完全リモートワークの行き着く先は「エンジニアの過集中」でした〜2種類のミーティングが作業効率と一体感を両立させる〜

新型コロナウイルスの感染の拡大を防ぐために、リモートワーク・在宅勤務体制へ移行する企業が増えています。GMOインターネットグループは4000人規模で一斉在宅勤務体制へ移行し、話題となっています。

その中でTRUSTDOCKは2018年4月頃からリモートワーク の体制を整え、2020年の2月中旬からは在宅ファーストな体制を3月中旬まで延長するようにしました。スタートアップ仲間から「働き方や組織体制、どうしてますか?」と聞かれることが増えたので、TRUSTDOCKのリモートワーク体制を公開します。

まずは一問一答形式でよくいただくご質問にお答えします!お答えするのは、採用領域はCOOの菊池、営業領域はセールスマネージャーの高橋、開発領域はCTOの荘野です。

荘野にはリモートワークをし過ぎて発生した「エンジニア過集中問題」の詳細と原因、解決策についてインタビューしました。リモートワークを進め過ぎるとどうなるか先回りした一つの事例としてご覧ください。


                      COO 菊池

                  セールスマネージャー 高橋

                      CTO荘野

採用もリモートにできる?営業は直接会わないとダメ?〜リモートワーク一問一答〜

1.どの部署、社員をリモートにしていますか?

菊池:営業・採用・開発すべての役割で、ほぼ完全にフルリモートです。

2.電車移動はまだなくせないですよね?

菊池:往訪アポは原則タクシー移動にしました。それ以外は基本的に自宅作業です。

3.ビデオ会議の機会が増えました。オンラインミーティングはどのツールがおすすめですか?

高橋:営業の現場では、Whereby(旧appear.in)を使っています。ダウンロードなしでお客様に参加していただけることが大きなメリットです。

菊池:方法はHubSpotのミーティングリンクで面談を設定して、Google Hangout meetsで面談をしています。採用のカジュアル面談をオンラインにしています。

荘野:開発チームはSlackとWhereby(旧appear.in)を使っています。

4.営業はやはり直接会わないと商談が進みにくいですよね?

高橋:むしろ「まず会いましょう」の営業が受け入れられなくなっていると判断しています。例えばお客様もオフラインの商談だと「会議室を予約してお茶を出す手間」がかかりますよね。従業員数が多い会社だと会議室を取るのも一苦労です。

オンラインミーティングで初回の商品説明は受け入れていただけますよ。

5.開発はリモートワークがしやすそうですよね。実際にいかがでしたか?

荘野:ここは語りたいポイントなんです!発生した課題とどう解決したかを話してもいいですか?

ということで、ここからはエンジニアチームのリモートワークに特化して、CTOの荘野にインタビューします。

リモートワークを進め過ぎると「エンジニアがロボット」になる〜カジュアルな会話で集中力を上げる〜

――開発がリモートワークに最も適していると思うのですが、課題もあるのでしょうか?

荘野:仰るようにエンジニアはリモートワークに慣れていますし、好きな人も多いです。一日中作業することもできますしね。
でも、気持ちの面で課題が出てきます。端的に言えば「エンジニアが課題解決に過集中しすぎる問題」です。6時間、8時間ずっと仕事にだけ集中している状態になります。

――効率良くなりそうですが、集中力が増し過ぎることで何か問題が起きるのでしょうか?

荘野:比喩的にいえば、課題解決のみに集中してしまい、人間的な関わり、つながりが薄くなってしまう、いわゆるロボットのような関係性になってしまうんですよ。リモートワークだと会って話せていたようなカジュアルな会話がなくなって、業務の話ばかりになりますから。

――どうしてそのようになってしまうんでしょうか?

荘野:「リモートワークは過集中を生む」原因は明確です。Githubのissue単位で業務を管理する部分が多いので、それ以外のコミュニケーションが少なくなるんですよ。業務を推進する話がほとんどになり、カジュアルな砕けた会話が減る現象です。

――TRUSTDOCKの海外展開の中心人物であるジェフも、「家族の話が自然にできる安心感が、仕事の集中力を高めてくれる」と話していましたね。

荘野:まったく同感です。『「プロダクトファースト」が浸透している〜根本には「共通のゴール」と家族を話せる「安心感」がある〜』インタビューは僕も「そうだよな」と思いながら読んでいました。

どんなに凄腕のエンジニアでも、365日毎日、100%の貢献をし続けられるわけではないと思います。また、たとえ、貢献をしてくれていると会社が思っていても、私は会社に100%貢献できている」とメンバーが実感できているかどうか、という観点で考えると、さらに難しいです。「寂しい」という気持ちに近いと思います。そんな時にメンバーとちょっとした会話をした後に業務を再開すると、「この会社の一員だ」や「プロジェクトのメンバーだ」という感覚が戻ってくると思うんです。

――業務以外の少しの会話で過集中から抜け出すと、チームの一員の感覚が取り戻せるんですね。

荘野:カジュアルな会話ができること、つまりそれは「何かあったらすぐに相談できる」という安心感にもなりますしね。「こんなこと聞いていいのかな。質問する前に調査しなきゃ、一人で解決しなきゃ」と思いすぎるっていると、時間もかかってしまいますから。

「収束する議論」か「発散する議論」。オフライン会議とオンライン会議をわける基準は明確にある

――オフライン会議とオンライン会議はどのように使い分けているのでしょうか?

荘野:2種類のミーティングを使い分けるようにしてから、カジュアルな会話と仕事の会話のバランスが取れるようになりました。ゴールに向かってより収束していく議論は「オンラインミーティング」、暗中模索の中、うまくいくためのヒントを見つけるような発散系の議論は「オフラインミーティング」にしています。

――「収束する議論」と「発散する議論」をわける基準はどこに設けていますか?

荘野:「収束する議論」は、課題が(少なくともメンバーの1人にとって)明確で、そのゴールに進むために一つ一つの道程を把握する目的で行われるものです。実装内容の確認や、週次のタスク確認、プルリクエストに対するコメントの意図の把握などがその挙げられます。

――「決める」といったゴールが明確な議論ですね。

荘野:反対に「発散する議論」は、例えば新しい要件に対するシステム設計や、複雑な機能のデプロイ手順の確認などの場合です。アナログで図を書いたり、お互いの調査内容を共有する場面が多い議論です。

――会議の目的や必要な要素を洗い出すと、ビデオ会議なのかアナログ会議なのかわけられそうです。

荘野:言い換えれば、1→10の時はリモート、0→1の時は対面ですね。ただ、1→10がメインであっても、進み具合やコミュニケーションが少しでも気になる場合は、少しの時間でも対面で話すことを心がけています。

「15分ミーティング」が、リモート体制に一体感を与える

――具体的な1日の働き方についても知りたいのですが・・・。

荘野:そう聞かれると思って「とあるリモートワーカーの1日の流れ」を洗い出してみました。どうぞ。

――用意周到ですね!スケジュールを見るといわゆる朝会などの定例ミーティングはないのでしょうか?

荘野:オフラインでの定期的な会議や朝会などはないですね。昨日実施したこと、今日実施すること、困っていることをまとめた日報を共有することで、定例ミーティングのオンライン版のようにしています。

――「15分ミーティング」は何の目的で実施されているのでしょうか?

荘野:時間こそ短いですが、この「15分ミーティング」が大事です。これは先ほどお伝えした1→10の「込み入った議論」のひとつです。1→10に当たる実装に際しては必要に応じて10~15分のオンラインミーティングを行っていて、手戻りがないようにしています。

――手戻りは疲労感も強くなりますよね。

荘野:「先回りして話しておけば相談しておけば良かった」となりがちですよね。この「15分ミーティング」で一つのプロジェクトが完了するまでの道のりを全員がリアルタイムで確認できるようになります。

――全員がプロジェクトの進捗を理解することが大事なようですが、そのために意識されていることはありますか?

荘野:この「15分ミーティング」はクリティカルなことを話すので、勤務時間帯を揃えるようにメンバーはスケジュールを設定しています。プルリクエストもよく見るようにしています。そうすると細かく一つ一つ修正できるようになり、チーム全体の意識が同じ方向に向かうようになるんです。

編集後記

リモートワークにすると効率が良くなったりする反面、気持ちの面での課題も発生するようです。それが「エンジニア過集中によるコミュニケーション不足」でした。でも、解決方法はシンプルで1→10の時はオンライン、0→1の時はオフラインのように「MTGを使い分ける」ことのようでした。

「こんなときはどうしてますか?」などのご質問もあれば、TRUSTDOCKメンバーにぜひお寄せください!

TRUSTDOCKはこれからもリモートワークを続けて、見えてきた課題や解決方法を公開していきます。

【TRUSTDOCKのメンバーインタビューはこちら】


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