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IT企業の私たちが”人を介した”サービスにこだわる理由

シェルフィー株式会社でクオリティマネジメント統括をしている松井です。経営戦略から施策や実際の現場のオペレーションへの落し込み、チーム体制づくり、メンバー採用・育成などをしています。

クオリティマネジメントってなに?

と思った方も多いのではないのでしょうか?面談時やイベント時によく聞かれることが多いので、今回は私達クオリティマネジメント部の発足経緯と業務内容を、SHELFYが、Web上で全てのプロセスを完結させないことにこだわる理由とともに、お話したいと思います。

そもそもSHELFYとは?


「店舗づくりを、テンポよく」

SHELFYとは新規出店・改装・オフィス移転をしたいクライアントとデザイン設計会社・施工会社・専門業者の「最適なマッチング」を実現し、「円滑なプロジェクト進行」をサポートするWebサービスです。

Webサービスでありながら人によるオペレーションをあえて挟むことにより、Webと人のハイブリッドによるマッチングプラットフォームであることが特徴です。私が統括しているクオリティマネジメント部(以下、QM)とはクライアントと業者の間に入り、トラブルの事前回避や議論のファシリテーションを行います。一般的にはプロジェクトマネージャーやコンサルタント、コーディネーターという職種と近いかもしれません。

どうしてQMが生まれたのか

サービスをリリースしてから1年間はひたすらユーザーの獲得に力を入れていました。 

あらゆるマッチングサービスがそうだと思いますが、、マッチングサービスを運営するにあたっては、まずはマッチングさせるべき両者をいかに多く集められるかが肝心です。

弊社でいうところの両者とは、クライアント(施主)と設計・施工会社で、この両者を集めることを、セールス・Webマーケティングでひたすら効率化していったわけですが、一定数を超えたところで最も重要なマッチング率が急激に低下している状況に気づきました。

ユーザー数の増加だけを追っていくと、クライアントにはシェルフィーの登録会社に依頼すれば今よりもっと見積り金額を安く出来ますよと訴求する一方で、施工会社にはシェルフィーに登録すれば金額が大きな案件がいっぱい来ますよと訴求することになります。すると結果的に、両者に対しお互い相反する期待を持たせることになってしまい、最終的にマッチングに至らないということが頻繁に起こるようになりました。

そこで改めて、VISIONやMISSIONから事業としての提供価値を見直し、マッチング率に責任を持つ存在が必要だ!となったことが、QMを立ち上げたきっかけでした。

そうした経緯で立ち上がったこの部署は、サービスの質(クオリティ)を管理し効果を最大化(マネジメント)するという目的からQM(クオリティマネジメント)という名前となりました。

QMの2つの役割

具体的には2つの役割を担っています。

1つ目はWEBマーケティングチームやセールスチームが集めてきたユーザー同士をマッチングさせることです。クライアントのニーズを深掘りし、予算と依頼内容の整合性、適正なスケジュール、最適な進行方法の提案をし要件を取りまとめた上で、最適な設計/施工会社の選定→打合せ→コンペ→依頼先選定→契約までのサポートを行います。ITベンダーのPM的なイメージをしていただくと近いかもしれません。

上記に加え、「建築業界のあるべき姿」を考え、仕組みをつくっていくという大きな役割があります。建築工事は「言った・言わない」によるトラブルや、決めるべきこと決めずに進めてしまい、完成間近になってトラブルになるというケースがかなりの頻度で起きています。

そこで、SHELFYという第三者のプラットフォームを通して、業界全体及び各ステークホルダーに対して提供できる価値は何かを考え、他部署と連携を図りながら価値創造を促すという役割を担っています。

例えば、開発と組んでプロジェクト管理ツールというプロダクトをつくったり、広報やWebマーケと組んで業界のボトムアップのためにはどんなコンテンツを発信していくべきかを考えたり、セールスと組んで登録時や利用開始時からの訴求方法の改善を図ったり、、、と一例ですが、目の前のユーザーをマッチングさせながら、そこで起きたことをヒントに、業界全体を改善するための仕組みや施策を考え、実行しています。

リスクマネジメントの鬼、店舗づくりの”人生ゲーム”

先述した通り、建築の現場ではトラブルがつきものです。QMは、1件1件異なった状況の中で(物件状態、業種業態、立地、予算、法人個人...etc.の様々な条件の組合せ)、中長期での落とし穴を予測、関係各社への事前交渉をし、出店・移転の際に数多にある落とし穴を事前に埋めなくてはなりません。

トラブルや揉める原因になる要素をいかに事前に察知し、潰すかがプロジェクトの成功の鍵を握ります。この実行には、鬼のようなリスクマネジメントが必要なわけですが、それが属人化してしまってはプラットフォームとして成り立ちません。そこでシェルフィーではこれらを全てマニュアル化することに努めています。

様々な条件・状況の組合せにより引き起こされる事象をパターン化し、まさに人生ゲームで止まったマスによりネクストアクションが決まるように、現状からネクストアクションがなぜ、誰が、何を、いつ、どこで、どのようにすればいいかという5W1Hとともに分かり、落とし穴を未然に防げる可能性を究極まで高めるという取組みをしています。

さらに、これを推し進めることで、業界全体として、Webで代替できることを仕組み化し、本当に人でやる必要があることだけを残していくことも意識しています。

Web完結でないWebサービスの意義

なぜIT企業でありながら、こんなアナログなことをやっているのか、、?

語弊を恐れず言えば、ゲームやSNSなどITで完結できる領域は既にサービスが出尽くしているのではないでしょうか。(もちろん、その中でも新しい物は出てくるわけですが)そもそもITとは元ある仕組みをより効率的にするものであり、そういう意味ではUberやAirbnbの登場も自然な流れだと思います。

私たちが取り組んでいる建築業界はもちろん、これからは医療や農業といった市場規模が大きいが、リアルなオペレーションが多く、イノベーションが後回しにされていた分野のIT化が一気に進んでいくと思います。

とはいえ、既存の仕組みをIT化した便利なサービスを作れば、勝手に浸透するわけではありません。たとえばアメリカであれば新しいものはまず取り入れてみようという習慣が根付いているもあり、破壊的イノベーションが起こりやすいという特徴があります。しかし日本では新しすぎるものに対する拒絶反応が強く、「分からないものは使わない」という特徴があるため、業界の方にリスペクトを持ち、少しづつIT化していく段階的イノベーションのほうが起こりやすいというのがシェルフィーの考えです。

この建築業界という旧態依然とした市場でイノベーションを起こすには、一見遠回りに見えるようなQMの泥臭さも、実は私達の描くビジョンへの一番の近道であり、それこそがあえてWeb完結でないWebサービスの形態をとっている理由です。



採用関わらず、少しでもご興味いただけた方、一緒に何か取り組んでみたいと思っていただけた方、ぜひ一度オフィスに遊びに来てください!

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