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グラフィックデザイナー社内勉強会『IN THE SALT vol.01』を開催しました

先日、SALTPARKでグラフィックデザイナー社内勉強会『IN THE SALT vol.01』を開催しました。

勉強会開催の目的

ソルトワークスのデザイナーは、アウトプットの共有こそ頻繁に行いますが、制作の過程の思考を共有する機会はなかなかありませんでした。コロナ禍以降に特に難しくなったことでもあります。
そこで今回の勉強会ではソルトのグラフィックデザインをけん引するデザイナーがなにを考えながら制作をしているのか?即興で年賀状のデザイン制作を披露してもらい、それを見て聞くことで今後の制作のヒントにつなげていくことを目的として開催しました。

今回はグラフィックデザイナー主体の勉強会でしたが、WEBデザイナーやエンジニア、マーケターも参加しました!

勉強会は夕方からスタート。小腹が空く時間帯だったのでスターバックスのコーヒーとドーナッツが用意されました。もちろんコーヒーとドーナツを片手に参加OK!

講師の紹介

ソルトを代表するデザインの数々と実績を誇るチャパが講師を担当しました。

チャパ
グラフィックデザインチーム

北海道出身。20代半ばまではコールセンターで働きながら国内外で美術の作品発表をしていた。結婚を機に移住した福井県でメガネの修理会社に就職しながら、個人的にイベントの企画運営などをしていたが、その時に営業用のチラシやSNSのバナー等を制作していたのがきっかけでグラフィックデザインを仕事にすることを意識するよう に。2019年に札幌に帰郷したのを機にソルトワークスに入社。 グラフィックデザイナー5年目。

進行役はグラフィックデザイン担当GMの糖分とアートディレクターのminorが務めました!

テーマは「手早くアイディアを共有して形にする」

今回の勉強会では、チャパがその場で考案されたモチーフをもとにラフデザインを複数つくり、そのなかから一点選んで『年賀家族』の新作年賀状を制作します。

チャパからは冒頭に「今回、わたしにお声がかかった理由をイベント発案した糖分さんとminorさんに伺ったところ、”制作に取り掛かるスピード感をみんなに直に見てもらいたい”とのことだったんですね。なので、今回のプレゼンのためにあらかじめ制作物を準備していたら、主催している糖分さんやminorさんの見せたいものは見せられないと思い、あえて準備しきれない状況をつくっています。40分で3案以上、普段なら普通にできると思うんですけど、ぶっつけ本番なので、うまくいかなかったらいかなかったで皆さんで面白くしてくださ〜い」とコメントがあり、若干ゆるい感じでスタートしました!

勉強会で使用したスライドの一部

普段の業務ではこのように偶然に頼ったプロセスで制作テーマを決めているわけではありませんが、勉強会では即興性を出すことや参加者が気軽でフラットに題材を出せる形を考えて、その場でモチーフを決めるという流れをとりました。

モチーフは「P」に決定!

まずはモチーフとなる記号を決めるため、勉強会参加者3名に記号を描いてもらいます。
参加者が即興で書いた記号は「アスタリスク」「P」「星型」と予想もできない展開に!
モチーフはあみだくじで「P」に決まりました。

即興年賀状公開制作スタート!

40分間で「P」をモチーフにした年賀状デザインのラフ案を3作品つくっていきます。

「緊張する…引き受けなきゃよかった…」などとぼやきつつ、モチーフが決まった瞬間からチャパの手が動いていきます

あっという間に1つ目のラフ案ができている…!

2つ目のラフ案で早くも動きが止まったところ「Pを増やすのはどうですか…?」と、会場からささやきが。すかさずHAPPY NEW YEARのPを増やして干支のイラストと絡める

チャパの手元をスクリーンに映しながら進行します。「手で描くのとPCソフト内で考えるのを区別してないです。考えるために描いてるのでラフは裏紙に書いて邪魔になったらシュレッダー行き」

参加したグラフィックデザイナーもその場で思いついたアイディアを書き留めていました

3つ目のラフ案はなにやら大きなイラストが!

40分の制限時間よりも早く3つのデザインが完成し、まだ時間が余っていたので、参加者からのリクエストに沿ってラフ案を追加で制作しました。いろんな「P」が表現された案が4つ出揃いました。

会場の多数決で4案のなかからドラゴンのイラストがメインビジュアルのラフ案が採用されました!

選定理由として参加者からは「純粋にドラゴンイラストの完成形をみてみたかった」「ドラゴンが家族を包み込んでいるのが良い」といった声がありました。

選ばれたラフデザインを、さらに40分かけて調整します

ラフ案 → (ラフデザインの)完成形!

ラフデザインの完成形はこちら!

ラフで描いたキービジュアルのドラゴンのイラストが具体化されましたが、まだテクスチャや細かな造形で迷っている模様。ラフ案にはなかった「辰年」のあしらいも追加されています。
年賀状は小さなハガキサイズで親しい人へのコミュニケーション用途で使われるものなので、宣伝を目的としたポスターやチラシとはサイズも用途もちがいます。そのため装飾しすぎるとくどくなってしまうので引き算を意識しながら制作しているそうです。

後日ブラッシュアップを重ね・・・・



デザインが完成しました!
こちらのデザインは11月17日(金)に『年賀家族』にて公開予定です。
ぜひチェックしてみてくださいね。

さいごに

チャパから学生時代に読んで印象的だった、ある陶芸教室でのエピソードを引用して、メッセージがありました。

“教室の左半分の学生は作品の「量」によって、教室の右半分の学生には作品の「質」によって、それぞれ成績がつけられることが言い渡されました。(中略)「質」が最高と評価された作品は、どれも「量」によって評価されるグループによるものでした。”
『アーティストのためのハンドブック制作につきまとう不安との付き合い方』(デイヴィッド・ベイルズ, テッド・オーランド著)

「”質”は後からの評価によって決まるものだから、初めから質の良いものを選択してつくることは難しいですよね。かえって不安で手が止まってしまうことも…。大事なのは自分の思う色々な”質の良さ”を想定して、できる範囲で数多く試して検討すること。幸い、年賀状のテンプレートデザインはお客様に色々なものを提案して、その中から選んでもらう形態になっているので、気楽に取り組んでほしいです」

また、制作思考についても触れ「学生のころは出されたコンセプトありきで制作することに囚われていたが、制作の本来の目的はコンセプトを守ることではなく、良いものをつくること。コンセプトはお客様にサービスを届けるために設定された入り口だから大事だし、迷ったら戻ってくる場所でもあるが入り口であって目的地ではない。ディレクターから出されたお題を守るために制作するのではなく、そこから出発して手の先の制作物がお客さまに刺さるものになりそうかつくりながら考えるのが(デザイナーの)仕事かなと思います」と伝えられました。

進行役の糖分からは「ソルトのグラフィックデザイナーは年賀状デザインが基本になるが、特にチャパは色んな可能性を広げていってくれる存在になっている。Pというお題も相まって素晴らしい4案ができたと思う」
minorからは「自分は悩んだら一旦手を止めるタイプだが、悩みながらもとにかく手を動かすことが大事だなとチャパを見て思った。ひたすらなにかやっていたらつながるのではないかと感じた」と総評がありました。

参加者からは定期的に今回のような勉強会を続けていきたいとの声がありました。
次回の勉強会もレポートしますのでお楽しみに!

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