「Salesforceで、本当にやりたいことを見つけることができました」。
現在、中央官庁やその外郭団体を担当するインサイドセールスとして活躍中の鼎(かなえ)理英子も、かつては伸び悩んだ時期がありました。
それは2018年1月、日系の大手ハウスメーカーの法人営業から、Salesforceのインサイドセールスに転職してから半年ほど続いたと言います。
では、どうやってトンネルを抜け出すことができたのでしょうか。それは、Salesforceの企業カルチャーと無縁ではありませんでした。
物流倉庫の提案営業からインサイドセールスへ
大学時代、環境政策・まちづくりを学んでいた鼎が就職先に選んだ先は、大手ハウスメーカーの法人営業でした。
鼎:物流倉庫の見直しは通常、10年、20年に1度の一大プロジェクトです。1案件あたり数億から数十億円もの予算が動く大規模なプロジェクトが大半を占め、構想から用地の取得を経て、建物の引き渡しまではどんなに短く見積もっても2年は要します。当然、規模が大きくなれば検討期間も長くなるため、営業として「種を蒔く人」が、「果実を収穫する人」にならないことも珍しくありませんでした。
何年にも渡るプロジェクトを受注するには、提案のタイミングを取り逃すわけにはいきません。そのため、お客様との良好な関係を長期にわたって維持することが、営業にとってもっとも重要な使命とされていました。
鼎:一般的に、入社3年目までは「仕事を覚えるのが仕事」といわれるだけあって、一人前のセールスとして認められるまでには、相当な時間がかかります。社風も職場の雰囲気も好きでしたし、上司や同僚にも恵まれ仕事も楽しかったのですが、入社3年目に差し掛かる頃から少し物足りなさを感じる場面が増えていきました。日々の業務のなかで「この仕事は本当に自分がやりたかったことだろうか」と考えることがあったからです。
そんな状況のなか、鼎は一見畑違いに思えるIT業界に惹かれるようになったといいます。きっかけは、新しく物流倉庫移転を検討される荷主メーカー各社が、庫内業務効率化を目指してAIやIoTなどの活用を検討されるようになり、ITの持つポテンシャルを実感する場面が増えたからです。
鼎:ITが物流倉庫のあり方を変えていくのを目にして、もっと直接的にITと関われないかと考え始めたことが転職を志す契機になりました。
なかでもSalesforceには特別惹かれるものがあったと、鼎は振り返ります。
鼎:先に入社していた大学時代の先輩から、「ビジネスは社会を変える最良のプラットフォームである」ということを信念にしている会社だと聞いていたからです。学生時代から事業を通じた社会問題の解決に関心があったこと、そしてSalesforceが営業として成長の機会を提供する企業であることを知り、先輩の紹介でITセールス経験を問わないインサイドセールス職に応募することにしました。
上司の支援を受け長いトンネルを抜け出す
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幾度かの面接を経て内定を勝ち取った鼎は、2018年1月にSalesforceに入社します。最初の配属先はインサイドセールスのなかでも、すでにSalesforceと何らかの接点をお持ちの見込み顧客を対象とするインバウンドチームでした。このチームで、中堅・中小企業を担当することになった鼎は、この新しいフィールドで手応えをつかめるようになるまでに半年はかかったと振り返ります。
鼎:いまにして思えば、営業として売上目標を達成したいという気持ちと、お客様のビジネスに貢献したいと思いがうまく噛み合っていなかったんだと思います。それに気づかせてくれたのが、入社以来、常にサポートしてくれた当時の上司の言葉でした。
日々対話を繰り返すなかで、当時の上司は、彼女が数字に気を取らわれ過ぎて空回りしている状況を見て取り、目標から日々の行動をブレークダウンする「逆算思考」の必要性など、状況の改善につながる助言を粘り強くしてくれたと言います。なかでも彼女の心に深く刺さったのは「どんな提案をすればお客様に喜んでいただけるかを徹底的に考え、提案に織り込めば、自ずと目標は達成できる」という言葉でした。
鼎:その言葉を耳にして、私は「お客様」ではなく「自分」の売上目標を中心に仕事を捉えていたのだと気づかされました。
それ以来、鼎はお客様に対してどう貢献できるかを最優先で考え、提案することに注力するようになりました。すると、間もなく状況が変わってきたといいます。入社以来なかなか抜け出せなかった長いトンネルの出口が見えた瞬間でした。
鼎:お客様の抱えている課題を理解し、Salesforceとして何ができるのかを考え、解決策をご提案することで、上司の言葉通りになりました。お客様の役に立つ提案を行うことと、売上目標を達成することは決して矛盾することではないということがよく理解できた気がします。
この経験を通じて鼎は、重い鎖から解き放たれたように、仕事に全力で向き合えるようになったといいます。
鼎:以前は、自分のチャレンジしたいことがあっても、周囲にどう相談すれば良いかわからず、正直距離感をはかりかねていたのですが、この経験を通じてそれも完全になくなりました。上司や同僚と緊密にコミュニケーションをとれば、真摯に解決策のアドバイスをもらえる環境があることがわかったからです。
その後、鼎は、600名から2000名規模の企業を担当する新規開拓型のインサイドセールスを経て、入社から約2年後の2020年2月から、中央省庁および関連する外郭団体を担当するインサイドセールスのメンバーとして活動中です。これは本人の強い希望によって実現した異動でした。
鼎:学生時代から、行政が人々に与える影響力の大きさに関心があったのと、デジタル化の提案可能性に満ちたこの分野を少しでもよい方向に変えることができたら、「社会を変える最良のプラットフォーム」作りに貢献できるのではないかと思い、公共セクターを担当するインサイドセールスへの異動を願い出ました。
営業の対象は、民間企業から公共機関へと変わりましたが、インサイドセールスがやるべきことの本質は変わらないと鼎は話します。
鼎:インサイドセールスの使命は、想像力を働かせてお客様が本当に必要とされているサービスを届けるため、商談のクロージングを担う外勤営業に精度の高いパスを出すこと。その点において民間企業も中央省庁も変わりはありません。やるべきことを正しいプロセスとタイミングで行うことが大事だと思っています。
公共セクターの担当として新たな可能性を模索
いまはまだ、異動したばかりで目先のことで精一杯だという鼎ですが、少しずつ次なる目標の輪郭が明確になり出したと話します。
鼎:いま取り組んでいる公共機関担当の外勤営業にステップアアップするのが当面の目標です。その先のキャリアについてはまだわかりませんが、サステナビリティ関連の業務や非営利団体向けのビジネスなどに携わることも視野に、キャリアの可能性を少しでも広げていければと考えています。
そんななか、Salesforceによる公共サービスを支援する動きも加速しています。
今年3月、鼎が所属する公共機関担当のセールス部門が中心となり、新型コロナウイルス感染拡大に伴う市民への支援対応のため、千葉県船橋市の保健所に対して、クラウド型業務支援パッケージの無償提供を実施。すでに運用が始まっています。
鼎はこの取り組みを通じ、自分の仕事が保健所職員の方々の負担軽減や問い合わせ対応の効率化につながっているということを改めて感じたと話します。
鼎:今後、船橋市のように、全国の保健所で同様のサービスが導入できると、問い合わせ対応業務の合理化に貢献できるはずです。これからもこうした取り組みを通じて、社会に貢献できたらと思います。
Salesforceには、社員同士が助け合い、喜びを分かち合う文化があると鼎はいいます。
鼎:Salesforceではさまざまな才能を持った人を温かく迎え入れ、個人の才能を伸ばし、できる限り社員の願いを叶えようとする文化があります。私自身もその恩恵にあずかった1人として与えられたチャンスを活かし、お客様の成功に貢献できるよう経験を重ねていきたいと思っています。
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