「この入力作業、AIでアプリにできそう」
今なら、そんな一言からアプリを作り始められます。
入力フォームを作る。
集計画面を作る。
異常があれば通知する。
以前なら開発会社へ相談していた仕組みも、ローコードや生成AIを使えば、現場に近い人が自分で形にできるようになってきました。
改善を始めるまでの距離は、確実に短くなっています。
一方で、アプリを作りやすくなるほど、別の問題も起きます。
現場ごと、部署ごとに便利なアプリが増え、工場全体では同じ情報を見られなくなる問題です。
Excelもローコードも現場を助けてきた
製造現場では、Excelが長く使われてきました。
日報、点検表、在庫表、進捗管理、品質記録。
現場に合わせてすぐ直せて、担当者が自分で工夫できるExcelは、日々の改善を支える道具です。
ローコードも同じように、業務を知る人が自分たちで仕組みを作れる範囲を広げました。
そして生成AIは、アプリを作るまでのハードルをさらに下げようとしています。
Excel、ローコード、生成AIは、それぞれ違う技術です。
ただ、目の前の困りごとを、現場に近い場所で素早く解決できる点は共通しています。
問題は、これらの道具を使うことではありません。
一つひとつの改善が、工場全体の流れとつながらないまま増えることです。
アプリが増えるほど、データが各所に閉じていく
たとえば、生産進捗を記録するアプリを作る。
品質部門は、不良や検査結果を記録する別のアプリを作る。
設備保全では、停止時間や故障理由を管理するアプリを使う。
在庫管理にも、別の仕組みがある。
一つひとつのアプリは、それぞれの仕事を便利にします。
しかし、データはアプリごとのデータベースやクラウド、Excelファイルに保存されます。
それらがつながっていなければ、データが増えても工場全体の分析には使えません。
不良が増えた日に、どの設備が動いていたのか。
その製品には、どの材料ロットが使われていたのか。
設備停止が、生産計画や納期へどの程度影響したのか。
答えを出すには、複数のアプリからデータを取り出し、人が品目、製造指示、ロット、設備などを照合する必要があります。
データは存在するのに、分かれているため活用できない。
アプリを作りやすくなるほど、この状態も生まれやすくなります。
作れることと、つながることは別の仕事
生成AIによって、画面やプログラムを作る速さは上がっていきます。
しかし、そのアプリのデータを別の仕組みへどうつなぐかは、画面を作るだけでは決まりません。
どの製造指示やロットと結び付けるのか。
品目や設備のマスターを、どこから取得するのか。
別のアプリで実績が更新されたら、どう反映するのか。
あとからデータを修正したとき、どこまで履歴を追えるようにするのか。
アプリをまたいで使うデータとルールを共有して、初めて個別の改善が工場全体につながります。
アプリを作る仕事と、工場全体の業務やデータを設計する仕事は別です。
作ることが簡単になるほど、後者の仕事が目立つようになります。
MESはアプリを減らすための仕組みではない
ここで必要になるのが、MES(製造実行システム)です。
MESは、生産計画と現場のあいだで、作業指示、製造実績、品質、設備、在庫、トレーサビリティなどの情報をつなぎます。
すべての業務を一つの大きなシステムへ押し込むことが、MESの役割ではありません。
現場ごとの小さな改善やアプリを活かしながら、工場で共有するデータと業務の流れをそろえる。
個別のアプリが、同じ品目、同じ指示、同じ実績を参照できる土台を作る。
その土台があれば、AIで作ったアプリも、工場全体の改善につなげやすくなります。
AI時代に、人が考える仕事
AIは、要望をもとに画面案を作ったり、コードを書いたり、データを見やすく整理したりできます。
それでも、工場の中にある複数のデータを、何を手がかりに結び付けるべきかは最初から分かりません。
どのシステムを元データにするのか。
製造指示、品目、ロット、設備を、どのIDでつなぐのか。
更新や修正を、ほかのアプリへどう届けるのか。
こうした設計は、現場の業務と既存システムを確認しながら決める必要があります。
AI時代の業務システム開発では、アプリを速く作る力に加えて、散在するデータの関係を整理し、複数の仕組みをつなぐ力が求められます。
製造現場とシステムのあいだで働く
ユニフェイスでは、IB-FactoryシリーズやIB-Mesを通じて、製造現場の業務とデータをつなぐ仕事に取り組んでいます。
AIやローコードで生まれる新しいアプリも、製造現場の改善に活かせる可能性があります。
だからこそ、作って終わりではなく、そのアプリがどの業務につながり、どのデータを使い、工場全体でどう活きるのかまで考えたいと思っています。
製造業の経験をシステムづくりに活かしたい方。
業務システム、DB、既存改善の経験を、工場DXにつなげたい方。
AIで作ることの先にある仕事が気になった方は、まずは話を聞きに来てください。
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