります。ここまでずいぶん長くなってしまいましたので、続きはまた次回。

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