東急株式会社に新卒で入社して以来、不動産コンサルティングを経て、社内でいくつもの新規事業を立ち上げてきた小池さん。「産後ケア事業」や「大橋会館」などのプロジェクトを牽引し、現在はアパートメントホテル事業の事業責任者として、東急ライフィアと連携しながら事業拡大に取り組んでいます。 大企業という大きな組織の中で、あえて王道から外れた、いうならば斜に構えるようなスタンスをとる理由や、持続可能な街づくりへの情熱、そしてこれからどのようなチームを作っていきたいのか。小池さんにこれまでの歩みと今後の展望を伺いました。
∟プロフィール:小池和希 さん
新卒で東急株式会社へ入社し不動産コンサルティング事業を担当。その後、二拠点居住者向け賃貸住宅サービス「Re-rent Residence」やサステナブルなまちづくりを目指した「建物の再生事業」、コミュニティドリブンな小規模複合施設のリノベーションプロジェクト「大橋会館」のプロジェクトリーダーを務める。現在、The Apartment Hotelの事業責任者として「街とつながる、ネイバーフッドステイ」をコンセプトにマンスリー賃貸と宿泊機能を併せ持つ地域共生型アパートメントホテル事業を推進中。(現在、東急ライフィアへ兼務出向中)
目次
◎地域の文化やコミュニティを育みながら、地域と共に事業を営む。大企業で新規事業を立ち上げた理由。
◎文化やコミュニティを持続させるには、ビジネスモデルが必要
◎「面」でつながる、アパートメントホテルが描く未来
◎多様な視点がチームを強くする。私たちが求める人物像
◎地域の文化やコミュニティを育みながら、地域と共に事業を営む。大企業で新規事業を立ち上げた理由。
―小池さんは新卒で入社されて13年目になりますが、これまでどのようなキャリアを歩まれてきたのでしょうか。
小池: 最初は不動産コンサルをやっていました。不動産を持っている方に活用方法を提案して、それを東急沿線の街づくりにつなげていくような仕事です。その後、中期経営計画を作るチームに異動になったのですが、自分にはまだ少し早いなと感じて、自分で新規事業を2つほど提案したんです。そうしたら確かにいいねと言ってもらえて、そのまま新規事業チームとして動くことになりました。
―その中で、Re-rent Residenceや池尻大橋の大橋会館といったプロジェクトも立ち上げられたのですね。
小池:そうです。デベロッパーとしては、なるべく大規模な開発で大きな利益を上げることが重要とされている一方、現在社会的に求められているものは、その場を使う人視点の文化であったり、コミュニティであったりすることが多いです。
デベロッパーとしては、ハードの開発とソフト面の活動の両方が必要だと感じていますが、そこが分離してしまい、一体的に動きづらい点に自分は課題意識を感じています。従来の不動産事業以外でもビジネスモデルを作り、地域の文化やコミュニティを育みながら、街とともに事業が成長していくような手法や考え方が必要だと考えており、新規事業に取り組んでいます。
◎文化やコミュニティを持続させるには、ビジネスモデルが必要
―街をソフト面から作っていくことは簡単なことでは無いですよね。
小池:池尻大橋のプロジェクトのように、駅も含めた舞台で「面」での街づくりを個人でやるのは、ハードルが非常に高いです。それに、普通のデベロッパーだと資金繰りのために数年先を見て短期的な回収を求められますが、鉄道事業で日銭が入るビジネスモデルがある今の環境は、長期的な不動産事業の意思決定がしやすいんです。これは、文化やコミュニティを作っていく上で非常にプラスに働きます。
―文化を育てるには時間がかかる印象です。新規事業と街づくりはどのように結びついているのですか?
小池:途中から自分の中で気づいたのが「私の根幹には街づくりをやりたいという思いがある」ということ。ただ、文化やコミュニティといった街の魅力を持続させるには、ビジネスモデルとの両輪が絶対に必要です。自分がやりたい「街の姿」に対して、事業として持続的な形でアプローチしていく。それに向き合えるのがすごく楽しいですね。
◎「面」でつながる、アパートメントホテルが描く未来
―今後、アパートメントホテル事業をどのように拡大していきたいですか?
小池: 都市部はすでにインフラが整っているので、これからは文化やコミュニティを作ることの方が大事だと思っています。たとえば、建物の1階部分をなるべく安く貸し出して街に開かれた場所にし、上層階のホテルでしっかり稼ぐという機能を持つ。 実は現在計画を進めている池尻大橋のプロジェクトでも、まさにこの考え方を実践しようとしています。大橋会館のような拠点を皮切りに、1階に店舗などの文化的な拠り所を増やしていく。そうやって私たちが関われば関わるほど、文化やコミュニティのある場所が「面」で広がっていく。そんな状態を作りたいですね。
―以前、小池さんが「観光とリアルなローカルは対である(相反することもある)」とお話しされていたのがすごく印象的でした。でも、アパートメントホテルという仕組みがその関係性をプラスに昇華させる手段になるのではないかと。それが「面」で繋がってくるとなると、個人的にもすごくワクワクします!
小池: そうですね。だからこそ、1階に店舗などの文化的な拠り所を増やしていくことが重要なんです。面として広がることで、結果的に「地域」と「観光」が共存し、相乗効果を生むような形になると思っています。
―「面」で発展している地域のロールモデルなどはあるのでしょうか?
小池: 例えば、奥渋から代々木公園、代々木上原へと広がっていくエリアや、清澄白河、蔵前などがそうですね。こうしたエリアは、大きな駅やビルを作ったから発展したわけではなく、カルチャーや人といった「ソフト面」を起点に人が集まり、面で盛り上がっています。基本、街は「面」でしか発展しないとは思っていますが、ソフト面から発展していくアプローチは大きなヒントになりますね。
◎多様な視点がチームを強くする。私たちが求める人物像
―最後に、これからどんどん発展していくアパートメントホテル事業のチームにどんな人に来てほしいですか?
小池: 一番は、街や地域に興味がある人ですね。ただ、私自身がこれまで様々なクリエイターやベンチャーの方と仕事をしてきて感じるのは、多様なバックグラウンドや視点を持った人が集まるチームの方がワクワクするし、自分も成長できるということです。だから、色々なバックグラウンドを持った人がいる状態が嬉しいですね。
私の話したキーワードのどの角度からでもいいので少しでも共感してくれて、地域や私たちのブランドに対して愛を持って接してくれる人であれば、これまでの経験は問いません。そういう方とぜひ一緒に働きたいですね。
あとがき
大企業という安定した環境に身を置きながらも、あえて王道を選ばず、前例のない新規事業を切り拓いてきた小池さん。その原動力の根底には、持続可能な街づくりへの強い使命感と、地域文化へのリスペクトがありました。 ただの民泊にとどまらない、ソフトから発展させるというアパートメントホテルのビジネスモデルが、今後どのような「面」の広がりを見せ、新しい街の景色を作っていくのか。多様なメンバーが集まるこれからのチームの挑戦から目が離せません。