残業のお話 その1〜マネジメントの観点から〜

ここ数ヶ月、残業の是非についての議論が活発ですね。いつかこのことについて自分の意見をまとめたいな、と思い続けてはいたものの、考えると非常に深いテーマでなんとなくまとめあぐねて今日に至っていたのですが、「根岸、はよブログ書け」というブログ番長からの指令が入ってしまったので、見切り発車します。

残業という事象については、いろんな角度から語ることができると思うのですが、今回は、マネジメントの観点から考えてみたいと思います。

僕はTigerspikeに入る前までずっと日本企業にいたので、残業はただただ当たり前のものでしかなく、毎日21時22時までやるのが当たり前、くらいにしか思ってませんでした。

Tigerspikeはオーストラリアの会社なので、入った瞬間、以下の鉄の掟を渡されました。てか、大仰に渡すまでもなく彼らの中では当たり前のことのようでした。


・残業をしないで、かつ有給を全部使っても業務も会社(収支)も回るように制度設計するのがマネジメントの仕事

・設計した上で残業が恒常的に発生する場合、もしくはパフォーマンスが上がらない場合、マネジメントの設計ミスか個人のスキル不足なので、最悪はどちらかがクビ


これ、すごくシンプルでわかりやすくて、かつすごくシビアで、どうやら外資系に勤めてる人にとっては当たり前のことのようなんですが、僕はめちゃくちゃ目からウロコでした。これを徹底すれば、残業の議論ってなくなるし、逆にこれを徹底できないから、残業を情緒で語るような話になっちゃうのかと思います。


以下、マネジメントの仕事のイメージです。

左側がよくある欧米企業のマネジメントの仕方ですね。JD(Job Description)で責任と権限を明確にして、KPIを設定して関連する担当との役割分担と職務の渡し方まで定義します。一つひとつの枠の大きさが、残業なしでこなせるものになっているはずで、かつそのスキルを持った人間の給与水準も決まっているので、これをいかに組み合わせて利益の出る形を作るかがマネジメントの仕事になります。

前提として、18時に帰る前提でこれを設計するので、残業というのはそもそも議論にならないです。もちろんプロジェクトのピークの時に残業するとかはありますが、恒常的に残業になるのであれば、その原因を分析して、制度設計の問題か、個人のスキルの問題かを洗い出して改善策を打ちます。最悪はどちらかが辞職することも十分にありえます。残業しない=従業員の勝利、ではなく、「残業せずに成果を出せよ」というすごくシビアな世界です。ただ、日本と違って辞職もそこまでネガティブなものではなく、「その会社のそのポストとはスキルセットが合わなかった」という程度の感覚のようです。

このやり方にはもう1つ利点があって、通常、このJDの切り方はある程度一般的なものになることが多く、そうすると、その分野のプロ、というキャリア形成ができるんですよね。当たり前ですが。なので、日本企業にありがちな、◯◯社のプロ、ではなく、◯◯業務のプロ、としてスキルを伸ばし、転職してさらにスキルを伸ばすようなことも可能になるし、自分にあった会社を見つけやすくなります。会社としても、その分野で経験を持ったプロを採用できるので、社内の未経験者がローテーションで回ってくるよりも、トータルのパフォーマンスは格段に上がります。

長くなっちゃったので図を再掲します。

右側はよくある日本企業のマネジメントの仕方ですね。マネジメントの仕方というか、マネジメントしてないですねwwそもそも明文化もしていないし、責任の所在も権限も明確にしていないケースが多いので、重なったり、抜けたりということが往々にして発生します。そしてそれを防ぐために日本人特有のホスピタリティに期待したり、大量の参加者による大量の会議を発生させることになります。そしてその会議のために毎回わざわざ資料まで作ったりなんかして、更に稼働を増大させます。しかも役割分担も属人的になりがちで、人が入れ替わる度に制度破綻を起こしがちです。

まずまず、上記のような日本のマネジメントのやり方でやっている限り残業は不可避だし、総量規制をしたとしても本質的には何も変わらず、働かない者勝ちのような状況になったり、業務が回らなかったり、できる人に際限なく仕事が降ってきたり、という他の問題にすり替わるだけかと思います。

もちろん業種によっては当てはまらないものもあろうかと思いますが、たいがいの企業にとっては、残業問題はそのままマネジメントの問題に他ならないのではないかというのが僕の見解です。もちろん、僕もまだ不慣れで、設計ミスや設計漏れなんかもよくあったりしますし汗、まだ残業ゼロにはなっていないですが、大事なことはこのような制度設計を前提にマネジメントしようとしているかどうかだと思います。

あー、夜遅いので頭回らず、すごくマジメなままダラダラ書いちゃったなぁ。つまんないなぁ。。まあ、ノルマなのでしゃーない。

次回、気が向いたら、「残業のお話 その2〜日本文化の観点から〜」、を書きたいと思います。いつの日か。。。

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残業のお話 その1〜マネジメントの観点から〜
Kei Negishi
Tigerspike株式会社 / General Manager, Japan
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