3分でわかる法人営業|BtoB営業って実際何をするの?
「法人営業って、会社に売る仕事でしょ?」
法人営業。
そう聞くと、スーツを着て会議室に入り、企業へプレゼンする姿をイメージする人もいるかもしれません。
でも、「法人営業」という言葉だけでは、実際の仕事内容はほとんど分かりません。
どんな会社がお客様なのか。その会社の誰と話すのか。何を提案するのか。新規なのか、既存なのか。契約後も担当するのか。
同じ「法人営業」でも、ここが違えば仕事はかなり変わります。
まず3分で、法人営業を分解してみましょう。
まず30秒で!法人営業って何?
法人営業とは、企業・法人などを主な顧客として行う営業と考えると分かりやすいです。
顧客の状況やニーズを確認し、自社の商品やサービスなどを提案して、新しい取引につなげたり、すでにある取引を継続・拡大したりします。
公的な日本標準職業分類でも「営業職業従事者」は、商品の販売だけではなく、金融・保険、不動産、サービスなどに関する勧誘・交渉・受注・契約締結まで含む形で整理されています。e-Stat
だからこそ大切なのが、
「法人営業だから、こういう仕事」
と一括りにしないことです。
そもそも「BtoB」って何?
BtoBは、Business to Businessの略。
簡単にいえば、企業と企業の間で行われるビジネス・取引のことです。経済産業省も電子商取引の統計で、BtoBを「企業間」の取引としてBtoC(消費者向け)と区別しています。経済産業省
たとえば、
BtoB:企業 → 企業
BtoC:企業 → 一般消費者
というイメージです。
ただし、BtoB=法人営業という職種そのものではありません。
BtoB企業にも、エンジニア、人事、企画、マーケティングなどさまざまな仕事がありますし、一つの企業がBtoBとBtoCの両方を行っていることもあります。
「会社に営業する」って、誰と話すの?
ここが、法人営業を理解するうえでかなり重要です。
「企業に営業する」と言っても、“企業”という一人の人間がいるわけではありません。
実際に話すのは、その会社の中にいる人です。
たとえば採用サービスなら、人事・採用担当。業務システムなら、情報システム部門や実際にシステムを使う部門。広告なら、マーケティングや広報。製造設備なら、工場・生産技術・購買などが提案相手になることがあります。
つまり、
何を扱うかによって、企業の“誰”に営業するかも変わる。
ここまで見ると、法人営業の仕事がかなり具体的になってきます。
※実際の提案相手は商品・サービス・企業の組織によって異なります。
同じ法人営業でも「何を扱うか」で全然違う
たとえば「法人営業募集」と書かれた求人が8社あったとします。
でも中身を見ると、
と、かなり違います。
実際、日本標準職業分類でも、営業は「通信・システム」「機械器具」「金融・保険」「不動産」など扱う対象によって細かく分けられています。e-Stat
だから求人票で「法人営業」と見たら、まず確認したいのは、
「何を、誰に提案する法人営業なんだろう?」
です。
法人営業にも「新規」と「既存」がある
前回のJOB #11でも紹介しましたが、
法人/個人と、新規/既存は別の軸です。
つまり、
法人 × 新規もあれば、
法人 × 既存もあります。
もちろん、一人の営業が新規と既存の両方を担当する会社もあります。
そして「法人×新規」だからといって、テレアポだけとも限りません。
電話、メール、Webからの問い合わせ、広告、紹介、展示会・イベント、パートナー経由など、新しい企業との接点のつくり方はいろいろあります。
法人営業=既存営業でもなければ、法人営業=テレアポがない仕事でもありません。
ここも会社によって確認が必要です。
法人営業って、商談までどう進む?
一例として、こんな流れがあります。
顧客との接点 → 情報収集 → ヒアリング → 課題・要望の整理 → 社内検討 → 提案 → 条件調整 → 契約
ただし、これはあくまで一例。
マーケティングが見込み顧客との接点をつくり、インサイドセールスが商談につなげ、その後をフィールドセールスが担当する会社もあります。
技術的な提案では、営業とエンジニアなどが一緒に顧客へ提案することもあります。公的な職業分類でも、通信・システム営業では顧客の業務上の問題や要求に対して、システムや関連商品・サービスを提案する仕事が示されています。e-Stat
営業一人が、最初から最後まで全部やるとは限らない。
これも法人営業を見るときのポイントです。
「担当者が欲しい!」だけでは契約にならない?
商品や契約内容によっては、担当者一人だけで購入を決められないことがあります。
たとえば、
担当者 → 社内検討 → 上司・関係部署 → 条件確認 → 決裁 → 契約
のように進むケースです。
実際には、商品を使う人と契約を決める人が別だったり、購買部門など別部署が関わったりすることもあります。
だから法人営業では、場合によっては、
「目の前の担当者だけでなく、その会社ではどう意思決定されるのか?」
まで理解する必要があります。
もちろん、すべての法人営業が複数人・複数部署で決裁するわけではありません。商品、金額、企業規模、契約内容などによって異なります。
法人営業=プレゼンする仕事?
ここも少し違います。
法人営業が関わる可能性のある仕事を並べると、
情報収集 → 顧客との接点づくり → ヒアリング → 提案内容の検討 → 社内相談 → 資料・見積作成 → 商談 → 条件調整 → 契約 → 導入・納品 → フォロー
などがあります。
つまり、華やかなプレゼンだけではありません。
商談の前にも、後にも仕事があります。
ただし、どこまで営業が担当するかは会社によって違います。
契約したら、営業の仕事は終わり?
これも企業によります。
契約後はカスタマーサクセスやサポート、導入担当などへ引き継ぐ会社もあれば、営業自身が納品やフォロー、契約更新、追加提案まで担当する会社もあります。
だから説明会では、
「営業はどこからどこまで担当しますか?」
と聞いてみると、実際の仕事がかなり見えやすくなります。
法人営業の1日って?
たとえば、ある法人営業の一日をイメージすると、
09:00|メール・案件確認
10:00|社内ミーティング
11:00|既存顧客とのオンライン商談
13:00|新規顧客への提案
15:00|技術担当と提案内容を相談
16:00|見積・提案資料を作成
17:00|顧客フォロー・翌日の準備
こんな一日も考えられます。
ただし、これはあくまで一例です。
外出中心の会社もあればオンライン商談中心の会社もありますし、店舗・工場などを訪問する営業もあります。
「法人営業の1日」も一つではありません。
法人営業で求められる可能性のある力
法人営業というと「コミュ力」が最初に出てきがちですが、話が上手いだけが営業ではありません。
相手の話を聞く。相手企業について調べる。情報を整理する。必要なことを分かりやすく説明する。提案を組み立てる。社内外の人と調整する。複数の案件を管理する。
そんな力が必要になる仕事もあります。
ただし、求められる力も営業によって違います。
「法人営業だからこの能力が身につく」と考えるより、その会社の営業が普段何をしているかから考えた方が正確です。
法人営業の大変なところは?
顧客ごとに状況が違う。複数の案件を同時に進める。顧客の要望と自社の条件を調整する。提案前に準備が必要になる。
商品によっては、複数の関係者との調整が必要だったり、契約まで時間がかかったりすることもあります。
一方で、短期間で契約まで進む営業もあります。
だから、
「法人営業は大変」でも「法人営業は楽」でもありません。
結局は、どんな法人営業なのかを見る必要があります。
こんな人は、法人営業を見てみてもいいかも
たとえば、企業がどう動いているのかに興味がある人。
相手の話を聞いて整理したり、「この商品ならどう役立つだろう?」と考えたりすることが好きな人。
社内外の人と連携しながら仕事を進めることや、数字を見ながら改善することに興味がある人。
そんな人は、一度仕事内容を詳しく見てみてもいいかもしれません。
ただし、「話すのが得意=法人営業向き」ではありません。
会社によって求められる役割は違います。
よくある勘違いをまとめると
「法人営業=社長に営業」ではありません。
「法人営業=既存営業」でもありません。
「法人営業=飛び込み・テレアポがない」とも限りません。
「法人営業=高額商材・無形商材」でもありません。
「法人営業=プレゼンだけ」でもありません。
「法人営業=一人ですべて担当」とも限りません。
「法人営業=契約したら終了」とも限りません。
「法人営業=個人営業より上」でもありません。
そして、BtoB企業=法人営業しかいない会社でもありません。
大事なのは、名前から仕事内容を決めつけないことです。
法人営業の会社を見るなら、この7つ!
求人票で「法人営業」という文字を見つけたら、次の7つを確認してみてください。
WHO|誰に?
どんな企業の、どんな人・部署がお客様?
WHAT|何を?
どんな商品・サービスを扱う?
WHY|何のために?
顧客はなぜそれを必要としている?
HOW|どう出会う?
新しい商談はどうやって生まれる?
DECISION|誰が決める?
購入・契約には誰が関わる?
TEAM|誰と提案する?
営業一人?技術職や他部署と一緒?
SCOPE|どこまで担当する?
開拓から契約まで?導入・フォロー・更新まで?
この7つを見るだけでも、「法人営業」という一言では見えなかった仕事の中身がかなり分かってきます。
説明会で聞いてみよう!
「主なお客様は、どのような企業ですか?」
「実際の商談では、相手企業のどの部署・役職の方と話すことが多いですか?」
「新しいお客様との商談は、どのような経路から生まれることが多いですか?」
「新規と既存は、どのように担当が分かれていますか?」
「提案するとき、営業以外の部署と一緒に動くことはありますか?」
「営業担当は、契約後どこまでお客様を担当しますか?」
「新卒1年目は、どんな業務・お客様から担当することが多いですか?」
こういう質問をすると、求人票だけでは分からない**“その会社の法人営業”**が見えてきます。
X-careerのCPから一言
「法人営業ならアリかも」
そう思ったときほど、もう一歩だけ深掘りしてみてください。
誰に営業する?
何を提案する?
新規と既存は?
どうやって商談が始まる?
誰と一緒に提案する?
どこまで担当する?
同じ「法人営業」でも、この答えが違えば仕事もかなり違います。
企業を見るときは、
「法人営業ですか?」ではなく、「どんな法人営業ですか?」まで。
ここまで分かると、会社選びはもっと具体的になります。