シードテックが独自に開発したエンジニア育成プロジェクト「Seed Tech Camp」の第一期生として、IT未経験からキャリアをスタートし、現在はDX・AI Solution Division 2 神戸チームのリーダーを務めている中原さん。
「未経験だから」「地方だから」という理由で選択肢が限られていた中、どのようにエンジニアという道にたどり着き、リーダーという役割を担うところまで成長できたのか、じっくりとお話を伺いました。
"選べる仕事がない"と思っていた、地方での日々
―シードテックに入社するまでのご経歴を教えてください。
新卒で食品工場等の衛生管理を支援する会社に技術営業として入社し、4年ほど勤務しました。大学の農学部で生き物や食べ物について学んでいたので、その分野に関わる仕事がしたいという思いがあったんです。その後、家族の介護をきっかけに、地方に住まいを移し、派遣スタッフとして食品検査会社に勤務していました。
―移住に伴ってお仕事を離れることになった際、次のキャリアについてどのように考えていましたか。
やむを得ない事情ではありましたが、祖父の空き家に住むことになり、車で1時間走れば市内の中心部にも行けるので、なんとかなるだろうと考えていました。検査会社の仕事にやりがいを感じていたので、そのまま正社員として働くことはできないかと思っていました。ただ、片道1時間かけての車通勤だったこともあり、夫や両親から「そんなに遠方で大丈夫なのか」と心配されることもありましたね。
―地方で働く場合、選択肢が限られてしまう現実もあるのではないでしょうか。
確かに、求人を見ても医療系や介護系の仕事など、資格が必要なものが多く、その次に事務系の仕事、そしてコンビニやドラッグストアのアルバイト募集といった順番でした。工場の求人もありましたが、内容を見ると力仕事が中心で、男性を想定しているだろうなという募集ばかりでした。キャリアを積むという発想にはなかなか至りづらいかもしれませんね。
―そんな中、プログラミングに興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか。
派遣先の検査会社の仕事がアナログな現場だったので、自分なりに業務を効率化しようとしていたときに、ExcelのVBA(プログラミング言語)に触れる機会がありました。その時に、「プログラミングを学べば効率化し放題だ」と気づいて、そこから独学を続けていったんです。職場で仲良くなった方がいろいろと教えてくださって、その方に勧められる形で、基本情報技術者試験を受験し、合格しました。
当時はキャリアに直結させようというよりも、今の仕事を楽にしたい一心からの受験だったんですが、通勤時間への家族の懸念や、ちょうどそのタイミングで正社員登用の募集がなかったこともあり、派遣から正社員へというキャリアが見えづらくなり、せっかく学んだプログラミングを活かすチャンスはないのかなと考え始めました。
「これは、私のための募集だ」と思った、「Seed Tech Camp」への挑戦
―そんな中で、「Seed Tech Camp」との出会いがあったんですね。どのような点に惹かれたのでしょうか?
いろいろとSNSや求人情報を覗き始めたタイミングで、シードテックの採用担当の方から直接メッセージをいただいて、そこで初めて「Seed Tech Camp」を知りました。
「地方で働ける」「リモートで働ける」「未経験でもOK」「サポート体制がある」と、当時の募集要項に書かれていたこれらの言葉が、もう基本的に全部、その時の自分が求めていたものとぴったり重なっていたんです。自分の境遇がそのまま書かれているような感覚で、運命を感じて、応募せずにはいられませんでした(笑)。
―選考を受けるにあたって、不安や迷いはありましたか。また、ご家族の反応はいかがでしたか?
家族は「こんなにもありがたいことはない、この機会を必ず掴み取ってこい」というくらいの勢いで送り出してくれました。周りの理解も得られていたので、不安や迷いもなく、ただひたすら前に進んでいけました。今までの自分にはなかったくらい、貪欲に選考へ向き合っていたと思います。面接の準備もかなり入念に行いました。
―実際の研修(Java・ローコード/ノーコード、3ヶ月間)は、どのようなものでしたか?
苦労したというより、楽しかったという記憶のほうが大きいです。当時はAIが少しずつ使われ始めた時期で、私自身も学習の際に使ってはいたのですが、まだアウトプットの精度が低い時代だったので、結局は自分たちで調べたり、仲間を頼ったりしながら学んでいくことがほとんどでした。
ただ、みんな初心者からのスタートで、つまずくポイントも同じだったので、横並びで進んでいける安心感があったんです。日々の課題やグループワークもしっかりとした量がありましたが、それも楽しかったですし、予習復習に熱中して、気づいたら夜遅くなっていたということもよくありました。
年齢はメンバーによって10歳以上離れていましたが、それを感じさせないくらい、みんな同じ意識で一致団結していましたね。
▲「Seed Tech Camp」キックオフセレモニーでのスピーチの様子
―同期の仲間との関わりで、印象に残っているエピソードはありますか。
夜遅くまでみんなで課題に向き合っていたことは、今でも思い出話で盛り上がります。また、前回の「All Hands Meeting」で同期のメンバーがMVPを受賞したときのことは、本当に大切な思い出です。こういった表彰というと、営業メンバーのような売上に貢献した人、数字を出した人が選ばれるイメージがあったので、エンジニアの現場からMVPが出たことがとても感動的でした。受賞後の休憩時間も、みんなで駆け寄って「受賞すると思ってたよ!」とお祝いしましたし、自分のことのように嬉しかったですね。
―エンジニアとして着実に経験を積まれていますが、振り返ってみて、成長を実感した瞬間はありますか?
大手IT企業のプロジェクトで、要件定義の段階から携わった案件があったのですが、先方と打ち合わせを重ねながら無事にリリースできて、「このシステムは使いやすいから、今も使っているよ」とクライアントから直接言ってもらえたことがありました。この3年間、地道にやってきたことが花開いたのかなと感じた瞬間です。
―シードテックで働き始め、生活はどのように変わりましたか。
私の事情を汲み取っていただき、ハイブリッドワークにて働いていますが、家の事をできる範囲が増え、家族との時間を大切にできるようになったのが一番大きな変化です。
また、昔から資格を取るのがちょっとした趣味なのですが、仕事に活かせるならと基本情報技術者や応用情報技術者、データベーススペシャリストといった資格も取得してきましたし、今は情報処理安全確保支援士の取得に向けて勉強を続けています。
自分の現状に合った働き方を認めていただいている分、貢献しなければという気持ちもありますし、家族と過ごす時間が増え、精神的にも安定しましたし、家族との関わり方も穏やかになったなと感じています。
シードテックは、一人ひとりの考えに全力で向き合ってくれる会社
―リーダーに就任された際、ご自身の心境はどうでしたか。
神戸のメンバーの中で最年長だったこと、前職の技術営業の経験からお客さまとのやり取りにも慣れていたことなどから、メンバーの声を取りまとめて伝える役割を自然と担うようになっていました。ある日、代表の高原さんと取締役の平井さんとの面談の中で打診を受け、不安はありましたが、自分のキャリアをもう一段階前に進めたい気持ちもあったので、チャレンジを決めました。
―シードテックに入社してから、ご自身が一番変わったと感じる点は何ですか。
自分の考えに自信を持てるようになったことですね。以前は「これで合っているのか」と不安を抱えながら物事を進めることが多かったのですが、プログラミング的な思考が身についたことで、筋道を立てて論理的に考えられるようになりました。家族からは「説得力を持って話せるようになったね」と言われる回数も増えましたね。
―シードテックはどのような会社だと感じていらっしゃいますか。また、中原さんが所属するDX・AI Solution Division 2についても教えてください。
シードテックは、一人ひとりの考えに全力で向き合ってくれる組織だと感じています。神戸チームのアウトプット品質をもっと上げていきたいと提案したときも、すぐに具体的な改善策を聞いてもらい、会社として実行に移してもらえましたし、役員の皆さんが現場の声に耳を傾けて丁寧にヒアリングしてくれる組織風土があります。また、良い取り組みはすぐに他のチームへ横展開される文化もありますね。
私が所属しているDX・AI Solution Division 2は、一人ひとりの個性がとても強いチームです。お互いの個性を大事にしながら、人と人とのつながりも大切にしている、信頼できるチームだからこそ、いい意味で頼り合うことができています。
技術的な気づきや知見をテキストベースで残すナレッジ文化が根付いていて、その項目数は3ケタを超えます。誰かが休んだときにも、すぐに共有してフォローし合える環境が根付いていますね。
▲全社会での同期との一コマ
―中原さんがチームや部下と向き合う上で、大切にしている考え方はありますか。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉を指針にしています。信頼は、一つの失敗で一瞬で失われてしまうからこそ、自分の失敗も含めて先人の知見を共有し合い、そこから学べる関係性や環境をつくることを意識しています。
―これから挑戦したいこと、目指していきたい姿について教えてください。
個人としては、神戸のメンバーには「地方の星」になってほしいという思いがあります。私と同じように、それぞれの事情で都会に出ることやキャリアを諦めかけている人がいらっしゃるのではないかと思うので、そういった方々にとってのロールモデル的な存在やチームになれたら嬉しいですね。
リーダーとしては、「中原に相談すれば大体解決する」と言ってもらえるくらいの経験と知識を積み重ねていきたいです。また、たとえ自分が不在でも、メンバーの技術力でチームが回っていけるような、個としても組織としても強い体制を築いていきたいと思っています。
―最後に、シードテックに興味を持っている方や、これから新しい一歩を踏み出したいと考えている方に向けて、メッセージをお願いします!
向上心があって、AIや新しい技術に触れてみたいという気持ちのある方は、シードテックと相性がいいと思います。自分がやってみたいことや興味があることなど、まずは、カジュアルに伝えていただけたら嬉しいです!
仕事、家庭、趣味など、何かを諦めなければいけないと思いがちですが、私は全部を欲張りに求めてチャレンジしてきました。キャリアに何かしらの制約を感じている方にとって、私の話が小さな後押しになれば嬉しいな、と思います。
―ありがとうございました!
取材で強く伝わってきたのは、中原さんの飾らない前向きさでした。「全部、欲張っていい」と笑って言い切る潔さの一方で、その言葉の裏には、独学でプログラミングを学び、資格取得にも一つひとつ地道に向き合い続けてきた、努力の積み重ねがありました。
地方に暮らしながら、自分の手で新しいキャリアを切り拓いてきたその歩みは、まさに「LIFE SHIFT」を体現する生き方だと感じました。
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