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SEKAI HOTEL interview #5 / 日本の多彩な在り方の実現へ SEKAI HOTELを通して伝えたいメッセージとは?

※本投稿は2020年の4月に投稿したストーリーの再投稿です。

今回はこの方!独創的なアイデアで私たちを魅了し続ける我らがSEKAI HOTEL代表、矢野浩一さんの登場です。なぜ不動産の道に進んだのか、なぜSEKAI HOTELを創ったのか、「なぜ」を通して矢野さんの考える社会の在り方ついて聞いてみました。

ープロフィール

クジラ株式会社 / SEKAI HOTEL 代表取締役

不動産仲介業の経験を経て、2007年にクジラ株式会社を設立。不動産・建築業界では珍しいホラクラシー型組織を導入し、成長・変革を続ける。

2017年6月に放置された空き家を再活用するまちごとホテル化プロジェクト「SEKAI HOTEL」をOPEN。

https://www.wantedly.com/users/23594501


努力がわかりやすく結果として現れる仕事を

ー学生時代から不動産の仕事に興味があったのですか?

もともとは板前になりたいと思っていました。高校卒業するタイミングで大学進学も考えていたけど、親への負担を考えたり大学に行きたいというわけでもなかったので、1年間で卒業できる調理師学校へ行くことになりました。当時飲食のアルバイトをしていたときの店長から、調理師を目指すなら親元離れないとだめだと言われ、大阪に行くことに決めました。


ー実際に大阪に来てどうでしたか?

最初はめちゃめちゃカルチャーショックをうけました。都会やなぁと思ったのと、関西弁を話している人みんなが怒ってるように聞こえ、何を言ってるのかも分からなくて圧倒されたのを覚えています。


ー板前から、なぜ不動産の道へ進むことになったのですか?

当時カラオケと中華屋さんでアルバイトをしていました。その時は漠然と中華屋さんになりたいと思っていたんだけど、実際に働いていく中でふと料理する側ではなく食べる方がいいかなと思うようになりました。また、次働くなら努力がわかりやすく結果や数字として現れるものがいいと思うようになり、営業かアパレルの仕事を考えるようになりました。

知り合いに一番最初に紹介されたのが不動産の会社で、迷わずそこの会社で働くことになりました。それが19歳のとき。もともと独立しようと考えていたので28歳の時、独立しました。


ー不動産業界からなぜホテル業界に展開されたのですか?

東京や大阪の中心部は人が集まりやすいのに比べて、地方はだんだんと人が減ってきているという現状があります。そんな中、地方の魅力を引き出すような不動産の開発をしたいと思うようになりました。不動産という側面だけではなく、中古物件をリノベーションして、街をもう一回デザインしていくようなチームを作りたい。そして、ホテルという形で街を盛り上げていくのができたらいいなと思い、SEKAI HOTELを展開しました。


社会性の意義を考えていく中で感じた孤独感

ー経営していく中で、最大の試練について教えてください。

会社の中身を変えようとし始めてからの5年間はしんどかったです。


ーどのような点にしんどさを感じましたか?

会社としての方向性が、物理的な報酬よりも社会的な意義を大切にし始めた時、それに伴い行う仕事も少しずつ変わっていきました。付き合いの長い社員ほど物心両面でなかなか理解してもらえなかったし、社内が一丸となっていくというのも皆無でした。だからこそ、ずっと一人でやっているような気持ちがありました。

一方で現在、社員として活躍してくれている子たちがインターンとして入ってくれたときは、すごく賛同してくれて一体感はありました。ただ学生の間はもちろん学業優先で、仕事においてのスキルもそこまでは無かったので、会社の収益を出すことや、会社の思想部分を自分一人で賛同してもらえるようにやっていた時が一番の試練だったと思います。

当時、新しいことをするほどお金の余裕はなく、自分の時間を投資するしかありませんでした。昼間は仕事をして会社の生計を立て、夕方からはインターン生と研修や会議。そのあと皆でご飯に行き、たまにカラオケに行ったり…。終電を逃した子たちを一人一人送っていたので、家に着くのは深夜3時とか4時になることもしょっちゅうでしたね。


何がカッコ良くて、何がダサいか

ー矢野さんといえば、数々の矢野語録を生み出してきたと思うのですが、そのような考え方になった  きっかけを教えてください。

性格的に人に教える側をイメージすることが昔からあって、社会人になってからも若くから人を管理する側にまわったこともきっかけの一つかなと思います。自分の考えやノウハウを人に自分の言葉で伝える機会が多かったのは事実です。改めて今考えてみると、漫画による影響が大きかったとも思っています。漫画に助けられたこともたくさんありました。人を助けたり豊かにするのは、言葉と想像力が多く影響すると思っていて、言葉とセットでさらに情景まで入ってくるとその人の価値観に残りやすくなります。経営者になってからは特に、心に残りやすい言葉を意識して使うようになりました。


ー中でも一番学びの多かった漫画はなんですか?

ありすぎて決めれません(笑)でも、一番好きな漫画と言われると迷わず「るろうに剣心」です。この漫画は、強い人から弱い人、いい人から悪い人まで全部出てくるのですか、結局みんな自分がなぜ生きていくのか、なぜ生まれたのか、という情景がすごく繊細で多彩だなと思っています。少年ジャンプ的に読みやすい漫画でもあるんだけど、すごく深くも読むことができる。自分の人生を考える上ですごく影響してる漫画です。


ー組織づくりで一番大切にしていることを教えてください。

組織作りとするなら風土かな。個人の考え方として、コミュニティの中でしか働かない力学があると思っていて、それは基本的に「何がカッコ良くて、何がダサいか」その二つしかないと思っています。風土はそれに当てはまり、例えば、道端にゴミが落ちていてもほとんどの人が拾わないと思うけど、うちの会社のメンバーと歩いていると拾っちゃうとか、寝坊することが恥ずかしいからやらないとか。強い組織こそ尊厳や誇りを必ずもっています。だからこそ、何がかっこいいか、何がダサいかの風土づくりを大切にしています。


ー矢野さんからみたSEKAI HOTELで働くことの強みについて教えてください。

ホテル業界だけでない多彩な人材が集まっていることかな。あと、地域社会や社会に貢献するという意欲をもった人材しかいないということ。うちの会社は、地域の住民とのコミュニケーションを大切にしたり、商店街の空きテナントをリノベーションしたり、アナログで手間がかかることばかりしています。にもかかわらず積極的に自社でYoutueにチャレンジにしたり、ORDINARY MARKET(ORDINARY体験を事前に予約できる自社ECサイト)にチャレンジしたり、すごくアナログなポジションにいながらも、最先端のトレンドにもちゃんと着手してやっているところが強みだと思っています。それは既存の宿泊業界に足らないところでもあると思います。


ー今後のビジョンや展開について

日本だけではなく世界的に主要都市ではない地域やエリア単位に着目すれば、世界中には多彩な魅力があると思っています。色んな地域・地方の魅力を発見して発信するだけではなくて、発見したものを地元の方と一緒になって編集し、アップデートしながら発信していきたいです。それがビジネスとして成り立つくらいユーザーに認めてもらえれば、もっと面白い旅行業界になると思います。

また、生まれ育った場所を自信をもって他人に自慢できるのはすごい財産だと思うけど、今はそういう人のほうが圧倒的に少ないですよね。お国自慢をしたり同郷の人と集まって飲み会をすることはあっても、それを他人が見てリスペクトできる時代ではない。でももし、お互いリスペクトできる時代となったら、もっと社会も豊かになるだろうし、各地方も元気になると思います。

いち個人としてもそのような日本の多彩さを楽しみたいし、ワクワクしたいです。そのようになるきっかけとしてSEKAI HOTELが全国に広まってくれたらいいなと思います。


ー最後に、働く上で大切なことは何だと思いますか?

「目的のために自分のプライドを変えられる人」

プロとしてやっていたら、自分が取り組んだことのない場面が必ずきます。そのときに、プライドを変えずに貫ぬけるのは平時だと思っています。有事の際は自分のプライドを曲げてでも、変えてでも望まれるプロとして、結果を出すことのできる人がプロと言えるのではないか。

そのような意味でも自分がやってきたことの延長線上にプロはいないと思っています。人生において今まで通りでは通用しないタイミングって何度も来るので、その度に柔軟に自分を適応できる人が真のプロフェッショナルだと思います。

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