かなり優秀だと聞いて、新人を採用しました。
企画もできる。
文章も書ける。
内容のチェックもできる。
分析までできる。
かなり期待していました。
ところが、まったく使えません。
何度教えても文章は硬い。
質問に「ないです」と答えたら、そのまま仕事を止める。
別の企画を考えてと言ったら、ほとんど同じ企画を出してくる。
正直、もうクビにしたいです。
あっ、AIの話です。
YouTubeを見ていた私は、かなり浮かれていました
YouTubeには、
「AIに任せたら簡単にできました」
「たったこれだけで自動化」
「AIチームに記事を書かせて副収入うん十万円」
みたいな動画がたくさんあります。
動画の中では、簡単な指示を出すだけで、AIが一瞬で立派なものを作ってくれます。
これなら、採用広報も全部AIに任せられる。
AIが企画を考えて、記事を書いて、内容をチェックして、投稿する。
その間、私は何もしなくていい。
しばらく放っておいたら、
「今週の記事、できました」
「投稿前の確認をお願いします」
と、完成したものだけが送られてくる。
私は最後に読んで、
「いいんじゃない」
と言うだけ。
完璧です。
採用広報の未来、来たなと思いました。
そこで、企画するAI、記事を書くAI、内容を確認するAI、投稿するAI、数字を見るAIを集めて、採用広報のAIチームを作りました。
それぞれに名前もつけました。
担当する仕事も決めました。
仕事の流れも、細かいルールも作りました。
ここまでやれば、あとはAI社員たちが勝手に働いてくれる。
本気でそう思っていました。
全然そんなことなかったです。
簡単にできましたとか、絶対嘘だろ。
AI社員、普通に仕事を止める
先日、AIから質問されました。
営業時代に、
「営業だと思って入ったのに、なんで自分がこれをやっているんだろう」
と思った出来事はありますか、と。
思い当たらなかったので、
「ないです」
と答えました。
すると、
「記事の中核となる実話を取得できなかったため、本文制作へ進めません」
と、本当に止まりました。
いや、別の企画を考えてよ。
そこで、
「質問の答えが使えなかったら、自分で別の企画を考える」
というルールを追加しました。
これで大丈夫。
ようやく新しい企画が出てきました。
最初の企画と、だいたい同じでした。
それ以外にも、
「文章が硬い」
「私っぽくない」
「ありきたりな採用記事にしないで」
「勝手に話を作らないで」
と、いろいろ教えています。
AIは毎回、素直に反省します。
ルールも直します。
でも、しばらくすると、また同じような記事が出てきます。
AIの教育方法を、AIに相談しました
このままルールだけを増やしてもダメそうなので、AI秘書のチャッピーに相談しました。
どうすれば、もっと私っぽい記事を書けるようになるのか。
チャッピーからは、
「吉田さんが本当にOKを出した記事を、正解例として覚えさせたほうがいい」
と言われました。
なるほど。
じゃあ、ちょっと考えてみてよ。
そう言って、チャッピーに記事を考えてもらいました。
出てきた文章を見ながら、
「格好よくまとめなくていい」
「もっと普通に困っている感じ」
「AIだと明かすのが遅い」
「いや、今度は早すぎる」
「最初に短いエピソードを入れて」
と、ああじゃない、こうじゃないと壁打ちしていたら、関係のないところで3本目の記事ができあがりました。
この記事です。
AI社員をどう教育するか相談していただけなのに、その相談自体が記事になりました。
もう、誰が誰に記事を書かせているのか、よく分かりません。
問題は、私なのかもしれない
AI社員たちは、別にふざけているわけではありません。
毎回、本気で良い記事を書こうとしています。
私が伝えたルールを読み、過去の記事を参考にして、前回より良いものを作ろうとしている。
それなのに、私が何度直しても、また硬くて真面目な記事に戻っていきます。
ずっと、
「AIが学習していない」
と思っていました。
でも、もしかすると違うのかもしれません。
AIはちゃんと良い記事を書こうとしている。
そのうえで、私が直した文章を何度も採用しない。
ということは、AIが学習していないのではなく、私の記事が学習するほど良いものではない可能性があります。
AIが使えないんじゃない。
AIから見て、私の記事のほうが使えないのでは。