1
/
5

●ではなぜメーカーにこだわるのか?

 株式会社TEZZOにはアンテナショップとしてのTEZZO BASE、そしてTEZZO BASEサービスファクトリー、WEBストアTEZZO STYLEが存在するが、中核業態はメーカーのTEZZOである。
 新興のベンチャー企業なのだから、サービス業や情報提供業、金融やIT関連の方が成長効率がよいと考える人も多いだろう。しかし長期的な視野で見れば、世界における日本の強みはやはり繊細なモノづくりで、そこにこそ日本企業のマージンがあるはずだ。TEZZOは日本からかつてのソニーのように世界からリスペクトされる製品を生み出したいと考えている。
 と言ってもTEZZOの現在の多くの製品はファブレスの形態で、自社では研究開発、製品企画設計、評価、広報宣伝などを行い、製造はサプライヤーに委託するケースが多い。自社工場はあくまでも装着確認や組立、製品評価として機能している。こうした形態を有しつつ、将来は基幹部分はメーカーとして存在させて、夢物語かもしれないがTEZZOのバッヂの付いた完成車を生産したいと考えている。

●時代の流れ--モノ作りよりも文化作り

 本業はメーカーだが、従来の単なるモノ作りではない。これからは文化の時代だと考えている。クルマを単なる移動の足ではなく、自分を表現できるアイテム、そして走る喜びを共感しあう人生のパートナーと捉える愛好家が少なからずいる。そういうクルマのソフト面を強調し、市場を広げることに貢献する。
 関連グループの株式会社SDJ(スポーツドライビングジャパン)が行う「safty&enjoyドライビングレッスン」や、NCG大学生プロジェクト(next car generation)をサポートする。パイ(市場)を奪い合うのではなくパイを広げていく。クルマに付加価値を求める層を広げ、安全運転を啓蒙し、運転の楽しさを広げていく。いまや自動車の9割は単なる足だとしても、世につまらないものが増えれば増えるほど、反動が起こるはずだ。
 また世界に目を向けてみれば、アジア諸国では自動車の普及と連動して、モータースポーツ、カスタム文化が急速に盛り上がり、大きな市場が生み出されようとしている。こうした流れを読んで、TEZZOは世界に誇る日本のモノ作りを武器に、新しい市場を開拓し、新しい価値の普及を目指す。